クワガタ・カブトムシの飼育マット(昆虫マット)の種類と特徴を徹底解説。成虫飼育用、幼虫飼育用、産卵用それぞれの選び方、マットの品質判断、管理方法まで実践的に紹介します。
この記事のポイント
クワガタ・カブトムシの飼育マット(昆虫マット)の種類と特徴を徹底解説。成虫飼育用、幼虫飼育用、産卵用それぞれの選び方、マットの品質判断、管理方法まで実践的に紹介します。
クワガタ・カブトムシの飼育において、マット(飼育土・昆虫マット)の選択は飼育成功を左右する重要な要素です。適切なマットを選べば幼虫は大きく育ち、産卵数も増え、成虫も快適に過ごせます。しかし市場にはさまざまな種類のマットが流通しており、初めての方はどれを選べばよいか迷うことでしょう。
昆虫マットは用途によって大きく3つに分類されます。
成虫飼育用マット: 成虫の飼育ケースに敷く床材としてのマットです。成虫は木の樹液を主食とするためマットの栄養価は重要ではなく、保湿性と衛生面が重視されます。針葉樹チップ(ヒノキチップなど)は防ダニ効果がありますが、カブトムシの産卵には不向きです。ヤシガラチップも成虫飼育に適しています。
幼虫飼育用マット: 幼虫はマットそのものを食べて成長するため、マットの品質が幼虫のサイズと健康を直接決定します。広葉樹を粉砕・発酵させたもので、発酵の度合いによって特性が異なります。
産卵用マット: メスが産卵するためのマットで、種類によって微粒子の発酵マットや産卵木が必要です。産卵には特に品質の良いマットを使用する必要があります。
幼虫飼育で最も重要な発酵マットについて詳しく解説します。
一次発酵マット(浅発酵): 広葉樹のおがくずを軽く発酵させたマットです。色は明るい茶色で、木の繊維感が残っています。クヌギやコナラを原料としたものが一般的で、ノコギリクワガタやヒラタクワガタなどの国産クワガタの幼虫飼育に適しています。
二次発酵マット(中発酵): 一次発酵マットをさらに発酵させたもので、色はやや暗い茶色です。栄養価が高く、カブトムシの幼虫飼育に最適です。オオクワガタの幼虫にも使用できますが、オオクワガタは菌糸ビンのほうが大型個体が出やすい傾向があります。
完熟マット(高発酵): 長期間発酵させた黒に近い色のマットです。粒子が細かく、土に近い質感があります。カブトムシの産卵に特に適しており、ミヤマクワガタや一部の外国産クワガタの幼虫飼育にも使われます。
無発酵マット: 発酵処理をしていない生のおがくずです。幼虫の餌としては不適切ですが、産卵木の周囲に詰めるための充填材として使用されます。
オオクワガタやヒラタクワガタなどの大型クワガタを大きく育てたい場合は、発酵マットではなく菌糸ビン(菌糸ブロックを詰めたビン)が主流です。
菌糸ビンはキノコの菌(ヒラタケやオオヒラタケの菌糸)がおがくずに蔓延したもので、菌糸の働きで木質が分解され、幼虫が非常に効率よく栄養を吸収できます。オオクワガタの場合、発酵マット飼育で60〜70mm程度の成虫が、菌糸ビン飼育では80mmを超えることも珍しくありません。
ただし菌糸ビンは温度管理が必要で、25℃以上になると菌糸が劣化し、逆に20℃以下だと菌糸の活性が落ちます。管理の手間とコストを考慮して、発酵マットと菌糸ビンを使い分けましょう。
良質なマットを見分けるポイントを紹介します。
匂い: 良質な発酵マットは土のような穏やかな匂いがします。刺激的な酸っぱい匂いやアンモニア臭がする場合は、発酵が不十分または嫌気発酵を起こしている可能性があり、ガス抜き(後述)が必要です。
色: 発酵の度合いによって色が異なりますが、ムラなく均一な色をしているものが良質です。白い菌糸(カビ)が部分的に生えているものは品質に問題がある場合があります。
粒子の均一性: 粒子が均一で、大きな木片や未分解の樹皮が混ざっていないものが理想です。幼虫飼育用・産卵用は微粒子が適しています。
水分量: 手で握って形が残り、指の間から水が滴り落ちない程度が適正な水分量です。乾燥しすぎていても水分過多でも飼育には適しません。
購入したマットはすぐに使用せず、ガス抜きと水分調整を行ってから使いましょう。
ガス抜き: 密封されたマットは袋の中で再発酵してガスが溜まっていることがあります。大きな容器(衣装ケースなど)にマットを広げ、通気の良い場所で2〜3日放置します。1日1回かき混ぜてガスを放出させます。酸っぱい匂いが消え、土のような匂いになれば完了です。
水分調整: マットに水を加えて、握って形が崩れない程度の水分量に調整します。少しずつ水を加えてよく混ぜ、ムラなく均一な湿り具合にすることが大切です。水分が多すぎるとコバエやダニの発生原因になるため、適量を心がけてください。
代表的な種類ごとのマット選びを紹介します。
国産カブトムシ: 二次〜高発酵の微粒子マット。幼虫飼育も産卵もこれ一つで対応できます。栄養価の高いマットを使うと大型個体が出やすくなります。
オオクワガタ: 幼虫は菌糸ビンが主流。マット飼育の場合は一次発酵マット。産卵はコナラやクヌギの産卵木を発酵マットに埋め込むスタイルが基本です。
ノコギリクワガタ: 幼虫は一次〜二次発酵マット。発酵が進んだマットのほうが大型個体が出やすい傾向があります。産卵は中〜高発酵の微粒子マットに産みます。
ミヤマクワガタ: 高発酵の微粒子マットが適しています。低温環境を好むため、マットの発酵熱にも注意が必要です。
ヘラクレスオオカブト: 高発酵のカブトマット。大型容器に大量のマットを入れて長期間飼育するため、コストパフォーマンスも重要なポイントです。
幼虫飼育中のマット交換のタイミングと方法を解説します。
マットの表面に幼虫の糞(黒い粒状のもの)が目立ってきたら交換の目安です。一般的には2〜3か月に1回の交換が標準的ですが、幼虫の大きさやマットの量によって異なります。糞の割合がマット全体の3分の1を超えたら交換のサインです。
交換時は古いマットを全部捨てるのではなく、古いマットを3分の1程度残して新しいマットと混ぜると、幼虫のストレスが軽減されます。マット交換時に幼虫を素手で触ると雑菌が付着する可能性があるため、清潔なスプーンで優しく移動させましょう。
大型個体を育てるにはマットの品質だけでなく、個体の血統も重要な要素です。ブリちょくでは、大型個体の実績を持つブリーダーから血統の良い個体を直接購入でき、そのブリーダーが実際に使用しているマットの銘柄や飼育温度についても具体的なアドバイスを受けられます。