メインコンテンツへスキップカマキリの飼育ガイド|国産・外国産種の管理と給餌・脱皮成功のコツ | ブリちょく昆虫| ✍️ ブリちょく編集部
カマキリの飼育ガイド|国産・外国産種の管理と給餌・脱皮成功のコツ
国産カマキリから外国産種(ランカマキリ・フトメカマキリ等)の飼育方法を解説。給餌方法・湿度管理・脱皮を成功させるケージ設計のポイントを紹介します。カマキリ飼育の世界へ カマキリは昆虫の中でも特に知性的・個性的な生き物で、ペットとしての人気が近年急上昇しています。日本国産のオオカマキリやチョウセンカマキリはもちろん…
この記事のポイント
国産カマキリから外国産種(ランカマキリ・フトメカマキリ等)の飼育方法を解説。給餌方法・湿度管理・脱皮を成功させるケージ設計のポイントを紹介します。カマキリ飼育の世界へ カマキリは昆虫の中でも特に知性的・個性的な生き物で、ペットとしての人気が近年急上昇しています。日本国産のオオカマキリやチョウセンカマキリはもちろん…
カマキリ飼育の世界へ
カマキリは昆虫の中でも特に知性的・個性的な生き物で、ペットとしての人気が近年急上昇しています。日本国産のオオカマキリやチョウセンカマキリはもちろん、東南アジア原産のランカマキリ(花に擬態)、フトメカマキリ(枯れ葉に擬態)、アフリカ原産のゴーストマンティスなど、外国産種の多様な形態も愛好家を魅了しています。
カマキリは比較的小さなスペースで飼育でき、生餌に興味を持てる方には非常に魅力的な昆虫ペットです。ただし「完全肉食」「脱皮を失敗すると命取り」という独特のハードルがあるため、基本を押さえてから飼育を始めることが重要です。本ガイドでは、国産・外国産を問わず応用できる飼育の基礎を詳しく解説します。
✍️
ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
ブリちょくで昆虫を探す
認証済みブリーダーから直接購入できます
関連する出品を見る
この記事に関連する昆虫の出品をブリちょくで探してみましょう。認証済みブリーダーから直接購入できます。
ペットライフ
ペット可物件・ブリーダー直販・ペット可スポットの3軸連携。
飼育ケージの選び方と環境設定
カマキリは縦方向に移動する昆虫で、脱皮時は天井からぶら下がって行います。そのため、ケージの高さが横幅よりも重要なポイントです。
推奨ケージサイズ(成虫基準):
- 高さ: 体長の3倍以上(例:体長8cmのオオカマキリなら最低24cm)
- 横幅・奥行き: 体長の2倍程度あれば十分
- 素材: 通気性のあるメッシュケージが最適。密閉ガラスは蒸れて呼吸器系のトラブルを引き起こしやすい
ケージ内には止まり木や人工植物を複数設置し、登れる場所を豊富に作りましょう。カマキリは平面よりも立体的な空間を好み、高い場所にいるほど安心して過ごします。底材は湿度管理の観点からヤシガラ土やペーパータオルが扱いやすく、清掃もしやすいです。
絶対に避けるべき点:
- 同居は禁止:カマキリは共食い性が強く、2匹以上を同一ケージに入れると必ずどちらかが食べられます
- 脱皮前のレイアウト変更禁止:脱皮直前に環境を変えると強いストレスになる
国産種・外国産種の温湿度管理
種によって必要な温湿度は大きく異なります。外国産種を飼う場合、この点が国産種との最大の差です。
国産種(オオカマキリ・チョウセンカマキリ・ハラビロカマキリ):
- 温度:20〜30℃(室温で管理できる場合が多い)
- 湿度:50〜60%
- 冬季は加温不要だが、10℃以下になると活動が極端に落ちる。成虫越冬はほぼ不可能なため、秋に羽化した個体は産卵・採卵を終えたら寿命を迎えます
外国産種(熱帯・亜熱帯原産):
- ランカマキリ・フトメカマキリ:温度28〜32℃・湿度70〜80%。霧吹きを毎日行い、ケージ内の壁面に水滴を作ることで水分補給させる
