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スコリミア(ロボフィリア)の飼育ガイド|照明・水流・ターゲット給餌・フラグ作成
スコリミア(Scolymia)の飼育方法を徹底解説。適切な水質パラメータ(KH・Ca・Mg・栄養塩)、低〜中光量の照明フォトアクリメーション、穏やかな間接水流の設定、週1〜2回のターゲット給餌のコツ、フラグ(株分け)の作り方、ポリプが開かない・RTN等のトラブル対処まで網羅した中級者向け実践ガイドです。
この記事のポイント
スコリミア(Scolymia)の飼育方法を徹底解説。適切な水質パラメータ(KH・Ca・Mg・栄養塩)、低〜中光量の照明フォトアクリメーション、穏やかな間接水流の設定、週1〜2回のターゲット給餌のコツ、フラグ(株分け)の作り方、ポリプが開かない・RTN等のトラブル対処まで網羅した中級者向け実践ガイドです。
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スコリミアとは
スコリミア(Scolymia australis・Scolymia lacera)は、オーストラリア・カリブ海産のLPS(大型ポリプ石サンゴ)の一種で、単体ポリプで成長する円形の肉厚なサンゴです。かつてはロボフィリア(Lobophyllia)属と混同されることも多く、日本では「スコリミア」「スコリー」と呼ばれます。単色から複数のカラーが鮮やかに流れるマルチカラータイプまで豊富な色彩変異があり、コレクターズアイテムとして高額で取引されるモルフも多く存在します。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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ポリプは通常直径5〜15cm程度に成長し、岩盤に付着した状態で底置きか中段の岩棚に配置します。夜間や給餌時には肉厚な触手を出して食物を取り込む、独特の捕食行動が観察できます。
飼育難易度と必要な水質パラメータ
スコリミアの飼育難易度は中級者向けです。急激な水質変化に弱く、安定した環境を維持できれば長期飼育が可能ですが、水質が乱れると素早く退縮(シュリンキング)し、白化・RTNへ移行することがあります。
| パラメータ | 目標値 |
|---|
| 塩分濃度(比重) | 1.025〜1.026 |
| 水温 | 24〜26℃ |
| pH | 8.1〜8.3 |
| アルカリニティ(KH) | 8〜10 dKH |
| カルシウム(Ca) | 400〜450 mg/L |
| マグネシウム(Mg) | 1250〜1350 mg/L |
| 硝酸塩(NO₃) | 5〜10 ppm(ゼロは避ける) |
| リン酸塩(PO₄) | 0.03〜0.08 ppm |
スコリミアはULNS(超低栄養塩)環境では色が退色し、ポリプが縮む傾向があります。適度な栄養塩(硝酸塩5〜10 ppm、リン酸塩0.03〜0.08 ppm)を維持することが発色を保つコツです。
照明設定
スコリミアは比較的低〜中光量を好むLPSです。強光(高PAR)にさらすと白化するリスクがあるため、導入後はゆっくりと光量に慣らす「フォトアクリメーション」が重要です。
- 最初の2週間:50 PAR以下の岩陰・下段に配置
- 2〜4週目:徐々に中段の70〜100 PARに移動
- 安定後:100〜150 PARが発色の良いゾーン
水流
スコリミアは強い直接水流が苦手です。ポリプを閉じさせる原因になるため、以下の設定を意識してください。
- 推奨:間接水流・ランダムフロー(水流ポンプを岩盤・壁に向けて反射させる)
- 推奨水流速度:1〜5 cm/s程度の穏やかな流れ
- ウェーブコントローラーでランダムパターンにすると自然に近い水流を作れる
強すぎる水流はポリプが開かない原因の第一位です。配置場所を変えてもポリプが開かない場合は、まず水流を疑ってください。
配置
スコリミアは砂床または低位置の岩の窪みに底置きするのが基本です。ただし砂に直接触れると擦り傷になることがあるため、フラグ台やゴム足付きのフラグプラグの上に置くと安全です。
給餌
スコリミアはターゲット給餌(ピンポイント給餌)に非常に良く反応します。週1〜2回の給餌で成長・色揚げが顕著に改善します。
- 水流ポンプを止める(10〜15分)
- スポイトで食材をポリプの中央に直接落とす
- 15〜20分かけてゆっくり食材を取り込むのを観察
- 未食の残餌はスポイトで回収してから水流を再開
よくあるトラブルと対処法
ポリプが開かない
- 水質チェック:KH・Ca・Mg・亜硝酸・アンモニアを測定
- 水流を弱める:直接当たっている場合は配置変更
- 光量を下げる:新規導入時は特に低PAR環境から始める
- 隣のサンゴとの距離:接触・化学的攻撃(アレロパシー)を確認
褐色化・色あせ
白化・RTN(急速組織壊死)
白化が一部から始まり急速に広がる場合はRTNの可能性があります。
- 即座に隔離水槽(QT水槽)に移動
- 水流・照明を抑えた低ストレス環境で回復を待つ
- 可能であれば未壊死部分をフラグとして切り取り保護
フラグ(株分け)の作り方
- サンゴ用ダイヤモンドソー(ミニルーター・バンドソー)
- フラグプラグ(陶器またはプラスチック)
- サンゴ用接着剤(水中硬化エポキシまたはシアノアクリレート)
- ヨウ素水溶液(切断面の殺菌用)
- サンゴを水槽から取り出し、素早くソーで二等分(または扇形に分割)
- 切断面をヨウ素水(0.1%程度)で軽く消毒
- フラグプラグに接着剤で固定
- 低光量・弱水流の回復水槽に2〜4週間隔離して治癒させる
フラグの回復には通常2〜6週間かかります。回復中は給餌を積極的に行うと治癒が促進されます。
まとめ
スコリミアは鮮やかな色彩と独特のモルフが魅力のLPSサンゴです。適度な栄養塩環境・低〜中光量・穏やかな水流・定期的なターゲット給餌を守れば、長期的に美しい状態を維持できます。安定した水質と他サンゴとの適切な距離の確保が飼育成功のカギです。導入時は焦らず低ストレス環境で慣らし、段階的に理想の配置場所に移動させましょう。