メインコンテンツへスキップカルシウムリアクターのセットアップと調整ガイド|SPS・LPS水槽のKH・Ca安定化 | ブリちょく海水魚| ✍️ ブリちょく編集部
カルシウムリアクターのセットアップと調整ガイド|SPS・LPS水槽のKH・Ca安定化
サンゴ水槽のKH(アルカリ度)とカルシウム(Ca)を自動補給するカルシウムリアクターの仕組み・選び方・セットアップ・CO₂流量とペリスタルティックポンプの調整方法を解説します。カルシウムリアクターとは カルシウムリアクター(Calcium Reactor、略してカルリア)はサンゴが骨格形成に消費するカルシウム(C…
この記事のポイント
サンゴ水槽のKH(アルカリ度)とカルシウム(Ca)を自動補給するカルシウムリアクターの仕組み・選び方・セットアップ・CO₂流量とペリスタルティックポンプの調整方法を解説します。カルシウムリアクターとは カルシウムリアクター(Calcium Reactor、略してカルリア)はサンゴが骨格形成に消費するカルシウム(C…
カルシウムリアクターとは
カルシウムリアクター(Calcium Reactor、略してカルリア)はサンゴが骨格形成に消費するカルシウム(Ca)とアルカリ度(KH)を自動的に補給するための機器です。
サンゴ水槽では石サンゴが成長する際に水中のカルシウムと炭酸水素塩(KH)を消費します。これを補わないとKH・Caが低下し、サンゴの成長停止・骨格溶解・白化につながります。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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カルシウムリアクターはCO₂ガスによって酸性にした飼育水をアラゴナイト(炭酸カルシウム)培地に通すことで、カルシウムと重炭酸塩を水中に溶け出させ連続補給するシステムです。
カルシウムリアクターが必要なケース
- SPS主体(ミドリイシ・コモンサンゴ多数)の水槽: 消費量が多く二液法では添加量・コストが増大
- 水槽容量が300L以上: 大型水槽では自動化の恩恵が大きい
- 長期安定運用を目指す場合: セットアップ後は日々の添加作業が不要
必要な機材
- カルシウムリアクター本体: 内部に培地チャンバーとポンプを内蔵。水槽容量に合わせてサイズを選ぶ。
- CO₂ボンベ(炭酸ガスボンベ): 食品グレードのCO₂。スチール製または超軽量アルミ製。
- CO₂レギュレーター: ボンベの圧力を安定した低圧に変換。電磁弁付きが管理しやすい。
- バブルカウンター: CO₂の流量を泡/分単位で計測。
- アラゴナイト培地(メディア): 炭酸カルシウムの粒状培地。品質が溶出効率に影響。
- pH計またはpHコントローラー: リアクター排水のpH管理に必須。
- ペリスタルティックポンプ(オプション): 排水量を精密に調整できる。
セットアップ手順
1. 培地の充填
リアクターチャンバーをアラゴナイト培地(6〜12mm程度の粒)で満たします。培地を洗浄してから充填し、チャンバーの蓋をしっかり閉めます。
2. 水回路の接続
サンプ(またはケース底面)からポンプでリアクターに飼育水を送り、排水はサンプに戻す回路を組みます。排水ラインの途中にチェックバルブ(逆流防止弁)を設けると安全です。
3. CO₂ラインの接続
CO₂ボンベ → レギュレーター → バブルカウンター → リアクター注入口の順に接続します。初期のCO₂流量は1〜2泡/秒(水槽容量により異なる)から始めます。
4. 初期起動
ポンプを起動してリアクター内に飼育水を満たします。空気が残っている場合はブリーダーバルブで排出します。CO₂を少量流し始め、リアクター排水のpHを計測します。
5. 排水のpH調整
リアクター排水(effluent)のpHが6.5〜6.8になるよう調整します。
- pH が高い(7.0以上)→ CO₂流量を増やす、または排水量を減らす
- pH が低すぎる(6.2以下)→ CO₂流量を減らす、または排水量を増やす
調整のポイントとトラブルシューティング
KHとCaのモニタリング
目標値(SPS向け)
- KH: 8〜10 dKH
- Ca: 400〜450 ppm
KHが低下する → 排水量を増やすかCO₂流量を上げる
KHが上昇する → 排水量を減らす
よくあるトラブル
CO₂が止まらない(電磁弁の問題): 停電時や夜間はpHが上がりCO₂消費が無駄になります。pHコントローラーと電磁弁を組み合わせてリアクター排水のpHが6.7を超えたらCO₂を止める設定にします。
培地が急速に溶ける: CO₂過多または培地品質の低下。pHが6.2以下にならないよう管理し、品質の高い培地(ARM、Korallen-Zucht等)を使用します。
KHとCaのバランスが崩れる: リアクター単体でのKH:Ca供給比は2:1程度ですが、水槽の消費バランスに合わせてバランス系添加剤(Balling法の3液など)で補正が必要な場合があります。
ドーシングポンプとの使い分け
水槽容量が300L以下、またはサンゴが少ない場合はカルシウムリアクターより自動投与ポンプ(ドーシングポンプ)と2液(カルシウム液・アルカリ度液)の方がセットアップが簡単です。
カルシウムリアクターが有利
- 年間の培地コストが添加剤より安い(大型・高消費水槽)
- 安定した持続的な供給(人的ミスが少ない)
ドーシングポンプが有利
- 初期費用が安い
- 設置が簡単でコンパクト
まとめ
カルシウムリアクターはSPS多数の本格的なリーフタンクを長期管理するための最も安定した補給システムです。セットアップと初期調整に時間がかかりますが、一度安定すると日々のKH・Ca管理がほぼ自動化され、添加剤コストも大幅に削減できます。まずはpH計とバブルカウンターをしっかり準備し、少量のCO₂から始めて徐々に最適な流量を見つけましょう。