アカンサストレア・ブラストムッサの飼育ガイド|色鮮やかなLPSサンゴの育て方
色鮮やかなLPSサンゴ「アカンサストレア(アカン)」と「ブラストムッサ」の飼育方法を解説。照明・水流・給餌・水質管理のポイントと、初心者でも育てやすい理由を詳しく紹介します。アカンとブラストムッサとは アカンサストレア(通称アカン) と ブラストムッサ は、いずれもサンゴ礁に生息するLPS(Large Polyp…

この記事のポイント
色鮮やかなLPSサンゴ「アカンサストレア(アカン)」と「ブラストムッサ」の飼育方法を解説。照明・水流・給餌・水質管理のポイントと、初心者でも育てやすい理由を詳しく紹介します。アカンとブラストムッサとは アカンサストレア(通称アカン) と ブラストムッサ は、いずれもサンゴ礁に生息するLPS(Large Polyp…
関連品種
アカンとブラストムッサとは
アカンサストレア(通称アカン) と ブラストムッサ は、いずれもサンゴ礁に生息するLPS(Large Polyp Stony)サンゴです。肉厚でカラフルなポリプが特徴で、蛍光グリーン・オレンジ・レッド・パープルなど多彩な色彩から、リーフタンクの「宝石」として愛好家に高い人気を誇ります。
アカンサストレア(Acanthastrea echinata)
- 和名:アカンサストレア
- 分布:インド洋・太平洋のサンゴ礁
- コロニー形状:塊状・円盤状。複数のポリプが一つのスケルトンに並ぶ「コロニー型」
- ポリプサイズ:10〜25mm程度
- 価格帯:数千円〜数万円(カラーグレードによる)
ブラストムッサ(Blastomussa wellsi / B. merleti)
- 和名:ブラストムッサ
- 分布:インド洋・太平洋域
- コロニー形状:各ポリプが独立したスケルトンを持ち、緩やかにコロニーを形成
- ポリプサイズ:15〜30mm(アカンより大きめ)
- 価格帯:1,000〜5,000円程度(比較的安価)
なぜ初心者向けなのか
アカンとブラストムッサは、LPSサンゴの中でも特に飼育難易度が低いグループです:
- 照明への要求が低い:SPSサンゴほど高光量は必要なく、LEDの中程度の光量で十分
- 水質への耐性が高い:多少の水質変動にも対応できる
- アレロパシー(化学戦争)が比較的弱い:隣接するサンゴへの攻撃性が低め
- 給餌による成長促進がしやすい:餌に反応しやすく、成長を観察しやすい
飼育環境の設定
水質パラメータ
| パラメータ | 目標値 |
|---|---|
| 水温 | 24〜26℃ |
| 比重 | 1.025〜1.026 |
| pH | 8.1〜8.3 |
| KH(アルカリ度) | 8〜11 dKH |
| Ca(カルシウム) | 380〜450 ppm |
| Mg(マグネシウム) | 1,200〜1,350 ppm |
| 硝酸塩(NO3) | 5〜20 ppm |
| リン酸塩(PO4) | 0.03〜0.1 ppm |
SPSと違い、栄養塩(硝酸塩・リン酸塩)がある程度存在する環境を好みます。ゼロに近い超低栄養塩水槽では却って色が薄くなることもあります。
照明
| 照度レベル | 適性 |
|---|---|
| 低光量(PAR 30〜80) | ◎ 最適。水槽中段〜下段に配置 |
| 中光量(PAR 80〜150) | ○ 問題なし |
| 高光量(PAR 150以上) | △ 直射では退色・ポリプ縮小の可能性 |
水槽内の影になる部分や、ライブロックの隙間など光が当たりにくい場所でも育てられるのが大きな利点です。
色鮮やかに育てるコツ: 蛍光色(ブルー・バイオレット波長)の光を含むLEDを使用すると、蛍光タンパク質の発色が際立ちます。
水流
中程度の間接的な水流が理想です。
- 推奨水流: ポリプがゆっくり揺れる程度(強過ぎるとポリプが縮む)
- 直接強水流はNG: スイーパー触手が広がらず、ストレスになる
- 水槽の角や陰など水流が穏やかなエリアへの配置が向いている
配置場所
- 底面〜中層(水槽下段の岩の上が最適)
- 強い光が直接当たらない場所
- 他のサンゴとの距離:最低10cm以上(スイーパー触手で触れ合うと化学戦争が起きる)
給餌について
アカンとブラストムッサは積極的に給餌することで成長と色揚げが促進されます。
餌の種類
| 餌の種類 | 効果 |
|---|---|
| 冷凍コペポーダ | 自然に近い栄養。ポリプが良く開く |
| 冷凍ブラインシュリンプ | 嗜好性が高い。色揚げ効果 |
| 冷凍ミジンコ | 消化が良く、初心者向け |
| ペレット(微細粒) | 手軽。水流を弱めてから投入 |
| アミノ酸添加剤 | 水に溶かして全体に行き渡らせる |
給餌方法
- 給餌前に水流ポンプを止める(餌が流されないよう)
- スポイトでポリプに直接近づけて落とす
- ポリプが反応してメッシュ状に餌を取り込むのを確認
- 15〜20分後に水流を再開
- 週2〜3回が目安(毎日でも可だが水質悪化に注意)
ポリプが夜間に最も大きく開く傾向があるため、夜間に給餌するとより多く摂取できます。
成長と増殖
自然な分裂(出芽)
コンディションが良いと、自然にポリプ数が増えていきます(1〜2個→数十個のコロニーに成長することも)。これが飼育の醍醐味のひとつです。
フラグ(フラッギング)
繁殖や取引目的で切り分けることもできます:
- 水槽から取り出し、清潔なカッターかノミで1ポリプ以上含むよう分割
- 切り口をエポキシ系接着剤でフラグプラグに固定
- 水槽内の低光量・穏やかな水流の場所に置き、1〜2週間は邪魔しない
- 切り口が治癒したら(2〜3週間)通常管理に移行
よくあるトラブルと対処法
ポリプが開かない
- 原因: 水質の急変・輸送ストレス・強すぎる光や水流
- 対処: 新入り個体は1週間様子見。光量・水流を落とす。水質チェック
色が薄くなる・退色
ポリプが縮んだまま
白化・組織の壊死
- 原因: 急激な水温上昇・病原菌・化学物質
- 対処: 水温を安定させる。隔離して薬浴(ブタジョーを希釈したもの等)
まとめ
アカンサストレアとブラストムッサは、鮮やかな色彩と飼育のしやすさから、リーフタンクの入門LPSサンゴとして最適な選択肢です。高光量は不要で、むしろ中〜低光量で色が映える特性を持ちます。定期的な給餌でポリプ数を増やし、コロニーに成長させる達成感も魅力のひとつ。水質管理の基本を押さえたら、ぜひ挑戦してみてください。

