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サンゴ水槽の水質パラメーター完全ガイド:KH・Mg・Ca調整
サンゴ飼育に欠かせない水質パラメーター(KH・Mg・Ca・NO3・PO4)の適正値と測定方法、調整手順を詳しく解説。添加剤の種類と使い方も紹介します。サンゴを健康に育てるうえで、水質パラメーターの管理は避けて通れません。「なんとなく水換えしているけど、サンゴが元気ない」「添加剤って何を買えばいいの?」そんな疑問を…
この記事のポイント
サンゴ飼育に欠かせない水質パラメーター(KH・Mg・Ca・NO3・PO4)の適正値と測定方法、調整手順を詳しく解説。添加剤の種類と使い方も紹介します。サンゴを健康に育てるうえで、水質パラメーターの管理は避けて通れません。「なんとなく水換えしているけど、サンゴが元気ない」「添加剤って何を買えばいいの?」そんな疑問を…
サンゴを健康に育てるうえで、水質パラメーターの管理は避けて通れません。「なんとなく水換えしているけど、サンゴが元気ない」「添加剤って何を買えばいいの?」そんな疑問を持っている方のために、KH・Mg・Ca・NO3・PO4それぞれの役割と調整方法を、わかりやすく解説します。
サンゴに必要な5つの水質パラメーター
サンゴの骨格はアラゴナイト(炭酸カルシウム)で構成されています。骨格を作るためにカルシウム(Ca)と炭酸水素イオン(KH)を大量に消費します。さらにマグネシウム(Mg)はCaとKHのバランスを安定させる縁の下の力持ちです。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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一方で硝酸塩(NO3)とリン酸塩(PO4)は栄養塩と呼ばれ、高濃度になるとサンゴの褪色(白化)や成長阻害を引き起こします。
この5つのパラメーターを把握するだけで、サンゴ飼育の成功率は大きく上がります。
各パラメーターの適正値と役割
KH(炭酸硬度)
KHは毎日変動しやすく、1日で1 dKH以上変わるとサンゴがストレスを受けます。急激な変化を避けるのが大原則です。
Ca(カルシウム)
- 適正値:380〜450 mg/L
- 役割:骨格の主成分。成長の速いSPSほど消費量が多い
CaとKHは連動して動きます。Caを上げようとKHが下がることがあるため、セットで管理するのがコツです。
Mg(マグネシウム)
- 適正値:1250〜1350 mg/L
- 役割:CaとKHのバランスを安定させる。低いとどれだけ添加剤を入れてもCa・KHが安定しない
Mgは見落とされがちですが、じつはすべての調整の土台になるパラメーターです。まずMgを合わせることが先決です。
NO3(硝酸塩)
- 適正値:SPSは1〜5 mg/L、LPSは5〜20 mg/L、ソフトコーラルは〜30 mg/L
- 役割:低濃度なら共生藻(褐虫藻)の栄養源になるが、高濃度は褐変・白化を引き起こす
0に近すぎる「貧栄養」もSPSには禁物で、サンゴが白くなる原因になります。適度に保つことが重要です。
PO4(リン酸塩)
- 適正値:SPSは0.02〜0.08 mg/L、LPS・ソフトは0.05〜0.1 mg/L
- 役割:NO3と同様に適度な量が必要だが過剰は褐変の主因
PO4は0.0に近づけすぎると逆に白化することがあります。ゼロを目指さず「低め安定」が理想です。
測定方法:信頼できる試薬を選ぶ
水質管理の第一歩は正確な測定です。安価な試薬はバラつきが大きく、誤った判断につながります。
| パラメーター | 信頼性の高い製品例 |
|---|
| KH | Hanna Instruments HI772、RedSea KHテスター |
| Ca | RedSea Ca Pro、Salifert Ca |
| Mg | Salifert Mg、RedSea Mg Pro |
| NO3 | Hanna HI97781、Salifert NO3 |
| PO4 | Hanna HI736(ULR)、RedSea PO4 Pro |
特にPO4は低濃度域での測定が必要なため、ULR(超低濃度)対応のHannaフォトメーターが最も信頼性が高いです。
測定頻度の目安
- 立ち上げ初期・トラブル時:週3回以上
- 安定期:週1〜2回(KHは毎日でも可)
- 安定したベテラン水槽:週1回
測定タイミングは毎回同じ時間帯・同じ条件で行うと比較しやすくなります。
調整手順:正しい順番で添加する
パラメーターを修正する際には必ず順番があります。これを守らないと逆効果になることも。
Step 1:Mgを先に合わせる
Mgが低いとCa・KHを添加しても沈殿して効果がありません。まずMgを1,280 mg/L程度に調整します。
調整例:Mgが1,150 mg/Lの場合
塩化マグネシウムや水酸化マグネシウム系の添加剤を少量ずつ追加し、数日かけて目標値に近づけます。1日に50 mg/L以上は上げないよう注意しましょう。
Step 2:KHを調整する
Mg安定後にKHを合わせます。KHが低い場合は炭酸水素ナトリウム(重曹)や市販のアルカリ度補充剤を使用。
ポイント:1回の添加でKHを1 dKH以上上げないこと。変化が急すぎるとサンゴが白化します。
Step 3:Caを調整する
KHが目標値に達したらCaを合わせます。塩化カルシウム系の添加剤を使うのが一般的です。
栄養塩(NO3・PO4)の調整は別アプローチです。高い場合は以下を実施します。
- 給餌量の見直し・水換えの増加
- プロテインスキマーの強化
- 活性炭・吸着材(Rowaphos、Purigen等)の使用
- 脱窒(炭素源添加:NO3の場合)
低すぎる場合は少量の給餌増加や、専用の栄養塩添加剤(RedSea NO3:PO4-X逆算など)で補います。
添加剤の種類と選び方
手動添加(マニュアル添加)
最もシンプルで、初心者におすすめ。毎日決まった量を少しずつ添加します。RedSeaの「Reef Foundation」シリーズなど2液〜3液タイプが使いやすいです。
カルクワッサー(水酸化カルシウム)
蒸発水の補給と同時にCaとKHを補充できる古典的な方法。コスパが高く、管理が簡単です。
向いている水槽:蒸発量が多く、少量のSPSも混在する水槽
2パート添加(Two-Part Dosing)
Ca補充液とKH補充液を個別にドーシングポンプで毎日自動添加する方法。RedSea「AB+」やAquaForest「Component 1+2+3」が有名です。
向いている水槽:90cm以上のSPS主体、コーラルが多く消費量が大きい水槽
カルシウムリアクター
CO2とサンゴ砂(アラゴナイト)を使ってCa・KHを自動で補充する装置。ランニングコストが低く、大型水槽に最適ですが初期投資と調整が必要です。
まとめ:焦らず、毎日少しずつ
水質パラメーターの管理で最も大切なのは「急激な変化を避けること」です。測定→記録→少量ずつ調整→再測定のサイクルを繰り返すうちに、水槽が安定してきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、一度リズムができれば週に15分の作業です。まずはKH・Ca・Mgの3つから始め、安定してきたらNO3・PO4の管理に進んでいきましょう。
数値の変化に一喜一憂せず、長期的なトレンドで水槽を見ていく目を養うことが、サンゴ飼育の醍醐味でもあります。
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