メインコンテンツへスキップサンゴ水槽の添加剤(ドージング)ガイド:二液・三液・自動化 | ブリちょくサンゴ| ✍️ ブリちょく編集部
サンゴ水槽の添加剤(ドージング)ガイド:二液・三液・自動化
サンゴ水槽のKH・Ca・Mg維持に使う添加剤(ドージング)の種類と使い方を解説。二液・三液方式の違い・自動ドージングポンプの設定・計算式と添加量の目安を詳しく紹介します。サンゴ水槽における添加剤(ドージング)の基礎知識 サンゴを健康に育てるためには、水質の安定が何より重要です。特に KH(炭酸塩硬度)・カルシウム…
この記事のポイント
サンゴ水槽のKH・Ca・Mg維持に使う添加剤(ドージング)の種類と使い方を解説。二液・三液方式の違い・自動ドージングポンプの設定・計算式と添加量の目安を詳しく紹介します。サンゴ水槽における添加剤(ドージング)の基礎知識 サンゴを健康に育てるためには、水質の安定が何より重要です。特に KH(炭酸塩硬度)・カルシウム…
サンゴ水槽における添加剤(ドージング)の基礎知識
サンゴを健康に育てるためには、水質の安定が何より重要です。特にKH(炭酸塩硬度)・カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)の三つは、サンゴが骨格を形成するために欠かせない主要元素です。これらは時間とともに消費・変動するため、定期的な補充が必要になります。
その補充方法として広く普及しているのが「ドージング(dosing)」です。専用の添加剤を一定量ずつ水槽へ投入し、数値を安定した範囲に保つ手法です。難しそうに聞こえますが、仕組みを理解すれば初心者でも十分取り組めます。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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維持すべき三大元素の目標値
まず添加剤を使う前に、目標とする数値を把握しておきましょう。
| 元素 | 目標値の目安 |
|---|
| KH(炭酸塩硬度) | 8〜11 dKH |
| カルシウム(Ca) | 380〜440 mg/L |
| マグネシウム(Mg) | 1250〜1350 mg/L |
これらは互いにバランスをとっています。特にMgが低いとCaとKHが安定しにくくなるため、まずMgを適正範囲に整えてから他を調整するのが鉄則です。
水質測定は週1〜2回を目安に行いましょう。測定しないままドージングを続けると過剰添加になり、逆に水質を悪化させる原因になります。
二液方式(2パート)の特徴と使い方
二液方式はAパート(カルシウム+マグネシウム)とBパート(炭酸水素塩)に分かれた添加剤を使うシステムです。代表的な製品としてはトリトン社の製品や、各メーカーが展開するAB液タイプが挙げられます。
メリット
- 製品の種類が豊富で入手しやすい
- 使用量の計算がシンプル
- 小〜中型水槽に向いている
デメリット
- MgをCaと別に細かく調整しにくいケースがある
- 水槽規模が大きくなると添加量が増える
- 現在のKH・Ca・Mgを測定する
- 各成分が目標値に達していない場合、製品ラベルの換算表を参照して不足分を計算する
- AパートとBパートを必ず別の場所・別のタイミングで添加する(直接混ぜると白濁・沈殿する)
- 翌日再測定し、変化を確認する
KH補充の計算例
200L水槽でKHが8 dKHから目標10 dKHへ上げたい場合、製品によって異なりますが一般的に1 dKH上昇に約1〜1.5 mL/100Lが目安。200L×2 dKH×1.2 mL=約480 mLが必要量の参考値です(製品ラベルを必ず確認のこと)。
三液方式(3パート)の特徴と使い方
三液方式はKH・Ca・Mgを独立した三つのパートで管理するシステムです。Brightwell Aquatics社の「Reef Code A+B+Mg」やD-D社の製品が有名です。
メリット
- 三元素を個別に細かく調整できる
- 水槽の消費バランスに合わせて各液の添加量を柔軟に変えられる
- SPS(小多岐サンゴ)を多く飼育する本格的な水槽に特に向いている
デメリット
- 管理する液が増えるため、慣れるまで手間がかかる
- コストが若干増す
三液方式でも測定→計算→添加→再測定のサイクルは変わりません。ただし各液の消費量が水槽の状態によってバラバラになるため、1〜2週間ごとに消費量を記録して傾向をつかむことが大切です。
例えば「KHだけ極端に減る」という場合はSPSが多い証拠です。KH液の添加量を増やし、CaやMgは現状維持で調整するといった対応が可能です。
自動ドージングポンプの導入と設定
手動での添加に慣れてきたら、自動ドージングポンプの導入を検討しましょう。一定間隔で指定量を自動添加してくれるため、外出中でも安定した水質を保てます。
主なメーカーと製品例
- Kamoer(カモエール)シリーズ
- GHL Doser
- Jebao社ドージングポンプ
添加時の注意点とよくあるトラブル
AパートとBパートを同時・同場所に添加しない
特に二液・三液のKH液とCa液を同じ場所に投入すると白い沈殿(炭酸カルシウム)が生成されます。時間をずらすか、水流の強い場所に分けて添加しましょう。
数値を急激に変化させない
KHを一度に3 dKH以上急変させると、サンゴが「KHクラッシュ」を起こして白化・死滅するリスクがあります。1日あたりの変化は最大1〜1.5 dKH以内を目安に、段階的に調整します。
Mgから先に整える
MgはCaやKHの安定に影響します。数値が低い場合(1250 mg/L以下)は、まずMgを適正範囲に戻してから他の調整を行いましょう。
添加剤の保管方法
添加液は高温・直射日光を避けて保管します。特にKH液は空気中のCO₂と反応して効力が変化するため、使用後はしっかりキャップを閉めてください。
まとめ:ドージングは「測定」と「記録」が土台
添加剤によるドージングは、サンゴ飼育を一段上のレベルへ引き上げる大切な技術です。二液・三液どちらを選ぶにしても、測定→添加→記録→再測定のサイクルを崩さないことが成功の鍵です。
最初は手動添加で消費量の感覚をつかみ、安定してきたら自動ドージングポンプへ移行するのがおすすめのステップです。水槽ごとに消費量は異なるため、他の人の数値を鵜呑みにせず、自分の水槽データを地道に積み上げていきましょう。丁寧な管理がサンゴの美しい色揚がりや成長につながります。