メインコンテンツへスキップカマキリの飼い方ガイド|ハナカマキリ・オオカマキリの飼育環境と給餌方法 | ブリちょく昆虫| ✍️ ブリちょく編集部
カマキリの飼い方ガイド|ハナカマキリ・オオカマキリの飼育環境と給餌方法
カマキリをペットとして飼育するための基礎ガイド。ハナカマキリなどの外国産カマキリとオオカマキリの飼育環境、エサ(昆虫)の調達・飼育、脱皮管理、繁殖のポイントを解説。カマキリをペットに?意外と奥深いカマキリ飼育の魅力 カマキリは肉食昆虫の代表格で、その独特の三角頭と前脚による待ち伏せ狩りは、見る者を強烈に引きつけま…
この記事のポイント
カマキリをペットとして飼育するための基礎ガイド。ハナカマキリなどの外国産カマキリとオオカマキリの飼育環境、エサ(昆虫)の調達・飼育、脱皮管理、繁殖のポイントを解説。カマキリをペットに?意外と奥深いカマキリ飼育の魅力 カマキリは肉食昆虫の代表格で、その独特の三角頭と前脚による待ち伏せ狩りは、見る者を強烈に引きつけま…
カマキリをペットに?意外と奥深いカマキリ飼育の魅力
カマキリは肉食昆虫の代表格で、その独特の三角頭と前脚による待ち伏せ狩りは、見る者を強烈に引きつけます。近年は特にハナカマキリ(Orchid Mantis)をはじめとする外国産の美麗種への需要が急増し、専門ブリーダーから個体を入手して飼育を楽しむ愛好家が増えています。
一方、国産のオオカマキリやチョウセンカマキリも、夏に野外で捕獲して飼育することで自然の捕食行動を間近に観察できる貴重な体験が得られます。どちらも「生きた昆虫を与え、脱皮を見守る」というシンプルながら奥深いサイクルが飼育の醍醐味です。本記事では種ごとの具体的な飼育環境・給餌方法・脱皮管理・繁殖まで詳しく解説します。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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ハナカマキリ(*Hymenopus coronatus*)の特徴と飼育環境
マレーシア・インドネシアの熱帯雨林を原産とするハナカマキリは、白とピンクに染まった花びら状の外骨格を持ち、「世界一美しいカマキリ」とも称されます。メス成体で5〜7cm、オスは3〜4cmとかなり小型です。花に擬態して小昆虫を待ち伏せる独特の生態が最大の魅力で、飼育下でもその狩りの瞬間は圧巻です。
飼育ケージは縦長が必須条件です。最低でも25cm×25cm×高さ40cm以上を確保してください。カマキリは天井からぶら下がって脱皮するため、体長の3倍以上の高さがなければ脱皮失敗のリスクが高まります。底材はペーパータオルか無敷きが管理しやすく、ケージ内にはコルク樹皮や人工植物を立体的に配置して足場を作ります。
温湿度管理は熱帯種らしく、温度25〜28℃・湿度60〜80%を維持します。温度が23℃を下回ると食欲が落ち、代謝が低下します。湿度は朝晩2回のミスティング(霧吹き)で維持しますが、ケージが常時べとつく状態はカビの原因になるため、通気性との兼ね合いが重要です。日本の夏は温度は問題ないことが多いですが、湿度が高すぎる梅雨期は逆にカビに注意してください。
オオカマキリ(日本産)の飼育環境
成体で10〜12cmに達するオオカマキリは日本最大のカマキリ種で、緑型と茶型の2タイプがいます。野外で捕獲した個体を飼育する場合、捕獲時の大きさによって残り寿命が変わります。幼令(小さい個体)から飼育を始めると長く楽しめます。
飼育容器は横幅30cm以上の昆虫ケースが適しています。蓋の通気性が高い虫かごタイプが理想で、ケージ内には木の枝や割り箸などを配置して縦の移動空間を作ります。底面はキッチンペーパーが掃除しやすくおすすめです。
