海水魚の検疫(隔離)水槽の立ち上げ方|白点病を持ち込まない方法
新しい海水魚を本水槽に入れる前の検疫水槽の立ち上げ方を解説。必要な機材、銅イオン治療の手順、検疫期間の目安、観察すべきポイント、検疫なしのリスクを紹介します。なぜ検疫水槽が必要なのか 海水魚を本水槽に直接投入するのは、ロシアンルーレットに近い行為だ。ショップの水槽は複数の仕入れルートから来た魚が混在しており、外見…

この記事のポイント
新しい海水魚を本水槽に入れる前の検疫水槽の立ち上げ方を解説。必要な機材、銅イオン治療の手順、検疫期間の目安、観察すべきポイント、検疫なしのリスクを紹介します。なぜ検疫水槽が必要なのか 海水魚を本水槽に直接投入するのは、ロシアンルーレットに近い行為だ。ショップの水槽は複数の仕入れルートから来た魚が混在しており、外見…
なぜ検疫水槽が必要なのか
海水魚を本水槽に直接投入するのは、ロシアンルーレットに近い行為だ。ショップの水槽は複数の仕入れルートから来た魚が混在しており、外見上は健康に見えても白点病(Cryptocaryon irritans)の幼虫を体表に持っているケースが多い。白点病の原因となる繊毛虫は水温28℃前後で生活環が3〜7日と非常に短く、爆発的に増殖する。本水槽に一度持ち込むと、底砂やライブロックに幼虫が定着し、完全駆除は現実的に不可能になる。
検疫水槽(トリートメントタンク)は、このリスクを根本から断ち切るための「エアロック」だ。新入り魚を2〜4週間隔離し、白点の有無を確認・治療してから本水槽へ移す。手間に見えるが、本水槽の崩壊を一度でも経験すれば、この工程が最大の時短になると分かる。
必要な機材と最小構成
検疫水槽は「治療できること」「維持しやすいこと」の二点に特化すればよい。本水槽ほどの豪華な設備は不要だ。
水槽本体:20〜60L程度のアクリルまたはガラス水槽。複数匹同時に検疫するなら60Lが使いやすい。
ろ過:スポンジフィルターが最適解。物理ろ過と生物ろ過を兼ね、薬浴時も取り外しが容易。外部フィルターは薬が吸着されるリスクがあるため向かない。スポンジは普段から本水槽のサンプ槽に沈めておくと、使いたいときにバクテリアが定着した状態で即戦力になる。
ヒーター:サーモ付きヒーターで25〜26℃に維持。白点病の生活環を意図的に短縮したい場合は28〜30℃に上げる選択肢もある(魚の種類による上限を確認すること)。
照明:弱くて構わない。LEDクリップライト程度で十分。強光は魚のストレスを高める。
底砂・ライブロック:不要。むしろ入れてはいけない。白点虫の幼虫が底砂に潜り込むと薬が届かず、完全治療の妨げになる。ベアタンクが鉄則。
比重計・水温計:塩分濃度1.020〜1.025、水温計は毎日確認できる位置に設置する。