- ゴーストマンティス:温度22〜28℃・湿度40〜60%。比較的乾燥気味の管理でよく、蒸れに弱い
- デビルスフラワーマンティス:温度26〜30℃・湿度60〜70%。脱皮前後は特に湿度管理が重要
給餌——生餌の種類と与え方
カマキリは動く餌しか食べない完全肉食性です。餌のサイズ選びと給餌タイミングが飼育成否を分けます。
卵〜3齢(孵化後3回脱皮まで):
- ショウジョウバエ(羽なし・翅弱変異種)が最適
- 非常に小さいためピンセットでの個別給餌は難しく、ケージ内に数匹放す形が基本
- この時期に餓死させてしまうケースが多いため、常に餌が少数いる状態を維持する
4齢以降〜成虫:
- イエコオロギ・フタホシコオロギが入手しやすくコスパが高い
- サイズの目安:カマキリの頭幅と同程度。大きすぎる餌はカマキリが逆に怪我をするリスクがある
- 給餌頻度は2〜3日に1匹程度。毎日与えると肥満気味になり産卵数や寿命に影響する
- ワックスワームやミルワームは脂肪分が高いためメインには不向き。食欲が落ちたときのきっかけ餌として少量使用する
給餌時の厳禁事項:
- 脱皮中(体が白くなっている・ぶら下がっている)の給餌は絶対禁止
- 脱皮前後48時間は餌を入れない(脱皮直後は柔らかく、コオロギに噛まれると致命傷になる)
- 食べ残しは速やかに取り出す(ストレス源・脱皮失敗の原因になる)
脱皮を成功させるための環境管理
カマキリの脱皮失敗(脱皮不全)は命取りです。脚や鎌が抜けなければ切断が必要になるか、最悪そのまま死亡します。脱皮の成否はほぼ「環境管理の事前準備」で決まります。
- 十分な高さ: 天井からぶら下がり、体全体を完全に伸ばせるスペースが必要。目安は体長の2倍以上の空間が天井下に確保されていること
- 適切な湿度: 乾燥しすぎると脱皮殻が硬くなり脱げなくなる。国産種は脱皮前日に軽く霧吹きを1回行い、外国産熱帯種は通常の霧吹き頻度を維持する
- 振動・ストレスを徹底的に排除: 脱皮が始まったらケージを動かさない。家族やペットが近づかないよう管理する
脱皮中は観察のみが鉄則です。人間が「助けようとして」触れることが、最も多い脱皮失敗の原因です。脱皮が始まって2〜4時間以上かかっている場合は、霧吹きをケージ壁面(カマキリに直接かけない)に軽く行うことで湿度を上げる対処をとります。
繁殖と卵鞘の管理
カマキリ飼育の醍醐味の一つが繁殖です。交尾後、メスは「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる泡状の卵の塊を産み付けます。
繁殖の流れ(国産種の例):
- 成虫になったオスとメスを食後・短時間だけ同居させる(空腹時は共食いリスクが高い)
- 交尾後はすぐに別居。メスはその後も定期的に給餌を続ける
- 産卵は枝や壁面に行う。卵鞘を産んだらそのまま触らずに管理
- 国産種の卵鞘は常温で冬を越させることで、春(4〜5月頃)に孵化する。室内加温すると季節を誤認させてしまうため、国産種の越冬は屋外か非加温の場所で管理する
外国産種の卵鞘は種によって管理温度・湿度が異なります。孵化後の幼齢個体の管理が最も難しいため、初心者は孵化後の1〜3齢をいかに餓死させないかに注力してください。
まとめ——カマキリという個性的なペット
カマキリは飼育を通じて初めて分かる「個体の性格」が面白く、同じ種でも臆病な個体・大胆な個体・ピンセットからも餌を食べる人慣れした個体など、観察するほど愛着が湧いてきます。外国産カマキリは独特の擬態・色彩で見る者を魅了し、飼育難易度も国産種と大きくは変わりません。
ブリちょくでは国産種・外国産種のCB(キャプティブブレッド=繁殖個体)を購入・販売できます。野生採集個体に比べて環境適応しやすく、初心者にも扱いやすいCB個体からぜひ挑戦してみてください。