サンゴの骨格形成に欠かせないカルシウム・アルカリ度(KH)・マグネシウムの関係と、バランスを保ちながら添加する方法を解説。測定頻度・添加剤の選び方・カルシウムリアクターの導入まで詳しく紹介します。
この記事のポイント
サンゴの骨格形成に欠かせないカルシウム・アルカリ度(KH)・マグネシウムの関係と、バランスを保ちながら添加する方法を解説。測定頻度・添加剤の選び方・カルシウムリアクターの導入まで詳しく紹介します。
サンゴ(特にSPS・LPS)は水中のカルシウム(Ca)とアルカリ度(KH)を使って炭酸カルシウムの骨格を作ります。この「石灰化」のプロセスを支えるのが、サンゴ水槽管理の三本柱とも言えるカルシウム・アルカリ度(KH)・マグネシウム(Mg)です。
この3つは相互に影響し合うため、どれか1つだけを調整しても安定しません。バランスを取りながら管理することが長期維持の鍵です。
| パラメーター | 目標値 | 測定頻度 | |---|---|---| | カルシウム(Ca) | 380〜450 ppm | 週1回 | | アルカリ度(KH) | 7〜11 dKH | 週1〜2回 | | マグネシウム(Mg) | 1,250〜1,350 ppm | 月1〜2回 |
KHは最も変動しやすいため、週2回測定する習慣をつけると安心です。カルシウムとKHの比率が崩れると沈殿(析出)が起きる可能性があるため、Ca:KHのバランスも意識します(Ca 400ppm ≒ KH 8〜9 dKHが一つの目安)。
最もシンプルな方法が「Aart添加剤(パート1・2)」などの二液式ドーシングです。カルシウム成分とアルカリ成分(炭酸水素ナトリウムなど)を別々に添加します。
注意点:2液を同時に・同じ場所に入れると析出が起きます。必ず別々の場所・時間差で添加してください。少量ずつ毎日添加するのが理想です。
週10〜15%の水換えは、CaとKHを含む高品質人工海水を使うことでパラメーターの補充になります。水換えを継続するだけでCa・KHが適切に維持できる場合も多く、初心者に最も推奨される方法です。
カルシウムリアクターはサンゴの骨格素材(アラゴナイト)をCO2で溶かし、リアクター水として水槽に戻す装置です。SPS中心の水槽や大型水槽で特に効果を発揮します。
Mg不足の典型的な症状は「添加剤を入れても Ca・KHが上がらない」「白い沈殿物が出る」です。Mg が低い(1,200 ppm以下)と、CaとKHの沈殿が促進され、いくら添加しても効果が出にくくなります。
Mg 補充には塩化マグネシウム(塩マグ)または市販のマグネシウム添加剤を使います。一度に大量補充すると比重や他のパラメーターに影響するため、1日50〜100 ppmずつ段階的に上げるのが安全です。
月に一度のテストキット測定に加え、年1〜2回のICP水質分析を活用すると、微量元素(ストロンチウム・ヨウ素・バナジウムなど)も含めた包括的なデータが得られます。ICPはオンラインサービスとして数千円から依頼でき、水槽の「健康診断」として活用できます。
サンゴ水槽のCa・KH・Mg管理は「測定→添加→測定」のサイクルを習慣化することから始まります。初心者は水換えを中心に管理し、サンゴ数が増えてきたら二液式添加剤やカルシウムリアクターの導入を検討しましょう。3元素のバランスを保つことが、美しく健康なリーフタンクへの近道です。