マメスナギンチャクとディスクコーラルの飼育方法を解説。色のバリエーション、光量・水流の条件、増殖のコツ、配置のポイントを紹介します。
この記事のポイント
マメスナギンチャクとディスクコーラルの飼育方法を解説。色のバリエーション、光量・水流の条件、増殖のコツ、配置のポイントを紹介します。
マメスナギンチャク(ズーアンシッド)とディスクコーラル(マッシュルームコーラル)は、サンゴ飼育の入門として最も推奨されるソフトコーラルです。低い光量と穏やかな水流でも育ち、色のバリエーションも豊富で、コレクション性も楽しめます。本記事では、これらのソフトコーラルを美しく育てるためのポイントを解説します。
マメスナギンチャク(Zoanthus、Palythoa)はポリプが群体を形成するソフトコーラルで、1つのポリプは直径5〜15mm程度です。色の種類は非常に豊富で、グリーン、オレンジ、レッド、ブルー、パープル、ピンクなど、単色から複数色が組み合わさった個体まで存在します。特に珍しい色の組み合わせは「マメスナコレクション」として高値で取引されることもあります。マメスナギンチャクとよく混同される近縁種にパリソア(Palythoa)がありますが、パリソアはポリプが大きく(直径15〜25mm)、やや地味な色が多い傾向があります。重要な注意点として、パリソアの一部の種はパリトキシンという猛毒を持っており、素手で触ったり、フラグ作業で体液が目や傷口に入ると健康被害を引き起こす可能性があります。取り扱いにはゴム手袋と保護メガネを着用しましょう。
ディスクコーラル(Discosoma、Rhodactis、Ricordea)は平らな円盤状の体を持つソフトコーラルで、岩の上にペタリと張り付く姿が「きのこ」に見えることからマッシュルームコーラルとも呼ばれます。Discosoma属は最も流通が多く、表面がスムーズなものから触手が密生したものまで変異が豊富です。Rhodactis属はやや大型で、エレファントイヤーマッシュルームなどの大型品種も存在します。Ricordea属はフロリダ産のRicordea floridaとパシフィック産のRicordea yumaに分かれ、どちらもブドウの粒のような触手を持つ美しい種です。特にRicordea floridaのグリーンやオレンジは人気が高く、コレクターズアイテムとなっています。ディスクコーラルは水流が強すぎると剥がれてしまうため、穏やかな場所に配置します。
マメスナギンチャクとディスクコーラルはいずれも低〜中光量で飼育可能です。PAR値で50〜150μmol程度が適切で、LED照明の場合は水槽の側面や下段に配置することで適度な光量を確保できます。光が強すぎるとポリプが縮んだまま開かなかったり、色が褪せたりします。逆に光が弱すぎると成長が極端に遅くなります。新しい環境に導入する際は、まず低い光量の場所に配置し、1〜2週間かけて徐々に明るい場所に移動させる「ライトアクリメーション」を行いましょう。水流は穏やかな間接的な流れが理想です。直接水流が当たるとポリプが開かず、ストレスで縮小してしまいます。水流ポンプの向きを壁面に当てて間接的な流れを作ったり、ライブロックの陰に配置したりする工夫が有効です。
マメスナギンチャクとディスクコーラルは褐虫藻(共生する藻類)の光合成で基本的な栄養を得るため、給餌は必須ではありません。しかし、適度な給餌は成長を促進し、色の発色も良くなります。細かく砕いたフリーズドライクリルや、リーフロイズなどのサンゴ用液体フードを週1〜2回与えると良いでしょう。ディスクコーラルは小さなミシスシュリンプや刻んだ生エビも食べてくれます。ポリプの中央に餌を乗せると、触手で包み込むように取り込む様子が観察できます。給餌時は水流ポンプを一時的に止めて、餌がポリプに留まるようにします。ただし給餌のしすぎは水質悪化の原因になるため、水質テストの結果を見ながら量を調整してください。マメスナギンチャクは給餌なしでも元気に増殖する場合が多いため、無理に給餌する必要はありません。
マメスナギンチャクとディスクコーラルは環境が安定すると自然に増殖します。マメスナギンチャクは基部から新しいポリプを出して群体を広げていきます。増殖速度は水質と光量が適切であれば月に数ポリプ程度で、数ヶ月でライブロックの表面を覆うほどになります。ディスクコーラルは分裂によって増殖し、体が二つに分かれるように増えます。フラグ(小さな台に固定したサンゴの断片)を作成する場合は、マメスナギンチャクは群体の端をカッターやハサミで切り分け、サンゴ接着剤でフラグプラグに固定します。ディスクコーラルは個体を半分に切断するか、岩から剥がしてフラグプラグに接着します。切断後は水流の穏やかな場所で1〜2週間養生させましょう。前述のとおり、パリソア属のフラグ作業時は毒に注意してください。
マメスナギンチャクやディスクコーラルは丈夫ですが、いくつかの問題が起こることがあります。「ポリプが開かない」場合は、光量が強すぎるか水流が直接当たりすぎている可能性があります。より暗く穏やかな場所に移動させて様子を見ましょう。「色が薄くなった」場合は、栄養塩が低すぎるか光量が不適切な可能性があります。硝酸塩を5〜10ppm程度に維持し、照明のスペクトルを調整してみてください。
「マメスナが増えすぎて困る」という悩みも多く聞かれます。この場合は、増殖したマメスナをフラグにカットしてブリちょくで販売するという選択肢もあります。自分の水槽で殖やしたサンゴを他の愛好家に渡せるのは、サンゴ飼育ならではの楽しみです。トリミングの際はパリソア属の毒に注意し、必ず保護具を着用してください。
配置のポイントとして、マメスナギンチャクは水槽中層〜下層の間接的な光が当たる場所に配置し、ディスクコーラルは底面やライブロックの側面など低光量の場所が適しています。どちらも他のサンゴから最低5cm以上の距離を保ち、化学的な干渉を防ぎましょう。増殖して密になりすぎると光が届かなくなり、下のポリプが衰退するため、定期的な間引きが長期維持の秘訣です。
ブルーLED照明下ではマメスナギンチャクとディスクコーラルの蛍光色が特に美しく映えます。鑑賞時にはアクチニック(青色)ライトを強めに設定すると、まるで海中を覗いているかのような幻想的な光景が楽しめます。
配置のポイントとして、マメスナギンチャクは水槽中層〜下層の間接的な光が当たる場所に配置し、ディスクコーラルは底面やライブロックの側面など低光量の場所が適しています。どちらも他のサンゴから最低5cm以上の距離を保ち、化学的な干渉を防ぎましょう。増殖して密になりすぎると光が届かなくなり、下のポリプが衰退するため、定期的な間引きが長期維持の秘訣です。
## ブリちょくで美しいソフトコーラルを
マメスナギンチャクとディスクコーラルは色のバリエーションが豊富で、コレクションの楽しみが尽きません。ブリちょくでは、サンゴブリーダーから状態の良いフラグやコロニーを直接購入でき、希少な色の個体も見つかることがあります。自宅の水槽の光量や水流の条件を伝えれば、最適な個体を提案してもらえるでしょう。