メインコンテンツへスキップ外来クモ・タランチュラ飼育の入門ガイド|種類・設備・安全な取り扱いまで | ブリちょく奇虫| ✍️ ブリちょく編集部
外来クモ・タランチュラ飼育の入門ガイド|種類・設備・安全な取り扱いまで
タランチュラを含む外来クモの飼育入門ガイド。初心者向けのおすすめ種、飼育ケースと床材の選び方、給餌方法、脱皮ケア、安全な取り扱い、法規制の確認まで、外来クモ飼育に必要な基礎知識を解説します。タランチュラ・外来クモとはどんい生き物か タランチュラはクモ目オオトリノフンダマシ科ではなく、 オオツチグモ科(Therap…
この記事のポイント
タランチュラを含む外来クモの飼育入門ガイド。初心者向けのおすすめ種、飼育ケースと床材の選び方、給餌方法、脱皮ケア、安全な取り扱い、法規制の確認まで、外来クモ飼育に必要な基礎知識を解説します。タランチュラ・外来クモとはどんい生き物か タランチュラはクモ目オオトリノフンダマシ科ではなく、 オオツチグモ科(Therap…
タランチュラ・外来クモとはどんい生き物か
タランチュラはクモ目オオトリノフンダマシ科ではなく、オオツチグモ科(Theraphosidae)に属する大型クモの総称です。全世界に900種以上が記録されており、熱帯〜亜熱帯を中心に分布しています。日本国内では一部の種がCITES(ワシントン条約)附属書に含まれますが、多くの流通種は規制対象外です。
外来クモの人気が高まった背景には「飼育スペースが小さくて済む」「鳴き声がない」「触れあいではなく観察する楽しみ」などがあります。ただし本来の意味での「ペット」としてではなく、「観察・飼育を楽しむ生き物」として向き合う姿勢が重要です。
主な外来クモのカテゴリ
✍️
ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
ブリちょくで奇虫を探す
認証済みブリーダーから直接購入できます
関連する出品を見る
この記事に関連する奇虫の出品をブリちょくで探してみましょう。認証済みブリーダーから直接購入できます。
初心者におすすめの種
タランチュラ入門には地棲で動きが遅く、毒性が比較的弱い種が向いています。
グラモストラ・プルクリペス(チリアンフレームタランチュラ)
- 難易度:入門
- 体長(成体雌):約12〜14cm
- 気性:温和で動きが遅い
- 寿命:雌20〜30年、雄3〜4年
- 特徴:砂漠性で乾燥に強く、水の管理が単純。脱皮後に鮮やかなオレンジ〜ピンク色になる美しい種。
ブラキペルマ・ハモリ(メキシカンレッドニー)
- 難易度:入門〜初級
- 体長:約11〜13cm
- 気性:温和、ただし刺激を与えると腹部の刺激毛(ウルティカント毛)を蹴り散らす
- 特徴:黒×オレンジの鮮やかな外見で人気。成長が遅く、成体になるまで5〜7年かかる。CITES附属書Ⅱ掲載(輸出規制あり、国内繁殖個体は入手可)
アカントスクリア・ゴダエフロイ(メキシカンファイヤーレッグ)
- 難易度:入門
- 体長:約10〜13cm
- 気性:比較的温和
- 特徴:赤いレッグが美しい地棲種。比較的流通量が多く入手しやすい。
飼育ケースと環境設定
ケースの選び方
地棲種のケース要件
- 幅:体長の2〜2.5倍以上
- 高さ:あまり必要ない(地棲種が登って落ちると致命的な腹部破裂を起こすため)
- 通気:天面に金属メッシュ(前面通気は避けた方が安定しやすい)
- 推奨サイズ例(成体雌):30cm×20cm×20cm
樹上棲種のケース要件
- 高さが重要(体長の3〜4倍以上)
- 前面開きドアが望ましい(上から手を入れると防衛行動を起こしやすい)
床材の選び方
地棲タランチュラには穴掘り行動を許容できる深い床材が重要です。
| 床材の種類 | 適否 | 特徴 |
|---|
| ピートモス+バーミキュライト(1:1混合) | ◎ | 保湿性・成形性が高く穴掘りに最適 |
| ヤシガラ土(ハスクチップ) | ○ | 入手容易・適度な保湿 |
