NPS(非光合成サンゴ)入門ガイド|種類・飼育環境・給餌の基本
光合成を行わない珍しいNPSサンゴ(ツバササンゴ・チューブサンゴ・ホヤ類等)の飼育方法を解説。なぜ低光量が必要なのか・給餌の種類と頻度・水流設定・よくある失敗までビギナー向けに詳しく紹介します。

この記事のポイント
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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これらに加えて、スポンジ類や一部のカイメン類もNPS的な飼育アプローチで管理されることがあります。
NPSサンゴは自然界では水深50m以上の薄暗い岩壁、洞窟内、オーバーハングの陰など、光がほとんど届かない環境に生息しています。そのため、水槽内で強い照明に晒されると、以下の問題が発生します。
水槽内での配置は「照明が直接当たらない場所」が基本です。具体的には、ライブロックの裏側やオーバーハング下、水槽側面の陰部、サンプ槽の暗部などが適しています。どうしても通常のリーフタンクに入れたい場合は、岩組みで意図的に日陰スポットを作る工夫が必要です。光量の目安としては、PAR値で20〜50程度が上限と考えてください。
適した餌の種類
スポイトまたはシリンジを使い、ポリプが開いているときに直接当てるのが基本です。ポリプが閉じている場合は、水流をポリプ周辺に当てることで開きを誘導できます。給餌時は水流ポンプを一時停止するか弱めると、餌が拡散せずポリプへ直接届きます。5〜10分後に水流を戻す習慣をつけましょう。
毎日1〜2回が理想です。1日おきでも維持できますが、発育速度と発色は毎日給餌に明確に劣ります。過剰給餌による水質悪化には注意が必要で、給餌後1時間以内にプロテインスキマーを最大稼働させるなどの対策が有効です。
NPSサンゴは「きれいな水」を強く要求します。指標となる水質パラメータは以下の通りです。
水流は「適度に強く、間接的な乱流」が理想です。自然界でNPSが生息する崖や洞窟は、常に新鮮な海水が循環する環境です。水流が弱いとポリプへ餌が届かず、粘液・デトリタスが溜まって細菌繁殖の原因にもなります。一方、直接的な強水流はポリプを物理的に傷つけます。複数の水流ポンプを使い、水槽内で乱流を作ることを推奨します。
プロテインスキマーは必須機材です。給餌量が多いNPS水槽は有機物負荷が高いため、処理能力に余裕のある機種を選んでください。
藻類がポリプを覆ってきた 照明が強すぎる証拠です。遮光エリアへの移動を優先し、照明時間の短縮だけでは不十分な場合が多いです。すでに付着した藻類は、柔らかいブラシで除去を試みてください。
水質が急激に悪化する 給餌量に対してスキマー・ろ過能力が追いついていない状態です。給餌直後のスキマー強化運転と、週1〜2回の換水(全水量の10〜15%)を組み合わせて対処します。
NPSサンゴは確かに手間がかかります。しかし、光合成サンゴとは異なる異質な色彩と形態の美しさ、そして「給餌によって直接育てる」という積極的な飼育体験は、他のサンゴでは得られない満足感をもたらします。
熟練のリーフキーパーがNPSに惹かれる理由は、まさにその管理の奥深さにあります。照明への依存から解放される分、給餌・水流・水質の三要素を精密にコントロールする技術が問われ、「生き物を育てている」という実感が強く得られるジャンルです。