猫がかかりやすい7つの病気(猫カリシウイルス・FIP・尿路結石・慢性腎臓病など)の症状・原因・対処法をFAQ形式で解説。ワクチンや日常の健康管理で愛猫を守りましょう。
猫は体調不良を隠す習性があるため、飼い主が日頃から注意深く観察することが重要です。ここでは猫がかかりやすい代表的な7つの病気について、症状・原因・対処法・予防策をまとめました。
代表的な病気・トラブル
猫カリシウイルス感染症(FCV)
- **症状**: くしゃみ・鼻水・目やに・発熱・口内炎(舌や歯茎の潰瘍)。重症型(VS-FCV)は致死率が高い
- **原因**: 猫カリシウイルスへの感染。感染猫のくしゃみ・鼻水・唾液を介して飛沫感染する。回復後もキャリア(保菌者)となることが多い
- **対処法**: 抗ウイルス薬はなく、支持療法(輸液・抗生剤・インターフェロン)が中心。口内炎がひどい場合は軟らかいフードに変更
- **予防策**: **3種混合ワクチンの定期接種**が最も効果的。多頭飼いの場合は新入り猫の隔離検疫を徹底する
猫伝染性腹膜炎(FIP)
- **症状**: ウェットタイプ(腹水・胸水が溜まる)とドライタイプ(臓器に肉芽腫ができる)がある。発熱・食欲不振・体重減少・黄疸
- **原因**: 猫腸コロナウイルス(FCoV)が体内で変異してFIPウイルスとなる。多頭飼い環境やストレスが変異のリスクを高める
- **対処法**: 従来は「不治の病」とされてきたが、近年は**抗ウイルス薬(GS-441524等)**による治療の研究が進んでいる。獣医師と相談の上で最新の治療オプションを検討
- **予防策**: 猫腸コロナウイルスの感染を減らすために、トイレの清潔管理・多頭飼いでのストレス軽減が重要
尿路結石(尿石症)
- **症状**: 頻尿・血尿・排尿時の痛がり・トイレ以外での粗相・尿が出ない(尿道閉塞は緊急事態)
- **原因**: ストルバイト結石(アルカリ尿で形成)またはシュウ酸カルシウム結石(酸性尿で形成)。水分摂取不足・フード・体質が関与
- **対処法**: ストルバイトは療法食で溶解可能。シュウ酸カルシウムは外科手術が必要なことも。**尿道閉塞は24時間以内に致死的となるため緊急受診が必須**
- **予防策**: 十分な水分摂取(ウェットフードの併用・給水器の設置)、療法食による尿pH管理
慢性腎臓病(CKD)
- **症状**: 多飲多尿・食欲低下・体重減少・嘔吐・被毛の悪化・口臭。進行するにつれて貧血や痙攣も
- **原因**: 加齢による腎機能の低下が最も多い。15歳以上の猫の約30%が罹患。急性腎障害からの移行も
- **対処法**: 腎臓病用の療法食(低リン・低ナトリウム)、皮下補液、リン吸着剤、降圧剤。完治はしないが進行を遅らせることが可能
- **予防策**: **年に1〜2回の血液検査・尿検査**で早期発見。7歳以降は定期的な腎臓の数値チェックが推奨される
猫風邪(猫ヘルペスウイルス感染症)
- **症状**: 激しいくしゃみ・鼻水・涙目・結膜炎・発熱・食欲不振。重症化すると角膜潰瘍に進行
- **原因**: 猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)。一度感染すると体内に潜伏し、ストレスや免疫力低下時に再発する
- **対処法**: 抗ウイルス薬(ファムシクロビル)、抗生剤(二次感染予防)、点眼薬。鼻づまりで食事が取れない場合は温めたフードで匂いを立たせる
- **予防策**: 3種混合ワクチンの接種。ストレスの少ない環境づくり。詳しくは[猫のワクチンガイド](/column/cat-vaccination-guide)を参照
皮膚糸状菌症(真菌感染)
- **症状**: 円形の脱毛・フケ・かさぶた。かゆみは少ないことが多い。人にも感染する(人獣共通感染症)
- **原因**: ミクロスポルム・カニスなどの皮膚糸状菌。子猫や免疫力が低下した猫に多い。多頭飼い環境で蔓延しやすい
- **対処法**: 抗真菌薬(内服・外用)の長期投与(6〜8週間)。環境の徹底消毒(漂白剤希釈液)
- **予防策**: 新入り猫の隔離検疫とウッド灯検査。感染猫の使用物(ブラシ・ベッド等)の共有を避ける
甲状腺機能亢進症
- **症状**: 体重減少にもかかわらず食欲旺盛・多飲多尿・嘔吐・下痢・落ち着きのなさ・被毛の悪化・心拍数の増加
- **原因**: 甲状腺の良性腫瘍(腺腫様過形成)によるホルモンの過剰分泌。10歳以上の猫に多い
- **対処法**: 抗甲状腺薬(メチマゾール)の継続投与、ヨウ素制限食、外科手術(甲状腺摘出)、放射線治療
- **予防策**: 明確な予防法はないが、**10歳以降は年に1〜2回の血液検査**でT4値をチェックすることが早期発見につながる
日常の健康管理チェックリスト
猫の異変を早期に気づくために、以下を日常的にチェックしましょう。
- 食欲・飲水量: 急に食べなくなった・水を異常に飲む変化
- 排泄: トイレの回数・尿の量と色・便の状態
- 体重: 月1回は体重測定。500g以上の急な変動は要注意
- 被毛: 毛並みの悪化・過度なグルーミング・脱毛
- 行動: 隠れがちになる・活動量の急な変化・夜鳴き
- 口腔: 口臭・よだれ・食べ方の変化
## 緊急性の判断基準
以下の症状が見られた場合は、夜間・休日でも速やかに動物病院を受診してください。
- 尿が出ない:尿道閉塞の可能性。24時間以内に致死的になる
- 呼吸が荒い・口を開けて呼吸する:猫が口呼吸するのは危険なサイン
- 痙攣・意識消失:中毒・低血糖・てんかん等の可能性
- 大量の出血:外傷・内出血の可能性
- 24時間以上の完全絶食:肝リピドーシスのリスク(特に肥満猫)
- 体温が35℃以下または40.5℃以上:低体温症または重度の発熱
かかりつけ病院の休診日に対応できるよう、夜間救急対応の動物病院を事前にリストアップしておくことが重要です。
年齢別に注意すべき病気
| 年齢 | 注意すべき病気 |
|---|---|
| 子猫(〜1歳) | 猫風邪・皮膚糸状菌・猫パルボ・猫伝染性腹膜炎(FIP) |
| 成猫(1〜7歳) | 尿路結石・肥満関連疾患・歯周病・猫カリシウイルス |
| シニア猫(7歳〜) | 慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症・糖尿病・がん |
子猫期は免疫が未成熟なため感染症リスクが高く、シニア期は臓器の機能低下による慢性疾患が増加します。年齢に応じた定期健診のスケジュールを獣医師と相談しましょう。
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