水草を増やす3つの基本テクニック。有茎草の差し戻し、ロゼット型の株分け、ランナーで広がる水草の管理方法を品種ごとに詳しく解説します。
この記事のポイント
水草を増やす3つの基本テクニック。有茎草の差し戻し、ロゼット型の株分け、ランナーで広がる水草の管理方法を品種ごとに詳しく解説します。
水草を自分で増やせるようになると、水槽レイアウトの自由度が一気に広がります。トリミングのたびに水草を購入する必要がなくなり、コストを大幅に抑えながら水槽を美しく維持できるのが最大の魅力です。とはいえ、水草の増やし方は種類によって大きく異なります。有茎草・ロゼット型・ランナー型それぞれの特徴を正しく理解することが、失敗しない増殖の第一歩です。本記事では、初めて水草を増やす方でも実践しやすいよう、3つの主要な増やし方を手順・コツとともに詳しく解説します。
有茎草とは、茎に葉が節ごとについているタイプの水草の総称です。ロタラ・ハイグロフィラ・アマニア・ルドウィジア・バコパなど、レイアウト水槽でよく使われる水草のほとんどがこのタイプに該当します。差し戻しはこれらの有茎草に使う最も一般的な増殖方法で、切り取った茎をそのまま底床に挿すだけという手軽さが特徴です。
切り口に使うハサミは必ず清潔なものを使用してください。汚れたハサミを使うと雑菌が切り口から侵入し、枯れや溶けの原因となります。また、CO2添加をしている水槽では根付きと成長が明確に早まるため、差し戻し直後の底床固定期間を短縮できます。液体肥料は根が張るまでの約1週間は控えめにするのがコツです。根がないうちに大量の肥料を与えると、コケの栄養になるだけで水草には届きません。
差し戻しの優れた点は、1本の茎から複数のカット苗を作れることです。50cmに伸びた茎を5cm単位に切れば、最大10本の苗が得られます。この要領でトリミングのたびに株数が倍増していくため、一度購入した水草を長期間コストゼロで維持することが可能になります。
アマゾンソード・エキノドルス・アヌビアス・ミクロソリウムなど、葉が中心から放射状に広がるロゼット型水草は、差し戻しではなく株分けで増やします。これらの水草は茎が短く、親株の脇から「子株」と呼ばれる小さな芽を自然に出して増えていくのが特徴です。
アマゾンソード・エキノドルスは、子株が親株の葉軸の先端に現れることがあります。子株が小さすぎる段階で切り離すと栄養不足で枯れてしまうため、しっかり根が出るまで焦らず待つことが大切です。株分け後の数週間は肥料を控え、根の定着を優先させましょう。
アヌビアスは流木や石に根を活着させるタイプのため、切り方が少し異なります。株全体をいったん取り出し、根茎(葉の付いた横に伸びる茎)をハサミで2〜3節ごとに切り分けてください。切り分けた株をそれぞれ流木や石に糸やボンドで仮固定すると、数週間で再び活着します。
ミクロソリウムも同様に根茎で増えますが、葉の上に黒い粒(胞子)が出てくることがあります。これを放置すると葉の上に子株が形成されることもあり、自然繁殖を楽しめます。
グロッソスティグマ・ヘアーグラス・バリスネリア・エキノドルス(一部品種)などは、「ランナー」と呼ばれる横に這う茎を伸ばしながら増殖します。これらの水草は一株植えるだけで底床を這いながら面状に広がるため、前景の緑のじゅうたんを作るレイアウトに欠かせない存在です。
ランナーを「引っ張って抜く」のは絶対に避けてください。根が複雑に絡み合っているため、引っ張ると周囲の株まで抜けてしまいます。必ずハサミで根元を切るようにしましょう。
グロッソスティグマのような前景草は、増えすぎると層が厚くなり過ぎて下層に光が届かなくなります。定期的にトリミングして一定の厚みを保つことが、健全な生長を維持するうえで重要です。バリスネリアは縦に長く伸びるタイプのため、葉が長くなりすぎたら先端を切り揃えると見た目がすっきりします。
水草が増えてくると、トリミングで発生する余剰の株の扱いに困ることがあります。捨てるのはもったいないので、以下のように活用しましょう。
水草をゼロから増やすには、まず「健康な親株」を入手することが最重要です。状態の悪い株から増やそうとしても、子株も弱く、増殖速度が遅くなります。ブリちょくでは水草専門ブリーダーから直接購入できるため、品質に信頼がおけます。
水草の増やし方を覚えれば、水槽維持にかかるコストは大きく下がります。まずは健康な株を入手して、差し戻し・株分け・ランナーの管理を試してみてください。繰り返すうちに水草の性質が体で理解でき、美しいレイアウト水槽を長く楽しめるようになります。