パルダリウムの作り方入門|水辺と陸地を融合させた自然再現テラリウム
水中と陸上の両方の生態系を一つの水槽で再現するパルダリウムの作り方を解説。底面水槽の設計・陸地の造形・水草とコケの選び方・熱帯魚・カエル・トカゲとの複合飼育のポイントを初心者向けに紹介します。

この記事のポイント
水中と陸上の両方の生態系を一つの水槽で再現するパルダリウムの作り方を解説。底面水槽の設計・陸地の造形・水草とコケの選び方・熱帯魚・カエル・トカゲとの複合飼育のポイントを初心者向けに紹介します。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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見た目の美しさだけでなく、水中と陸上の生態系を同じ容器内で共存させる点が、通常のアクアリウムやテラリウムにはない特徴です。水質・湿度・光量のバランスを取る必要があるため、単体の水槽やケージより管理する変数が多く、立ち上げ前に完成イメージと生体構成をある程度固めておくと失敗が少なくなります。
パルダリウムは水面から上の空間(陸地・植物ゾーン)も重要なため、縦方向に空間がある水槽が向いています。
水位は水槽高さの1/3〜1/2程度が標準です。水深が浅すぎると熱帯魚が泳げず、深すぎると陸地ゾーンが狭まります。
水槽は直射日光が当たらない場所に置きます。日光が入るとガラス面や陸地にコケ・藻が大量発生しやすく、また水温・気温が急激に変わりやすくなるため生体への負担が大きくなります。水と土を合わせた総重量はかなりのものになるため、専用の水槽台など強度が十分な設置場所を選ぶことも欠かせません。窓際やエアコンの吹き出し口の近くも避け、温度と湿度が安定した場所に設置すると管理がしやすくなります。
最もポピュラーな造形方法です。
溶岩石や軽石をシリコンで接着して岩場を作ります。素材が自然のため安全性が高く、バクテリアの定着も良好です。
DIY不要で形が美しい石を積み上げるだけのシンプルな方法。初心者にもおすすめ。
造形に使うシリコンシーラントは、必ず水槽・アクアリウム専用として販売されている製品を選びます。浴室用・住宅設備用のシリコンには防カビ剤が添加されていることが多く、水中に溶け出すと生体に有害となるおそれがあるため使用を避けます。また接着後は製品の説明書に従って十分に硬化・乾燥させ、においが抜けたことを確認してから水を張るようにします。
陸地の土台には、軽石や発泡煉石(ハイドロボール)を敷いて排水層を作る方法もよく使われます。排水層と土や水苔の層の間に目の細かいメッシュや不織布を挟むことで、土が水中に流れ込んで水が濁るのを防ぎ、陸地部分の過湿も抑えられます。この一手間を加えることで、レイアウトの見た目を長くきれいに保ちやすくなります。
新しく導入する水草やコケは、貝の卵や薬剤が付着している場合があるため、植え込み前によく洗い流しておくと後のトラブルを減らせます。水中部分と陸地部分の植物を選ぶ際は、水際に自然な移行ゾーンができるよう、両方の環境に耐えられる種類を境目に配置すると全体のまとまりが良くなります。
生体を組み合わせる際は、捕食関係だけでなく、もともと生息していた気候帯や生活環境が近いかどうかも確認しておくと相性の良いレイアウトになります。乾燥に強い生体と多湿を好む生体を無理に同居させると、どちらかにとって負担の大きい環境になってしまいます。新しい生体はいきなり同じ水槽に入れず、体調や病気の有無を別容器で確認してから加える習慣をつけると、既存の生体への影響を抑えられます。
熱帯雨林を模した環境では湿度80〜90%が理想です。1日1〜2回のミスティング(霧吹き)か、自動ミストシステムを使います。過湿状態が続くとカビが発生するため換気も重要です。
水草と陸上植物の両方を育てるには光量が必要です。水槽用のフルスペクトルLEDを使い、10〜12時間/日が目安。UVB照明が必要な爬虫類を入れる場合は専用UVBランプを追加します。
小型スポンジフィルターや底面フィルターが水流が穏やかでパルダリウム向きです。週1〜2回、水量の20〜30%を換水します。陸地の泥や有機物が水中に流れ込みやすいため、定期的な底砂のプロホースがけが重要です。
ガラス面や陸地に藻やカビが見られたら早めに拭き取り、原因となっている光量や換気の状態を見直します。餌の食べ残しや枯れた葉はカビや水質悪化の原因になるため、こまめに取り除くことも欠かせません。生体の食欲や動き、皮膚・体表の様子を日々観察し、いつもと違う様子があれば早めに水質や温度を確認する習慣をつけておくと、トラブルの早期発見につながります。
パルダリウムは作るプロセス自体が創造的な楽しみです。小さな熱帯雨林を手元に持てるこのアクアリウム。素材選びから造形、植物の配置まで自分だけのオリジナル空間を作り上げてみてください。生き物の活き活きとした姿は従来の水槽とはまた違った魅力があります。