| バイオアクティブソイル | ○ | 長期メンテナンス不要(ダニ・小昆虫を共存させる) |
| パインチップ・おがくず | × | 揮発性有機物がクモに有害 |
| キッチンペーパー(成体の短期管理のみ) | △ | 清潔だが穴掘りができない |
床材の深さは成体の体長以上を確保します(砂漠性種は5〜8cm、林床性種は10〜15cm)。
温湿度設定
| 種別 | 適温 | 湿度 |
|---|
| 砂漠性(グラモストラ等) | 22〜28℃ | 30〜50%(片隅のみ湿らせる) |
| 熱帯地棲性(ブラキペルマ等) | 24〜28℃ | 50〜70% |
| 熱帯樹上棲性(ポキロテリア等) | 25〜28℃ | 70〜85% |
加熱にはパネルヒーターをケース側面に設置します(底面設置は穴掘り行動で埋まるリスク)。
給餌方法
タランチュラは肉食で、適切なサイズの生餌または冷凍餌を与えます。
推奨餌の種類
- コオロギ(フタホシ・イエコオロギ):最も汎用的、栄養バランスが良い
- デュビアローチ:消化が良く栄養価が高い・脱走しにくい
- ミルワーム:補助的に使用(脂肪分が高いため主食は不向き)
- ピンクマウス(冷凍):成体の大型タランチュラに月1回程度
| 個体のステージ | 給餌頻度 | 量 |
|---|
| 幼体(1〜3cm) | 3〜5日に1回 | 体サイズの1/3〜半分程度のコオロギ |
| 亜成体(3〜8cm) | 週1〜2回 | 体サイズの1/2のコオロギ1〜2匹 |
| 成体 | 週1〜2回(脱皮前は絶食) | 体サイズの1/2程度のコオロギ1〜3匹 |
脱皮前後の個体は食欲がなくなります。食べ残した餌(特にコオロギ)は24時間以内に取り除きます。コオロギが脱皮中の個体を噛むと致命傷になることがあるためです。
脱皮ケア
タランチュラは成長するたびに外骨格を脱ぎ替える脱皮(モルト)を行います。脱皮は最も繊細なタイミングで、適切なサポートが求められます。
脱皮前のサイン
- 食欲が落ちる・餌を無視する(1〜4週間前)
- 腹部が黒ずんでくる(新しい外骨格が透けて見える)
- 仰向けになって動かない(脱皮直前〜中)
脱皮中の注意事項
- 絶対に触らない・ケースを動かさない
- 生餌が残っている場合は速やかに除去
- 水の確保(皿か床材の一部を湿らせる)
脱皮後のケア
- 脱皮後24〜48時間は完全に放置(外骨格の硬化待ち)
- 脱皮後1週間は給餌しない
- 脱皮後2〜3日で水を提供する
安全な取り扱いと注意事項
タランチュラは愛玩目的でのハンドリングが一般的でない生き物です。多くの種は過度なハンドリングをストレスと感じ、防衛行動(腹部の刺激毛を蹴る、噛む)に移行します。
ハンドリング時の注意
- ゆっくりした動き・急な動作をしない
- 高い位置では行わない(落下による腹部破裂リスク)
- 脱皮前後・食後は避ける
- 毒性が高い種(ポキロテリア属・アカントスクリア系統の一部)はハンドリングを行わない
ウルティカント毛(刺激毛)への対処
新世界タランチュラの多くは威嚇時に腹部の毛を蹴り散らします。皮膚・目に刺さると激しい痒みが起きます。直後に水で洗い流し、目への付着が疑われる場合は眼科を受診します。
法規制の確認
外来クモの飼育・購入前に法的規制の確認が必要です。
- 特定外来生物法:セアカゴケグモ等の毒グモは特定外来生物に指定されており、飼育・販売は禁止
- CITES(ワシントン条約)附属書:ブラキペルマ属の多くはCITES附属書Ⅱ掲載(輸出入には書類が必要)
- 動物の愛護及び管理に関する法律:販売目的の飼育には第一種動物取扱業の登録が必要
まとめ
外来クモ・タランチュラは「声がない・散らかさない・スペースが要らない」という特性から現代のペットとして注目を集めています。初心者は温和で丈夫な地棲種(グラモストラ・ブラキペルマ等)から始め、適切な設備と安全な取り扱いの習慣を身につけてから難易度の高い種へステップアップすることを推奨します。法規制の確認と入手経路の信頼性を守ることが、この趣味を長く楽しむための基本です。