サンゴのフラグ作り入門|フラッギングの手順と注意点
サンゴのフラグ(株分け)の方法を解説。ソフトコーラル・LPS・SPSそれぞれのカット方法、必要な道具、接着のコツ、フラグ後のケアまでを詳しく紹介します。サンゴのフラグ作りとは?フラッギングの基本を知ろう フラッギング(フラグ作り)とは、サンゴを小さくカットして株分けし、新たな個体を増やす技術です。

この記事のポイント
サンゴのフラグ(株分け)の方法を解説。ソフトコーラル・LPS・SPSそれぞれのカット方法、必要な道具、接着のコツ、フラグ後のケアまでを詳しく紹介します。サンゴのフラグ作りとは?フラッギングの基本を知ろう フラッギング(フラグ作り)とは、サンゴを小さくカットして株分けし、新たな個体を増やす技術です。
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サンゴのフラグ作りとは?フラッギングの基本を知ろう
フラッギング(フラグ作り)とは、サンゴを小さくカットして株分けし、新たな個体を増やす技術です。英語の「fragging(fragmenting=断片化)」に由来し、世界中のサンゴ愛好家やブリーダーが日常的に行っています。
この技術には大きく2つの意義があります。ひとつは、自分の水槽内でお気に入りのサンゴを増殖させてコレクションを充実させること。もうひとつは、増えたフラグを他のアクアリストと交換・販売し、海洋から採取される天然サンゴへの需要を減らすことで、自然環境保護にも貢献できる点です。
スターポリプやウミキノコといったソフトコーラルはもちろん、ハナガタサンゴやナガレハナサンゴなどのLPSも、コツを押さえれば十分にフラッギングが可能です。サンゴは再生能力が高く、正しい手順で行えば親株もフラグも健全に育ちます。初心者でも丁寧に取り組めば十分に成功できる技術ですが、道具の準備や衛生管理を怠ると、カット面から細菌が侵入してサンゴが弱ってしまうこともあります。まずは基本をしっかり押さえましょう。
フラッギングに必要な道具と準備
フラッギングを始める前に、以下の道具を揃えておきましょう。道具の質がそのまま成功率に直結します。
切断・固定ツール
- ボーンカッター(骨切りはさみ): SPSやLPSなど、硬い石灰質骨格を持つサンゴをカットする際に使用。刃が鋭いものを選ぶと、一瞬で切断でき、サンゴへのストレスを最小限に抑えられます。
- 剃刀またはスカルペル: ソフトコーラルなど柔軟な組織のカットに最適。新品の刃を使うことで断面を清潔に保てます。
- フラグプラグ: カットしたサンゴを固定する台座。セラミック製が最も一般的で、サンゴが接着しやすく、後から岩組みにも馴染みやすい特徴があります。
- フラグラック: フラグを水槽内で安定して保持するためのトレー。砂底への直置きは感染リスクがあるため必須です。
接着・消毒アイテム
- サンゴ用シアノアクリレート系ゲル接着剤: 水中でも硬化するゲルタイプが使いやすく、10〜30秒程度で固まります。素早い固定がサンゴのストレス軽減につながります。
- エポキシパテ: 大型フラグや複雑な形状の固定に。水中でも硬化し、造形が自在です。
- ヨウ素系ディップ剤(またはRevive等): カット面の消毒と害虫除去に使用します。フラッギング後に必ず行う重要なステップです。
安全対策
- ゴム手袋: マメスナギンチャクやスズハナサンゴなど、パリトキシンを持つ種を扱う際は必ず着用してください。皮膚や粘膜から吸収されると中毒症状を引き起こす危険があります。
- 保護メガネ: カット時に骨格の破片や水が飛散することがあります。目の保護を忘れずに。
ソフトコーラルのフラッギング手順
ソフトコーラルは再生能力が特に高く、フラッギング初心者に最も向いているグループです。スターポリプ、マメスナギンチャク、ウミキノコ、トサカ類などが代表的です。
