チャリスコーラル(エキノフィリア)の飼育ガイド|LPS中級者向けの照明・水流・色揚げ管理
チャリスコーラル(エキノフィリア・オキシポラ)の飼育方法を詳しく解説。適切な照明強度・水流設定・給餌・フラグ作成まで、中級者が長期維持するためのポイントをまとめました。チャリスコーラル(Echinophyllia / Oxypora 属)は、平べったい皿状から波型の形態をもつ LPS サンゴです。

この記事のポイント
チャリスコーラル(エキノフィリア・オキシポラ)の飼育方法を詳しく解説。適切な照明強度・水流設定・給餌・フラグ作成まで、中級者が長期維持するためのポイントをまとめました。チャリスコーラル(Echinophyllia / Oxypora 属)は、平べったい皿状から波型の形態をもつ LPS サンゴです。
関連品種
チャリスコーラル(Echinophyllia / Oxypora 属)は、平べったい皿状から波型の形態をもつ LPS サンゴです。豊富なカラーバリエーション(グリーン・ブルー・レッド・パープル)と独特の骨格構造から、リーフタンク愛好家に根強い人気があります。ゾアンサスやハンマーコーラルと比べるとやや飼育難易度が高めですが、適切な環境を整えれば長期維持・増殖が可能です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Echinophyllia spp. / Oxypora spp. |
| 分類 | 刺胞動物門・六放サンゴ亜綱・エキノフィリア科 |
| 通称 | チャリスコーラル、カップコーラル |
| 難易度 | 中級(★★★☆☆) |
| 最大サイズ | コロニーで 20〜50 cm |
| 毒性 | 触手の毒は弱め。他種と接触すると消化糸を出す |
水槽環境の設定
水質パラメータ
チャリスコーラルは SPS ほど敏感ではありませんが、安定した水質が色揚げの鍵です。
| パラメータ | 目安値 |
|---|---|
| 水温 | 24〜26℃ |
| 比重(塩分濃度) | 1.025〜1.026 |
| pH | 8.1〜8.3 |
| アルカリ度(KH) | 8〜10 dKH |
| カルシウム(Ca) | 400〜450 ppm |
| マグネシウム(Mg) | 1,250〜1,350 ppm |
| 硝酸塩(NO₃) | 2〜10 ppm(低すぎると白化リスク) |
| リン酸塩(PO₄) | 0.03〜0.10 ppm |
硝酸塩がゼロに近い超低栄養塩水槽ではチャリスは衰弱しやすいです。軽い栄養塩は必須です。
照明
チャリスコーラルは低〜中程度の光量を好みます。
- PAR 値の目安: 50〜150 μmol/m²/s
- 強光(PAR 200 以上)では褐虫藻が抜けて白化・ブリーチするリスクがあります
- 水槽底面や側面の影になる場所・岩組みの下方が適した配置場所
- LED の場合、青系(450 nm)チャンネルが強いと色揚げ効果が高い
新しく導入した個体は水槽の最も暗い場所からスタートし、2〜3 週間かけて光に慣らしていきます。
水流
チャリスコーラルはポリプが小さいため、穏やかな乱流(間接的な水流)が適しています。
- 強い直撃水流は NG(ポリプが収縮し衰弱)
- サーキュレーターで壁や岩に当てて反射させた乱流を作る
- 水流の目安: 5〜10 倍回転(水槽容量に対して)
- 夜間の水流を昼間より弱めると給餌に有利
配置とレイアウト
推奨位置
- 底面〜中低層: 水槽の底面や岩組みの低い位置が適しています
- 岩の上に平置きするより、岩の斜面に立てかけるように置くとポリプが全面開きやすい
- 隣のサンゴとは最低 10 cm 以上の距離を保つ(消化糸攻撃があるため)
他種との共存
給餌
チャリスコーラルは共生藻(褐虫藻)から光合成で得るエネルギーが主ですが、追加給餌でコンディションが向上します。
給餌方法
- 水流ポンプを30 分〜1 時間オフにする
- スポイトやシリンジで冷凍プランクトン(コペポーダ・アルテミア)をポリプに直接吹きかける
- 市販のサンゴ用液体フード(AB+ / CoralAmino 等)を水槽全体に添加
- 給餌後 1〜2 時間は水流をオフのままにし、摂食させる
給餌頻度: 週 1〜2 回が目安。与えすぎると硝酸塩・リン酸塩が上昇するため注意。
色揚げのコツ
チャリスコーラルの発色は主に以下の要因で決まります。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 照明スペクトル | 青系 LED(420〜470 nm)を強めると蛍光色が引き立つ |
| 栄養塩 | 硝酸塩 5〜10 ppm 程度を維持する(超低栄養では退色) |
| アミノ酸補給 | コーラルアミノ・AB+ の週 1〜2 回添加で蛍光色が増す |
| 微量元素 | ヨウ素・ストロンチウムの適量添加 |
| 安定した KH | 急激な KH 変動は退色と褐変の原因 |
フラグ(断片)作成
道具
手順
- 親コロニーからチゼルで 3〜5 cm のフラグを切り取る(鋸歯状の骨格に沿って切る)
- 切断面を海水で洗い流す
- フラグプラグに接着剤で固定する
- リカバリー水槽(弱光・低水流・良水質)で 2〜4 週間養生
- コンディションが安定したら販売・移動可能
フラグは切断後一時的にストレス反応(粘液分泌・ポリプ不出)が見られますが、通常 1〜2 週間で回復します。
よくあるトラブルと対処法
ポリプが出ない
- 原因: 強光・強水流・水質変化・他種からの攻撃
- 対処: 暗い場所に移動、水流を弱め、他種から離す
白化・ブリーチ
- 原因: 強すぎる光・水温上昇(28℃以上)・急激な KH 変動
- 対処: 照明を弱め、水温を 26℃以下に戻す。給餌量を増やして褐虫藻の再繁殖を促す
骨格が浸食される(RTN/STN)
- 原因: バクテリア感染。水質悪化や外傷がトリガー
- 対処: 感染部を迅速にカット除去。水換え頻度を増やす。重症例は隔離
褐変化(Brown Out)
ブリーダーとして販売する際のポイント
- 撮影は蛍光灯(青系 LED)下で行うと本来の発色が映える
- フラグサイズは3〜5 cmが取引しやすい標準サイズ
- 出荷時は二重袋+保温材(夏・冬は必須)で 8〜12 時間の輸送に対応
- 「導入後 2 週間はポリプが出にくい場合あり」と購入者に事前説明しておくとクレームを防げる
まとめ
チャリスコーラル(エキノフィリア)は低〜中程度の光と穏やかな水流を好むカラフルな LPS サンゴです。SPS ほどシビアではありませんが、硝酸塩をゼロにしすぎず、青系 LED でスペクトルを調整し、週 1〜2 回の給餌を継続することで美しい発色を維持できます。フラグの増殖性も高く、ブリーダーとして販売するにも適した種類です。ブリちょくでは国内ブリーダーのチャリスコーラルフラグも多数出品されていますので、ぜひチェックしてみてください。

