動物愛護法・特定外来生物法をわかりやすく解説|ペット飼育者が知るべき国内法規制の基礎知識
動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)と特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の基礎を解説。飼育・繁殖・販売・遺棄に関するルールと違反時のリスクをわかりやすく紹介します。ペットを飼育・繁殖・販売する上で、知らなかったでは済まない法律があります。

この記事のポイント
動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)と特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の基礎を解説。飼育・繁殖・販売・遺棄に関するルールと違反時のリスクをわかりやすく紹介します。ペットを飼育・繁殖・販売する上で、知らなかったでは済まない法律があります。
ペットを飼育・繁殖・販売する上で、知らなかったでは済まない法律があります。「動物愛護法」と「特定外来生物法」——この2つの法律は、日本でペット関連活動を行うすべての人が理解しておくべき基本ルールです。本記事では、それぞれの法律の目的・主要規制・違反した場合のリスクをわかりやすく整理します。
動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)
法律の目的
動物愛護法は、動物の適正な飼養・保管・繁殖を促進し、動物への虐待や遺棄を禁止することで、人と動物の共生社会の実現を目指す法律です。1973年に制定され、2019年の改正で大きく強化されました。
主要なルール
① 動物虐待・遺棄の禁止
動物を故意に傷つけたり、正当な理由なく殺傷することは5年以下の懲役または500万円以下の罰金の対象となります(2020年6月施行の改正後の法定刑)。遺棄・放棄も1年以下の懲役または100万円以下の罰金で処罰されます。
「引越しで飼えなくなったから逃がした」という行為も遺棄・放棄に該当します。
② 適正飼養の義務
飼い主は、飼育する動物が「健康に、かつ安全に生活できる環境を整えること」が義務付けられています。具体的には:
- 適切な飼育スペース・温度・栄養管理
- 感染症予防のための適切な管理
- 所有者の明示(マイクロチップ・迷子札など)
2022年6月から、犬・猫へのマイクロチップ装着・登録が義務化(業者からの購入)されました。個人から譲り受けた場合も努力義務とされています。
③ 第一種動物取扱業の登録
犬・猫・爬虫類・鳥類などのペットを「継続的・反復的に」販売・販売のための繁殖・貸し出し(展示・訓練含む)を行う場合は、都道府県知事への第一種動物取扱業の登録が必要です。
対象業種の例:
無登録での営業は100万円以下の罰金の対象です。「趣味でたまに売る程度」であっても、継続的・反復的な販売は登録が必要と判断される場合があります。
2019年改正の主なポイント
2019年の改正で特に影響が大きかった点:
- 8週齢規制(パピーミル規制):犬・猫は生後56日(8週間)を経過するまで販売・販売目的での引き渡しが禁止
- 動物虐待罰則強化:殺傷罪が1年→2年、罰金50万円→200万円に引き上げ
- マイクロチップ義務化:段階的に施行
- 飼育数上限規制:数値規制(繁殖業者の1人あたり飼育可能頭数の上限)の導入
特定外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)
法律の目的
海外から持ち込まれた外来生物が日本の在来生態系・農業・人の健康に与える被害を防ぐため、特に問題のある種を特定外来生物として指定し、飼育・栽培・輸入・販売・譲渡などを規制する法律です。2005年に施行されました。
特定外来生物に指定されると何が禁止されるか
特定外来生物に指定された種は、原則として:
- 飼育・栽培・保管・運搬の禁止
- 輸入の禁止
- 野外への放出・植え付けの禁止
- 販売・頒布・譲渡(無償を含む)の禁止
違反した場合は個人:3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人:1億円以下の罰金という厳しい罰則があります。
ペット関連の主な特定外来生物
爬虫類・両生類
- カミツキガメ(飼育不可)
- ウシガエル(一般飼育不可)
- ミシシッピアカミミガメ(2023年指定:条件付き規制)
※ ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)について:2023年6月に特定外来生物に条件付きで指定されました。現在すでに飼育している個体については登録制度で継続飼育が可能ですが、新たな購入・輸入・繁殖・販売・譲渡は原則禁止です。
魚類・甲殻類
- ブルーギル・オオクチバス(ブラックバス)
- アメリカザリガニ(2023年条件付き指定)
- アカミミガメと同様に既存の家庭飼育は申請・許可・届出なしで継続可能
哺乳類
- アライグマ
- ヌートリア
- ハリネズミ4種(アフリカピグミーハリネズミ等は指定外で飼育可能)
要注意:「未指定」でも輸入規制がある種
特定外来生物に指定されていなくても、ワシントン条約(CITES)・家畜伝染病予防法・狂犬病予防法などにより輸入・所持に規制がかかる種が多数あります。購入前に必ず規制状況を確認しましょう。
「特定動物」にも注意
動物愛護法の中に「特定動物」という区分もあります。これは、咬傷・感染リスクが高いなど、人の生命・身体に危害を加える恐れのある動物を指します。
2020年6月の法改正により、特定動物の愛玩(ペット)目的での新規飼育は禁止されています。動物園等の展示・研究といった目的で飼育する場合に限り都道府県知事の許可が必要で、脱走防止設備・標識の設置義務などが課されます(改正前から飼育している個体は手続きのうえ継続可)。
主な特定動物の例:
- ワニ類(全種)
- 大型ネコ科(ライオン・トラ・チーター等)
- 毒蛇(ガラガラヘビ・コブラ等)
- 大型霊長類(チンパンジー等)
ブリーダー・販売者が特に注意すべき点
ブリちょくでは、ブリーダーとして出品する際には第一種動物取扱業の登録番号の記載が求められます。これは購入者が「信頼できる業者から購入している」と確認できるようにするためです。
チェックリスト:販売活動を始める前に確認すること
- 販売する予定の種が特定外来生物・特定動物に該当しないか確認
- 継続的な販売活動を行う場合、第一種動物取扱業の登録を完了させる
- 犬・猫の場合、生後56日(8週間)を超えてから販売する
- マイクロチップ義務化対応(犬・猫)
- 飼育環境が数値規制(飼育可能頭数・ケージサイズ等)を満たしているか確認
まとめ
ペット飼育・繁殖・販売に関わる日本の主要な法律は、動物と人間が共存するための大切なルールです。「知らなかった」では済まない厳しい罰則も設けられているため、活動を始める前にしっかり確認しましょう。
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