温度管理は室温(20〜30℃)で問題ありません。ただし直射日光の当たる場所や、夏場に密閉された室内では熱中症に相当する状態になるため注意が必要です。冬越しは基本的に不可能で、成体は秋に産卵後に死を迎えます。卵嚢(卵鞘)を屋外で越冬させ、翌春に孵化させる方法で継続的な飼育が可能です。
給餌方法と生き餌の調達
カマキリは必ず生きた餌を好みます。死んだ昆虫や冷凍コオロギには反応しにくく、飢餓状態でも動かない餌を食べないことがほとんどです。
ハナカマキリの場合、孵化直後の一齢幼虫にはキイロショウジョウバエ(非飛翔型)が最適です。三〜四齢になるとワラジムシやバナナワーム、五〜六齢以降はミールワーム・小型コオロギへと切り替えます。成体メスにはゾフォバス(スーパーワーム)やデュビアなど栄養価の高い昆虫を与えましょう。給餌頻度は幼令で2〜3日に1回、成体で3〜4日に1回が目安です。
オオカマキリは野外で捕れるバッタ・コオロギ・ガ・アブなどを好みます。市販のコオロギ(ヨーロッパイエコオロギ)も問題なく食べます。与える餌のサイズはカマキリの頭部の1〜1.5倍以内が目安で、大きすぎる餌は逆に暴れてカマキリが怪我をすることがあります。
水分補給は毎日、ケージの内壁や葉の裏に霧吹きで水滴を付け、カマキリが自発的に舐めて飲めるようにします。水入れを置いても溺れるリスクがあるため、直接の水容器は不要です。
脱皮の管理が生死を分ける
カマキリの脱皮は飼育における最大の山場です。脱皮前のサインとして、数日間食欲がなくなり、ケージ内でじっと動かなくなります。このタイミングで絶対にやってはいけないことは、触ること・給餌すること・ケージを動かすことの3つです。
脱皮は天井や枝にぶら下がり、重力を利用して下向きに行われます。このため、体長の3倍以上の縦方向スペースが脱皮成功の絶対条件です。脱皮中に足場がなくなったり、他の個体や生き餌のコオロギに妨害されたりすると脱皮失敗(肢が奇形になる・最悪死亡)に直結します。脱皮前は生き餌を取り出しておくことを忘れないでください。
脱皮完了後は外骨格が固まるまで12〜24時間は触らず、2〜3日後から給餌を再開します。
繁殖とオス・メスの同居管理
ハナカマキリの繁殖は上級者向けの楽しみです。オスとメスを成熟後に同居させて交尾させますが、交尾中・交尾後にオスが捕食されるリスクがあります。これを防ぐため、同居前にメスを十分に給餌して満腹状態にしておくこと、そして交尾確認後は速やかにオスを引き離すことが重要です。
産卵は交尾後1〜3週間で行われ、海綿状の卵鞘(ootheca)に産み付けられます。卵鞘は温度25℃・湿度70%前後を維持することで4〜6週間で孵化します。一度に数十〜百数十個体が孵化するため、孵化前に小型のケースや生き餌(キイロショウジョウバエ)の確保を済ませておきましょう。
オオカマキリの場合、屋外で採集した雌は既に受精済みのことが多く、単独飼育でも産卵します。卵鞘は乾燥した状態で屋外越冬させ、翌4〜5月に自然に孵化するのを待ちます。
まとめ:観察と管理の醍醐味
カマキリ飼育は、生きた餌の調達・脱皮の見守り・給餌タイミングの見極めなど、観察眼と管理の緻密さが問われる奥深い趣味です。特にハナカマキリのような美麗種はブリーダーからの入手が基本となりますが、飼育に慣れれば自家繁殖も十分に可能です。
「小さな猛者」との日々は、生き物の本能と生命力を間近で感じさせてくれる唯一無二の体験です。しっかりとした環境を整え、個体ごとの性格や食欲の変化を楽しみながら、カマキリとの暮らしを満喫してください。