海水魚・サンゴ水槽で問題になる硝酸塩の発生原因・蓄積メカニズム・測定方法から、水換え以外の除去テクニック(リフジウム・脱窒システム・バイオペレット)まで体系的に解説します。
この記事のポイント
海水魚・サンゴ水槽で問題になる硝酸塩の発生原因・蓄積メカニズム・測定方法から、水換え以外の除去テクニック(リフジウム・脱窒システム・バイオペレット)まで体系的に解説します。
アクアリウムでは「窒素サイクル」によってアンモニア(有毒)→亜硝酸(有毒)→硝酸塩(低毒)と順次分解されますが、最終産物である硝酸塩は淡水と異なり海水系では特に問題になります。
サンゴ、特にSPS(ミドリイシの仲間)は硝酸塩5ppm以下、理想的には1〜3ppmの超低栄養塩環境を好みます。硝酸塩が蓄積すると褐虫藻が増殖してサンゴが褐色化(ブラウンアウト)し、長期的には白化や成長阻害を招きます。魚だけの水槽でも20ppm以下が望ましく、30ppm以上は魚の免疫低下・病気への抵抗力減少につながります。
硝酸塩が溜まる主な原因は以下の通りです。
硝酸塩はNO3テスター(試薬式・電子式)で測定します。試薬式は精度が高く、ReferenceKit(ICP分析)と合わせると正確な数値が得られます。
目安値: - サンゴ水槽(SPS): 1〜5ppm - サンゴ水槽(LPS・ソフト): 5〜10ppm - 魚のみ: 20ppm以下
リフジウムとはメイン水槽に接続した副水槽で、チドメグサ(ケープウィード)・シオグサなどの大型海藻を大量育成する方法です。海藻が硝酸塩を栄養として吸収するため、定期的に海藻を収穫することで硝酸塩を系外に取り出せます。光量さえ確保できれば維持は比較的容易で、コペポーダ(橈脚類)の繁殖場にもなります。
嫌気性バクテリアが硝酸塩を窒素ガスに還元する「脱窒」を利用したシステムです。シュルチングリアクター(硫黄ペレット)はコストパフォーマンスが高く、安定した運用が可能です。ただしセッティングに知識が必要で、硫化水素発生リスクも伴います。
炭素源となるポリマーペレットをリアクターで回すことで、炭素を利用した従属栄養バクテリアが増殖し、硝酸塩・リン酸塩を消費します。設置が比較的容易ですが、サンプのスキマーとの連携が必須です。
どのシステムを使っても水換えは基本中の基本です。月1〜2回、10〜20%の水換えを行うことで硝酸塩・微量元素のリセットができます。RO/DI水で調製した高品質な人工海水を使うことが大前提です。
マガキガイ・シッタカガイなどのコケ取り生物は、コケ(海藻)の除去を通じて間接的に硝酸塩の蓄積を抑制します。ハゼ類(ギンポ類)は砂の中のデトリタスを撹拌しバクテリア分解を促進します。
「換水しても硝酸塩が下がらない」場合は、底砂・ライブロック内に蓄積したデトリタスが硝酸塩の供給源になっている可能性があります。底砂の定期的なグリップ(砂中の汚泥吸い出し)と、ライブロック周囲の水流強化が効果的です。また、スキマーの能力が足りていないと根本的な解決にならないため、水量に見合ったスペックのスキマーを選ぶことが最重要です。
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