- 作業台の準備: 海水を入れた浅いトレーを用意し、サンゴを一時的に取り出して作業します。空気中での作業は短時間(2〜3分以内)にとどめましょう。
- カット: スターポリプやマメスナは、ライブロックや土台から剃刀を使って薄くスライスするように切り取ります。ウミキノコは茎の部分を2cm以上残してカットすることで、親株からの再生を促せます。
- 固定: カットしたフラグをフラグプラグの上に置き、ゲル接着剤で固定します。接着剤が硬化するまで30秒ほど押さえてください。
- ディップ処理: ヨウ素系ディップ剤に5〜10分浸けて消毒します。
- 水槽内への配置: 水流がほどよく当たる場所で、光量を落として養生させます。砂に直接触れさせないよう、フラグラックに置くのがポイントです。
SPSのフラッギング手順
ミドリイシ(アクロポラ)に代表されるSPS(小ポリプストーニーコーラル)は、水質・光・水流の管理が厳しい分、フラッギング自体はシンプルです。
- 水質確認: フラッギング前日にKH(炭酸塩硬度)・カルシウム・マグネシウムを計測し、適正値(KH 8〜10、Ca 400〜450、Mg 1250〜1350)であることを確認します。水質が不安定な状態でのフラッギングはリスクが高まります。
- カット: 枝状のミドリイシは枝の分岐点をボーンカッターで「パチン」と素早く切断します。フラグは2〜3cm以上の長さを確保すると、接着後の安定感が増します。
- 固定: フラグプラグにゲル接着剤を少量つけ、フラグの切断面を押しつけて固定。エポキシパテを補助に使うとより安定します。
- ディップ処理: ヨウ素系ディップ剤に5〜10分浸けて消毒・害虫除去を行います。
- 養生配置: 水流が穏やかで、光量を通常の50〜60%に抑えた場所で1週間ほど養生させます。カット直後は組織が弱いため、強い光や水流はダメージの原因になります。
フラグ後のケアと失敗しないポイント
フラッギング成功の鍵は、カット後の数日間にあります。以下のポイントを意識しましょう。
- 光量を落とす: カット直後から3〜5日間は通常の50〜60%程度に落とし、その後段階的に戻します。急な高光量は白化の引き金になります。
- 水質を安定させる: 特にSPSはKHの変動に敏感です。フラッギング後1週間は添加剤の投与量や換水タイミングを慎重に管理しましょう。
- 給餌を控える: 切断面が完全に塞がるまでの約1週間は、余分な有機物を増やさないよう給餌を控えめにします。
- 観察を怠らない: 毎日カット面の状態を確認し、茶色いぬめりや組織の退縮が見られたらディップ処理を再度行います。
- 触らない: 接着が安定するまでの約1週間は、位置を移動させたりフラグを持ち上げたりしないようにしましょう。
失敗しやすい原因として多いのは、「道具の不衛生」「作業時間の長さ」「ディップの省略」の3点です。これらを守るだけで成功率は大きく上がります。
ブリちょくの安心・安全な仕組み
ブリちょくでは、経験豊富なサンゴブリーダーが丁寧に仕上げたフラグ個体を直接購入できます。フラッギング後に十分な養生期間を経た安定個体だけが出品されるため、購入後すぐに水槽に導入しやすいのが大きな魅力です。
また、ブリーダーとの直接取引だからこそ、「どんな水質で育てていたか」「どんな光・水流で管理していたか」といった飼育環境の詳細を事前に確認できます。購入後の自分の水槽環境との差を把握しておくことで、慣らし期間中のトラブルを防ぐことができます。
天然採取個体と違い、人の手で育てられたブリード個体は水槽環境への適応力が高い傾向があります。サンゴ飼育を始めたい方にも、コレクションを充実させたい経験者にも、ブリちょくのフラグ個体はおすすめの選択肢です。



