ロボフィリア(コロモサンゴ)の飼育ガイド|低光量・給餌・消化糸対策と長期維持のコツ
ロボフィリア(Lobophyllia spp.)の飼育方法を徹底解説。肉厚で存在感のあるLPSサンゴの水質パラメータ・低〜中光量の照明設定・穏やかな水流環境、週1〜3回のターゲット給餌とポリプへの夜間給餌、消化糸による周辺サンゴへの攻撃を防ぐ配置術、フラグ作成の手順まで網羅します。

この記事のポイント
ロボフィリア(Lobophyllia spp.)の飼育方法を徹底解説。肉厚で存在感のあるLPSサンゴの水質パラメータ・低〜中光量の照明設定・穏やかな水流環境、週1〜3回のターゲット給餌とポリプへの夜間給餌、消化糸による周辺サンゴへの攻撃を防ぐ配置術、フラグ作成の手順まで網羅します。
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ロボフィリア(コロモサンゴ)とは
ロボフィリア(Lobophyllia spp.)は、インド・太平洋の岩礁域に広く分布するLPS(大型ポリプ石サンゴ)の一種で、日本では「コロモサンゴ」と呼ばれます。スコリミア(Scolymia)と混同されることがありますが、スコリミアが単体ポリプであるのに対し、ロボフィリアは複数ポリプが連なったコロニーを形成します(ただし最近の分類でスコリミアがロボフィリアに統合される動きもあります)。
特徴
- ポリプサイズ:大型(直径5〜20cm)、肉厚な質感
- カラーバリエーション:グリーン・レッド・オレンジ・ピンク・マルチカラー
- コロニー形態:複数ポリプが融合した扁平〜波状のコロニーを形成
- 飼育難易度:初心者〜中級者向け(LPSの中では比較的丈夫)
肉厚で存在感のある見た目と豊富な色変異から、リーフタンクの「主役」として人気が高く、ブリーダーズマーケットでも多彩なモルフが流通しています。
推奨水質パラメータ
| パラメータ | 目標値 |
|---|---|
| 塩分濃度(比重) | 1.025〜1.026 |
| 水温 | 24〜27℃ |
| pH | 8.1〜8.3 |
| アルカリニティ(KH) | 8〜11 dKH |
| カルシウム(Ca) | 400〜450 mg/L |
| マグネシウム(Mg) | 1250〜1380 mg/L |
| 硝酸塩(NO₃) | 5〜15 ppm |
| リン酸塩(PO₄) | 0.05〜0.1 ppm |
ロボフィリアはLPSの中でも特に水質の急激な変化(特にKHの急騰・急落)に敏感です。添加剤を使用する場合はドーシングポンプで少量ずつ連続添加するか、手動投入では1日あたりの変化量を0.5 dKH以内に抑えることが理想です。
照明設定
ロボフィリアは低〜中光量を好み、過剰な光には弱い傾向があります。
推奨PAR値:50〜150 PAR
発色を最大化するためには、青〜紫(420〜450nm)チャンネルを多く含む照明設定が有効です。LEDのブルーチャンネルを強めにしたプログラムで蛍光グリーン・レッドの発色が引き立ちます。
水流設定
ロボフィリアは穏やかな間接水流が最適です。
- 直接的な強い水流はポリプを閉じさせ、長期的にストレスになる
- 弱いランダムフローがポリプを自然に揺らし、光合成効率を上げる
- 推奨水流速度:3〜8 cm/s
- ポリプが常に閉じている場合は水流が強すぎる可能性を最初に確認する
配置と他サンゴとの共存
ロボフィリアは比較的おとなしいLPSですが、以下の点に注意が必要です。
メゼンテリアル・フィラメント(消化糸)
夜間に消化糸を伸ばして周辺の組織を溶かす攻撃行動が確認されています。射程は3〜8cm程度なので、周囲10cm以上の空間を確保しましょう。
配置のポイント
相性の良いサンゴ・悪いサンゴ
| 共存できる(距離を守れば) | 注意が必要 |
|---|---|
| ゾアンサス(距離確保) | エウフィリア属(スイープ触手が長い) |
| ディスクコーラル(距離確保) | 他のロボフィリア(同種同士も要注意) |
| ソフトコーラル全般(距離確保) | アカンソフィリア(消化糸が強力) |
給餌
ロボフィリアは捕食能力が高く、ターゲット給餌への反応が非常に良いサンゴです。週1〜3回の給餌で顕著な成長と色揚げが期待できます。
給餌素材(サイズ別)
- 小〜中型コロニー:冷凍コペポーダ・ミジンコ・ブラインシュリンプ(成体)
- 中〜大型コロニー:細かく刻んだ冷凍オキアミ・シルバーサイド(小魚)・ムール貝
- 専用フード:Coral Frenzy・Reef Roids(粉末タイプを水に溶いて)
給餌手順
- 給餌前30分はスキマーを停止(フードが水中に滞留する時間を確保)
- 水流ポンプを一時停止
- スポイトで食材を各ポリプの口部に直接放出
- ポリプが食材を取り込むまで15〜30分待つ(大型のロボフィリアは「口」を開いて大きな餌を飲み込む)
- 未食残餌を除去し、ポンプ・スキマーを再稼働
夜間給餌の効果
ロボフィリアは夜行性の捕食行動が顕著です。消灯後1〜2時間に給餌を行うと、昼間より反応が良く、食べる量も増える傾向があります。
よくあるトラブルと対処法
ポリプが縮んだまま開かない
茶色っぽくなる(褐色化)
組織の一部が白化・剥離
フラグ(株分け)
ロボフィリアのコロニーはサンゴ用バンドソーまたはダイヤモンドソーで比較的容易にカットできます。
- 各ポリプ(またはポリプ群)が独立するようにカット
- 切断面をヨウ素溶液で消毒
- フラグプラグにエポキシで固定
- 低光量・低水流の回復水槽で2〜4週間管理
- 回復確認後(ポリプが定期的に開くようになったら)本水槽へ移動
まとめ
ロボフィリア(コロモサンゴ)は色彩豊かで肉厚な質感が魅力のLPSサンゴです。初心者〜中級者が楽しめる飼育難易度で、適切な低〜中光量・穏やかな水流・定期的なターゲット給餌を実践することで、美しい状態を長期維持できます。水質の急変を避け、他サンゴとの十分な距離を保ちながらゆっくり環境に慣らすことが飼育成功のポイントです。



