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サンゴのプランクトン給餌完全ガイド|フィトプランクトン・ワムシ・コペポーダ・ドライフードの使い分け
サンゴの長期維持・色揚げ・成長促進に不可欠なプランクトン給餌を徹底解説。フィトプランクトン・ロティファー・コペポーダ・Reef-Roids等のドライフードの種類別特徴、週間給餌スケジュール、水流停止のタイミング、栄養塩管理との兼ね合いまで実践的に紹介します。
この記事のポイント
サンゴの長期維持・色揚げ・成長促進に不可欠なプランクトン給餌を徹底解説。フィトプランクトン・ロティファー・コペポーダ・Reef-Roids等のドライフードの種類別特徴、週間給餌スケジュール、水流停止のタイミング、栄養塩管理との兼ね合いまで実践的に紹介します。
サンゴは「光合成だけで生きている」と思われがちですが、実際には共生藻(ズーキサンテラ)による光合成エネルギーだけでは不十分な場合が多く、プランクトン給餌が長期維持・色揚げ・成長促進のカギを握ります。本記事では、ワムシ・コペポーダ・フィトプランクトン・市販ドライフードの使い分けと実践的な給餌テクニックを解説します。
サンゴの栄養需要を理解する
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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サンゴの栄養は大きく2つのルートから得られます。第一は内部共生藻(ズーキサンテラ)が光エネルギーで合成した糖類と脂肪酸。第二は外界から捕食する有機粒子・プランクトン・溶存有機物(DOM)です。
研究によると、LPSサンゴの場合、プランクトン由来の炭素が全エネルギー収支の30〜70%を占めることがわかっています。特に高光量下でも「栄養塩欠乏(starved reef)」状態になると色素タンパクが薄れ、成長が鈍化します。ソフトコーラルでも月1〜2回のターゲット給餌で成長速度が顕著に向上する例が多数報告されています。
光合成依存度の種別差
主なプランクトン餌料の種類と特徴
フィトプランクトン(植物プランクトン)
最もよく使われる液体餌料。主成分は海水中の単細胞藻類で、Nannochloropsis(ナンノクロロプシス)とIsochrysis(イソクリシス)が代表格です。
- 粒径: 2〜5μm(非常に微細、SAM/フィルターフィーダー向け)
- 主な効果: コペポーダ・ワムシの餌・ゴニオポーラ・ドリスのDNA等への補填
- 使用量目安: 60cm水槽で週2〜3回、1〜3mL
- 注意点: 過剰添加で水が緑に染まりコケ増加。栄養塩(NO₃・PO₄)も上昇するため量を調整
ロティファー(ワムシ)
コペポーダ(橈脚類)
- 代表種: Tisbe biminiensis, Apocyclops panamensis
- 生きたコペポーダ vs 冷凍: 生きた状態で水槽に投入するとサンゴが自力捕食する姿を観察できる
- 自家培養の勧め: リフジウム(海藻水槽)を設置することでコペポーダが自然繁殖し、メイン水槽への補給が継続
市販ドライ/ゲルフード
近年、Reef-Roids(リーフロイズ)・Reef Energy A&B(Two Little Fishies)・AF Coral B-Aminoなどのプランクトン濃縮フードが普及しています。
- Reef-Roids: 粒径15〜200μm、アミノ酸・脂質・たんぱく質を濃縮。LPS・ソフトコーラルに向く
- Reef Energy A&B(2液): A液(糖類・アミノ酸)とB液(脂質・ビタミン)に分かれており、毎日少量添加
- AF Coral B-Amino: SPS向けアミノ酸サプリ。色素たんぱく(クロロフィル・蛍光タンパク)合成を促進
給餌のタイミングと実践手順
ポリプ展張を確認してから給餌する
サンゴのポリプが縮んでいる状態では餌料が無駄になります。夕方〜消灯1〜2時間前を目安に、水流ポンプを一時停止した状態でターゲット給餌するのが最も効果的です。
- メイン水流ポンプを30分停止(または最小出力に)
- スポイト・シリンジで餌を各サンゴのポリプ付近に直接注入
- スキマーを30〜60分停止(スキミングで餌が吸われるのを防ぐ)
- 給餌後1時間経過後に水流・スキマーを再稼働
週間給餌スケジュール例(60cm水槽)
| 曜日 | 給餌内容 | 対象 |
|---|
| 月 | Reef-Roids 0.5g + 水流停止 | LPS全体 |
| 水 | フィトプランクトン 2mL | 全体(溶存) |
| 金 | コペポーダ投入(生or冷凍) | NPS・LPS |
| 日 | ターゲット給餌 + Reef Energy A 1mL | LPS・SPS |
SPS水槽で栄養塩管理が厳しい場合は、フィトプランクトンを減らしアミノ酸系液肥(Coral B-Amino等)に切り替えると栄養塩上昇を抑えつつ成長促進できます。
給餌量と栄養塩バランスの調整
プランクトン給餌で最もよくある失敗は過剰給餌による栄養塩(NO₃・PO₄)の上昇です。
管理の目安値
- NO₃(硝酸塩): SPS水槽 0〜5 ppm、LPS混在 5〜20 ppm
- PO₄(リン酸塩): SPS水槽 0〜0.03 ppm、LPS・ソフト 0.03〜0.1 ppm
給餌量を増やす際はGFO(鉄系リン酸塩吸着剤)やNoPox等の炭素源添加剤を並行して調整し、PO₄が0.1 ppmを超えないよう管理します。
「バランス給餌」の考え方
よくあるトラブルと対処法
ポリプが餌を食べない
- 原因: ポリプ展張前に給餌している、水流が強すぎる
- 対処: 消灯前30分に水流を止め、完全展張を確認してからスポイト給餌
給餌後に水が白濁する
- 原因: 有機物過多、スキマー過稼働
- 対処: 餌料量を半分に減らす。1時間後にスキマー再稼働すれば翌日には透明に戻る
給餌後に藍藻(シアノ)が増える
- 原因: リン酸塩蓄積
- 対処: GFO添加量を増やす。フィトプランクトンの量を週2mL→1mLに削減
コペポーダを入れると魚に全部食べられてしまう
まとめ:種類別給餌ロードマップ
- 初心者: まずReef-Roids週1回のターゲット給餌から始める
- 中級者: フィトプランクトン + Reef-Roids の組み合わせで週2〜3回
- 上級者: コペポーダ自家培養 + アミノ酸液肥の毎日微量添加で色揚げ・成長を最大化
種類に応じた適切な餌料・頻度・量を把握することで、サンゴの長期飼育成功率が大きく向上します。水質パラメーター管理と組み合わせ、「食べさせる飼育」を実践してみましょう。