初心者向けにサンゴの人気種を図鑑形式で紹介。ソフトコーラル(トサカ・ディスクコーラル・スターポリプ)からLPS(ハナガタサンゴ・ナガレハナサンゴ)まで、特徴と飼育難易度を解説します。
サンゴ飼育は海水アクアリウムの花形ですが、種類によって飼育難易度は大きく異なります。初心者の方はまず丈夫なソフトコーラルから始め、経験を積みながらLPS・SPSへとステップアップしていくのがおすすめです。本記事では、人気のサンゴを図鑑形式で紹介し、それぞれの特徴と飼育のポイントを解説します。
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サンゴの分類と飼育難易度の目安
サンゴは大きく3つのグループに分類されます。
| グループ | 特徴 | 飼育難易度 | 代表種 |
|---------|------|-----------|--------|
| ソフトコーラル | 骨格を持たず柔らかい。水質変動に比較的強い | 初心者向け | マメスナ、スターポリプ、ウミキノコ |
| LPS(大型ポリプ石サンゴ) | 石灰質の骨格を持つ。ポリプが大きく肉厚 | 中級者向け | ハナガタ、ナガレハナ、オオバナ |
| SPS(小型ポリプ石サンゴ) | 石灰質の骨格を持つ。ポリプが小さく繊細 | 上級者向け | ミドリイシ、コモンサンゴ |
それぞれのグループが必要とする光量・水流・水質の安定度は大きく異なるため、自分の水槽環境と経験値に合ったグループから始めることが成功への近道です。
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ソフトコーラル:初心者におすすめの種類
スターポリプ(スタポリ)
- 飼育難易度:★☆☆☆☆(非常に簡単)
- 照明:弱〜中光量でOK
- 水流:弱〜中程度
- 緑色のマット状に広がり、星形のポリプを開く美しいサンゴです。成長が早く、ライブロックの上を這うように広がるため、短期間で水槽に緑の絨毯を敷くことができます。水質悪化にも比較的強いため、最初の1匹目に最適です。ただし成長が速すぎて他のサンゴの領域を侵食することがあるため、独立した岩に配置して制御するのがコツです
ディスクコーラル
- 飼育難易度:★☆☆☆☆(非常に簡単)
- 照明:弱光量でも可
- 水流:弱め
- 平たい円盤状のサンゴで、赤・青・緑・紫と色彩バリエーションが非常に豊富です。分裂で自然に増えるため、気づくと数が増えていることも。強い光や強い水流を嫌うので、岩陰や水槽下部に配置します。Ricordea属やRhodactis属など亜種によっても印象が異なり、コレクション性が高い種類です
ウミキノコ(トサカ系)
- 飼育難易度:★★☆☆☆(簡単)
- 照明:中光量
- 水流:中程度
- キノコのような形状で、傘の部分からポリプを展開する姿が愛らしいサンゴです。水質変動にも比較的耐性があり、初心者が最初に飼育するサンゴとして人気があります。定期的に粘膜を出して脱皮する習性がありますが、これは正常な行動なので心配不要です。フラグカットによる増殖も比較的容易で、サンゴ繁殖の入門種としても最適です
マメスナギンチャク
- 飼育難易度:★☆☆☆☆(非常に簡単)
- 照明:弱〜中光量
- 水流:弱〜中
- 色のバリエーションが非常に豊富で、コレクション性が高いのが最大の魅力です。増殖が早く、条件が良ければライブロックの表面を覆い尽くすほどに成長します。注意点として、パリソア属の一部はパリトキシンという毒を持つため、フラグ作業時はゴム手袋と保護メガネを着用しましょう
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LPS:中級者向けの人気種
ハナガタサンゴ
- 飼育難易度:★★★☆☆(普通)
- 照明:弱〜中光量 / 水流:弱め
- 大きく膨らむ肉厚のポリプが特徴で、赤・緑・オレンジなど鮮やかな色合いが人気です。給餌に反応して大きく膨らむ姿は見応えがあり、底砂の上に直置きで飼育できる手軽さもLPS入門に最適なポイントです
ナガレハナサンゴ
- 飼育難易度:★★★★☆(やや難しい)
- 照明:中光量 / 水流:中程度
- 先端が丸く分かれたポリプが流れるように揺れる美しいサンゴです。骨格が折れやすいため取り扱いには注意が必要です。「ブラウンジェリー」という感染症にかかりやすく、異変があれば早急に対処しましょう。スイーパー触手で周囲のサンゴを攻撃するため、最低10cm以上の距離を確保してください
オオバナサンゴ
- 飼育難易度:★★☆☆☆(簡単)
- 照明:弱〜中光量 / 水流:弱め
- 大きなポリプが膨らんでボリューム感があるLPSです。LPSの中では丈夫な部類で、初めてのLPSに向いています。底砂の上に直置きで飼育でき、給餌への反応も良好です
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SPS:上級者向けの美麗種
ミドリイシ
- 飼育難易度:★★★★★(難しい)
- 照明:強光量が必須 / 水流:強めのランダム水流
- サンゴ飼育の最高峰とも言われる種類で、色彩の美しさは随一です。水質の安定(KH・カルシウム・マグネシウムの維持)が極めて重要で、高性能な照明とプロテインスキマーが必須です。成功した時の達成感は格別で、多くのアクアリストの最終目標です
コモンサンゴ(モンティポラ)
- 飼育難易度:★★★★☆(やや難しい)
- 照明:中〜強光量 / 水流:中〜強程度
- ミドリイシよりは飼いやすく、SPS入門として人気があります。板状・被覆状に成長する種が多く、色も紫・赤・緑と多彩です
SPSの飼育はシステムの完成度が求められるため、まずはソフトコーラルやLPSで十分な経験を積んでから挑戦しましょう。
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サンゴの選び方と購入のコツ
サンゴを購入する際は、飼育難易度だけでなく自分の水槽環境との相性を考慮しましょう。具体的には、照明の種類とPAR値、水流ポンプの出力、水質パラメータ(KH・Ca・Mg・NO3・PO4)が購入予定のサンゴの要求に合っているかを事前に確認します。また、通販で購入する場合は複数の角度から撮影された写真を確認し、ブルーライトだけでなく白色光下での写真もリクエストすると実際の色味を把握しやすくなります。健康な個体はポリプがしっかり開いており、色が均一で白化や褐色化のない個体を選びましょう。
また、導入後のケアも重要です。新しいサンゴは水合わせ後、まず水槽の底部や岩陰など光と水流が穏やかな場所に仮配置しましょう。1〜2週間かけて徐々に目的の位置に移動させる「光馴致」を行うことで、環境変化によるストレスを最小限に抑えられます。
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