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石灰藻(コーラリン藻)の増やし方と管理ガイド|Ca・KH・Mgの目安と手順
石灰藻(コーラリン藻)を増やす手順を、水質を合わせる→胞子を入れる→栄養塩を絞る→照明を整える、の順で解説。Ca・KH・Mgの目標値、色が出るまでの期間、育たないときに疑う順番、ガラス面の除去方法まで紹介します。
この記事のポイント
石灰藻(コーラリン藻)を増やす手順を、水質を合わせる→胞子を入れる→栄養塩を絞る→照明を整える、の順で解説。Ca・KH・Mgの目標値、色が出るまでの期間、育たないときに疑う順番、ガラス面の除去方法まで紹介します。
石灰藻(コーラリン藻)とは
石灰藻(せっかいそう)、通称「コーラリン藻(Coralline Algae)」は、海水水槽のライブロックやガラス面に紫・ピンク・薄紫などの鮮やかな色で付着する藻類の総称です。炭酸カルシウムを骨格として堆積させながら成長する「石灰化藻類」であり、サンゴの仲間(紅藻類)です。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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ピンク・紫に覆われた複数のライブロック
石灰藻はリーフアクアリウムの健全性を示すバイオインジケーターです。石灰藻がよく育つ水槽は、KH(炭酸塩硬度)・カルシウム・マグネシウムが適切に管理されており、全体的な水質が良好であることを示しています。
- 水槽内の炭酸カルシウムサイクルを促進し、水質を安定させる
- サンゴの幼生(プラヌラ)の着床基質になる
- 有害な藻類(シアノバクテリア・ハネモ・バブルアルジー)の競合抑制に貢献
- 美観の向上:ピンク・紫に染まったライブロックは水槽の見栄えを大きく高める
石灰藻を育てるための水質管理
石灰藻の成長には特定の水質パラメーターが必要です。
カルシウム(Ca)
- 目標値:380〜450mg/L(ppm)
- 石灰藻はカルシウムを大量に消費する。低カルシウムでは成長が止まる
KH(炭酸塩硬度・アルカリ度)
- 目標値:8〜12 dKH(ドイツ硬度)
- KHはpHの緩衝材として機能し、石灰藻の成長基盤。低KHでは酸性化して石灰藻が溶解する
マグネシウム(Mg)
- 目標値:1250〜1350mg/L
- マグネシウムが低いとカルシウム・KHの管理がうまくいかなくなる。三角形のバランスが重要
リン酸塩(PO₄)
- 低レベルを維持(0.02〜0.05mg/L)
- リン酸塩が高すぎると石灰藻の成長が妨げられ、ガラス面がコケに覆われやすくなる
硝酸塩(NO₃)
- 10mg/L以下が目標(低ければ低いほどサンゴ・石灰藻ともに良好)
石灰藻を繁殖させるテクニック
ライブロックの導入
石灰藻が豊富に付着したライブロックを水槽に入れることが最も確実な方法です。石灰藻の胞子がライブロックから水槽全体に広がり、ポンプやガラス面に付着して成長します。
市販の石灰藻スプレー/ウォーター
石灰藻のスポアが含まれた「ライブコーラリン液」が市販されており、水槽に直接添加することで石灰藻の繁殖を加速します。特に新しい水槽を立ち上げる際に有効です。
微量元素の補充
ストロンチウム・ヨウ素などの微量元素が石灰藻の発色と成長に寄与します。2パート添加剤やコーラリン専用添加剤を使用する方法もあります。
照明の適正化
- 適切な光量:水槽の大きさと深さに応じたPAR値(サンゴに必要な光量よりやや少なめでも育つ)
- スペクトル:青系・紫系の波長が石灰藻の発色を引き出す
- 過剰な光はグリーンアルジーや他の藻類が優勢になる原因になるため、バランスが重要
石灰藻を増やす手順|何から始めて、どれくらいで色が出るか
「石灰藻 増やし方」で必要なのは個別のテクニックより着手する順番です。水質が整っていない状態で添加剤だけ入れても定着しないため、次の順で進めてください。
