キャンディケーンコーラル(Caulastrea)の飼育ガイド|照明・水流・給餌・増殖の管理
初心者にも育てやすいLPSサンゴ「キャンディケーンコーラル(コーラルビーズ)」の飼育方法を解説。適切な照明強度・水流・給餌方法・配置場所・フラグ作成による増殖まで、Caulastrea属の飼育に必要な基礎知識を網羅します。

この記事のポイント
初心者にも育てやすいLPSサンゴ「キャンディケーンコーラル(コーラルビーズ)」の飼育方法を解説。適切な照明強度・水流・給餌方法・配置場所・フラグ作成による増殖まで、Caulastrea属の飼育に必要な基礎知識を網羅します。
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キャンディケーンコーラルとは
キャンディケーンコーラル(Caulastrea属、別名コーラルビーズ・バブルコーラル)は鮮やかな緑・青・赤・紫のポリプが環状に並ぶ美しいLPS(大型ポリプサンゴ)です。ポリプが一列に並んだ外観がキャンディの縞模様に似ていることからこの名前が付きました。ハードコーラルの中では比較的丈夫で水質変化への耐性も高く、初心者〜中級者向けの入門LPSとして人気があります。
主な流通種は次のとおりです。
- C. furcata(フルカータ)
- C. echinulata(エキヌラタ)
骨格は根元から複数の頭部が分岐しながら群体を形成し、株分かれしながら徐々に横に広がっていくのが特徴です。健康な個体は昼間、ポリプの組織が大きく膨らみ、隣り合うポリプ同士が触れ合うほどふっくらと開きます。逆にポリプが萎縮したまま開かない、あるいは骨格が透けて見える状態が続く場合は、環境に何らかのストレスがかかっているサインとして見逃さないようにしましょう。
照明:中程度のPARで十分
キャンディケーンコーラルはPAR 50〜150μmol/m²/sの中程度の光量を好みます。強光下ではポリプが縮小・退色しやすく、暗すぎると共生藻(ズーザンテラ)の活性が落ちて成長が遅くなります。
- LED照明の場合:水槽の底面や側面の低PAR域に配置する
- 光時間:1日8〜10時間を目安とし、急な照明変更はストレスになるため徐々に調整する
光量が適正かどうかはポリプの状態からも判断できます。ポリプが白っぽく色褪せてきた場合は光が強すぎるサインなので、より低PARの位置に移動するか照明の出力を下げてください。反対に、ポリプの色が徐々にくすんでいく場合は光量不足が疑われるため、設置場所を明るい位置へ調整します。導入直後は現在の環境より弱めの光量から始め、時間をかけて少しずつ目標のPARまで慣らすと安全です。
水流:穏やか〜中程度
強い直接水流はポリプの伸張を妨げ、ポリプ組織を傷つけることがあります。穏やか〜中程度の間接的な水流(波打つような動き)が理想です。水流ポンプは水槽の対角に設置してランダムな水流を作り、ポリプが開いた状態でわずかに揺れる程度に調整してください。
水流が強すぎるとポリプが常に縮こまった状態になり、逆に弱すぎるとポリプの表面や周辺の砂地にデトリタス(有機物の堆積物)が溜まりやすくなります。ポリプが開いた状態でゆったりと揺れているか、株の周囲に汚れが溜まっていないかを日々観察し、水流ポンプの向きや出力を微調整していきましょう。
水質パラメータ
リーフ水槽の標準水質を維持します。適正範囲は以下のとおりです。
| パラメータ | 適正範囲 |
|---|---|
| Ca | 400〜450 ppm |
| KH | 8〜11 dKH |
| Mg | 1250〜1350 ppm |
| pH | 8.1〜8.3 |
| 比重 | 1.025〜1.026 |
| 硝酸塩 | 25 ppm以下 |
| リン酸塩 | 0.05〜0.1 ppm程度 |
硝酸塩は25 ppm以下を目標とし、高い窒素化合物はポリプの退色(ブラウニング)に直結します。リン酸塩は0.05〜0.1 ppm程度の「やや栄養塩あり」の環境を好み、ゼロに近いULNS環境は成長が遅くなることもあります。
導入時の水合わせ
新しく迎えた個体は、袋のまま水槽に浮かべて水温を合わせたあと、点滴法(ドリップ法)などでゆっくりと時間をかけて水質に慣らします。急激な水質変化はポリプの萎縮や退色の原因になるため、慌てずに進めることが大切です。水合わせを終えて水槽に入れた直後はポリプが閉じたままのことも多く、時間をかけて徐々に開いていきます。すぐに全開しなくても心配しすぎず、水流や照明を強すぎない設定にして様子を見守りましょう。
給餌:週1〜2回が有効
キャンディケーンコーラルは光合成(共生藻)に加え、ポリプで有機物粒子を捕食する混合栄養型です。週1〜2回、水流を止めた状態で次の餌をスポイト給餌すると成長と発色が促進されます。
- 冷凍コペポーダ
- マイシス
- ブラインシュリンプ
給餌後30分ほどは水流を弱めてポリプが餌を取り込む時間を確保しましょう。過剰給餌は水質悪化の原因になるため、食べ残しは除去します。
給餌のタイミングは、ポリプがしっかり開いている時間帯を選ぶと捕食されやすくなります。健康な個体は給餌のたびにポリプが餌に向かって反応し、触手で餌を口へ運ぶ様子が観察できます。反対に餌に反応しない状態が続く場合は、水流が強すぎる、照明環境が合っていないなど他の要因を見直すきっかけにもなります。すでに魚の数が多くリン酸塩や硝酸塩が高めの水槽では、給餌回数を控えめにして栄養塩バランスを見ながら調整してください。
配置と増殖(フラグ作成)
水槽の中〜低層部(底砂近く)に配置し、隣接するサンゴとの間に最低5 cmの間隔を確保します。Caulastrea属はスイーパー触手が長くないためアレロパシー(化学的攻撃)は比較的穏やかですが、他のLPS(ハンマーコーラルなど)との接触は避けましょう。
フラグ作成の手順は次のとおりです。
- バンドソー・ダイヤモンドブレードで骨格を切断する(ポリプ1〜2個ずつを目安に、ポリプが傷つかないよう骨格部分を切る)
- フラグプラグにサンゴ用接着剤で固定する
- 切断後は淡水への接触を避け、隔離水槽で1〜2週間様子を見る
- メイン水槽へ戻す
骨格を切断する際は破片が飛び散ることがあるため、保護メガネと手袋を着用して作業してください。接着剤で固定した直後はプラグを軽く動かしてぐらつきがないかを確認し、しっかり硬化してから水槽へ設置します。フラグ後のポリプは一時的に縮んだままになることがありますが、時間の経過とともに徐々に開き始めれば順調に回復しているサインです。開かない状態が長く続く場合は、水流や光量を弱めにして負担を減らしましょう。