ステップ1:土台の水質を先に合わせる(1〜2週間)
Ca・KH・Mgの3つが揃っていない水槽では、胞子を入れても着床しません。まず測定して、Ca 380〜450mg/L・KH 8〜12dKH・Mg 1250〜1350mg/Lの範囲に入れます。この3つは連動しているので、Mgが低いままCaとKHだけ上げようとしても数値が安定しません。Mg → Ca → KH の順で合わせるのが実務的です。
石灰藻は自然発生しません。水槽内に胞子がなければ何年待っても出てこないため、供給源が要ります。
- 石灰藻が付着したライブロックを1個入れる(最も確実で安価)
- 市販のコーラリン液(スポア入り)を添加する
- 既存の石灰藻付きライブロックを、少量削って水中でこすりつける
リン酸塩が高いと石灰藻より緑藻が優勢になります。PO₄を0.02〜0.05mg/L、NO₃を10mg/L以下へ落とすまでは、色が広がりません。GFOやリフジウム、給餌量の見直しで下げていきます。
石灰藻はサンゴより弱い光でも育ちます。むしろ強すぎる光は競合藻類を有利にするため、既存のサンゴに合わせた光量のまま、青系・紫系の波長を確保しておけば十分です。
条件が揃った水槽では、ライブロックの陰やオーバーフロー管の裏など光の弱い場所からピンクの点が出始めます。目安は 1〜2か月。ガラス面や配管まで広がるには3〜6か月かかります。ライブロックの正面や強光部より、暗い場所のほうが先に色付くのが正常な進み方です。「増えない」と感じたときは、明るい場所ばかり見ていないか確認してください。
- 胞子がそもそも入っているか(新規立ち上げで最も多い原因)
- Mgが1250mg/Lを下回っていないか
- PO₄が0.1mg/Lを超えていないか
- スクレーパーで削りすぎていないか(削った面は再定着に時間がかかります)
石灰藻のコントロール(除去が必要な場合)
石灰藻はガラス面に付着すると視認性を妨げる場合があります。適切なコントロールが必要です。
ガラス面の除去
- マグネットスクレーパー:ガラス面の石灰藻を定期的に削り落とす。傷を防ぐためにマグネット式が推奨
- プラスチック製スクレーパー:ガラスを傷つけにくい。石灰藻は硬いためプラスチックでは力が必要な場合も
- 除去した破片は水槽内の他の場所に着床するため、水換えと同時に行うと清潔を保てる
天然の制御生物
石灰藻を食べる生き物を利用したバイオロジカルコントロールも可能です。
- タコアシクモヒトデ(Astropecten sp.)系の一部のヒトデ:石灰藻を食べる
- ウニ類(特に長棘ウニ):ガラス面の石灰藻を効果的にクリーニングするが、サンゴも傷つける可能性
- 一部のメガアステア系巻き貝:石灰藻を食べる個体がいる
ただし、石灰藻を食べすぎる生物を入れると水槽内の石灰藻が激減することもあるため、バランスに注意が必要です。
石灰藻と混同しやすい問題藻類
シアノバクテリア(赤ゴケ・藍藻)
バブルアルジー(気泡藻・バブルウィード)
グリーン色の小さな泡状の藻類。爆発的に繁殖する危険な藻類で、石灰藻とは全く異なります。エメラルドグリーンクラブや手動除去で対処します。
石灰藻が育たない原因と対策
| 症状 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|
| 石灰藻が白くなる/溶ける | KHまたはCaが低い | 添加剤で補正 |
| 成長が遅い | Mgが低い / リン酸塩が高い | Mg補正 / GFOリアクター |
| ガラスにしか付かない | リン酸塩が高め / 光量不足 | 栄養塩管理 / 照明見直し |
| 全く石灰藻が出ない | 水槽立ち上げ初期で胞子がない | 石灰藻付きライブロック追加 |
石灰藻はリーフタンクの「健康の証」です。水質管理を徹底することで、水槽全体が自然の海のように色鮮やかなピンク・紫色に染まる美しいリーフ環境を実現できます。