メインコンテンツへスキップリクガメの食事・栄養ガイド|正しい野菜・果物・サプリの与え方 | ブリちょく爬虫類| ✍️ ブリちょく編集部
リクガメの食事・栄養ガイド|正しい野菜・果物・サプリの与え方
ヘルマンリクガメ・ロシアリクガメ・ヒョウモンリクガメなど人気種のリクガメの正しい食事内容と栄養管理を解説。与えてよい野菜・果物・雑草、カルシウム・ビタミンD3サプリの使い方も紹介します。リクガメに適切な食事を与える重要性 リクガメ(Tortoises)は完全草食性の爬虫類で、自然界ではさまざまな野草・低木の葉・花…
この記事のポイント
ヘルマンリクガメ・ロシアリクガメ・ヒョウモンリクガメなど人気種のリクガメの正しい食事内容と栄養管理を解説。与えてよい野菜・果物・雑草、カルシウム・ビタミンD3サプリの使い方も紹介します。リクガメに適切な食事を与える重要性 リクガメ(Tortoises)は完全草食性の爬虫類で、自然界ではさまざまな野草・低木の葉・花…
リクガメに適切な食事を与える重要性
リクガメ(Tortoises)は完全草食性の爬虫類で、自然界ではさまざまな野草・低木の葉・花・サボテンなどを食べています。飼育下では食事の栄養バランスが長期的な健康に直結し、特にカルシウム不足は甲羅の変形(代謝性骨疾患・MBD)、後肢の麻痺、成長不良を引き起こします。リクガメは適切な環境と食事管理によって50年以上生きることもある長命な生き物です。だからこそ、日々の食事管理は飼育の中心に置かれるべきテーマです。
飼育している種の原産地と食性を理解することが、適切な食事管理の第一歩です。アフリカの乾燥サバンナ原産のヒョウモンリクガメと、地中海沿岸原産のヘルマンリクガメとでは、好む植物も必要な水分量も大きく異なります。本ガイドでは主要飼育種に共通する基本的な栄養管理を解説します。
✍️
ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
ブリちょくで爬虫類を探す
認証済みブリーダーから直接購入できます
関連する出品を見る
この記事に関連する爬虫類の出品をブリちょくで探してみましょう。認証済みブリーダーから直接購入できます。
主食:繊維質の多い野菜と野草
リクガメの主食は繊維質が豊富で、低タンパク・低糖質の植物が基本です。高タンパクな食事を続けると腎臓に負担がかかり、甲羅がピラミッド状に盛り上がる「ピラミッド症」の一因にもなります。
積極的に与えたい野菜・野草:
- 小松菜・チンゲン菜:カルシウムとビタミンKが豊富で、主食の柱として毎日与えられる優秀な食材です
- タンポポの葉と花:栄養バランスが非常に優れた野草。庭や公園で摘む場合は除草剤未使用の場所を選びましょう
- エンダイブ・エスカロール:苦味があり嗜好性も高く、繊維質も豊富です
- オオバコ・ハコベ・クローバー:在来の野草は最も自然に近い食材です。ベランダや室内プランターで育てると通年供給できます
- ケール・水菜:栄養価が高いですが、ゴイトロゲン(甲状腺阻害物質)を含むため週2〜3回に留めます
避けるべき・制限すべき食材:
- ほうれん草:シュウ酸が多く、カルシウムの吸収を著しく妨げます
- レタス類:水分が多く栄養価が低い。アイスバーグレタスは特に避けてください
- ネギ・ニンニク・ニラ:有毒成分を含み少量でも消化器に悪影響を及ぼします
- 豆類・穀物:タンパク過多になるため基本的に不要です
果物の与え方
果物は糖分が高いため、あくまで補助的な「おやつ」として少量にとどめます。主食全体の10%以下、週2回程度を上限とするのが安全な目安です。与えすぎると腸内フローラが乱れ、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。
与えてよい果物(少量):
- イチゴ・メロン・りんご(無農薬が望ましい)
- トマト(厳密には野菜ですが糖分に注意)
- パパイヤ(消化酵素が豊富で体に優しい)
避けるべき果物:
- ぶどう・レーズン:糖分と特定成分が腎臓に悪影響を与える可能性があります
- かんきつ類:酸味が強く消化器を刺激します
- アボカド:哺乳類・鳥類だけでなく爬虫類にも毒性があります
カルシウムとビタミンD3の補給
リクガメ飼育で最も見落とされがちで、かつ最も重要な管理項目がカルシウムとビタミンD3の補給です。この2つが不足すると代謝性骨疾患(MBD)が進行し、甲羅の変形・骨折・神経症状が現れます。
カルシウム補給:
炭酸カルシウムパウダー(カトルボーン粉末または市販のリクガメ用カルシウム剤)を食事に振りかけます。週2〜3回が基本ですが、幼体・産卵前後のメスはほぼ毎日の添加を推奨します。いか甲(カトルボーン)を丸ごとケージ内に置いておくと、個体が自ら齧ってカルシウムを摂取する行動も見られます。
ビタミンD3補給:
ビタミンD3はカルシウムの腸管吸収を助ける必須ビタミンで、紫外線(UVB)を浴びることで皮膚内で合成されます。屋外飼育や強力なUVBランプ(ReptiSun 10.0・Arcadia T5 12%など)を使用している場合、D3サプリは週1回程度で十分です。室内かつUVB不足の環境では週2〜3回に増やします。ただしD3は脂溶性ビタミンのため、過剰摂取は軟組織の石灰化を引き起こします。与えすぎには十分注意してください。
カルシウムとD3を同時に含む複合サプリも市場にあります。単体でそれぞれ管理する方が過不足を調整しやすいため、初心者には分離管理を推奨します。
水分補給と温浴
リクガメは食事と直接の水飲みから水分を補給します。清潔な浅い水皿(甲羅高の1/3以下)を常に設置してください。水は毎日交換し、糞や食べ残しで汚染されないよう管理します。
週1〜2回の温浴を行うと排泄が促進され、脱水防止にも有効です。
- 水温:35〜37℃のぬるま湯(人肌程度)
- 深さ:甲羅高の1/3〜1/2(鼻を水面から出せる深さ)
- 時間:15〜20分
砂漠系の種でも温浴は有効で、特に冬季は温浴後に活動量が増し食欲も上がります。温浴後は必ず乾いた暖かい場所で体温を回復させてください。濡れたまま低温環境に置くと呼吸器疾患のリスクが高まります。
成長段階・季節による食事管理の調整
リクガメの食事ニーズは成長段階と季節によって変化します。
幼体(〜3歳頃):骨格・甲羅の形成期のため、カルシウムとD3の添加を成体より高頻度に行います。食事量が少なくても毎日与えることが望ましく、食べ残しは腐敗する前に取り除きます。
成体:安定した栄養管理が中心です。過食による肥満は生殖器脱出のリスクを高めるため、特にオス個体は食事量の調節が必要です。
冬季・半冬眠期:ヘルマンリクガメ・ロシアリクガメなど冬眠種は気温低下とともに食欲が落ちます。無理に食べさせると腸内で食物が腐敗することがあるため、冬眠移行期は絶食または最小限の給餌にとどめます。
夏季:高温期は代謝が上がり食欲も増します。水分含量の多い野草(タンポポ・ハコベ)を多めに取り入れ、脱水に注意してください。
適切な食事管理はリクガメの長寿に直結します。毎日の給餌を観察の機会として活用し、食欲の変化・糞の状態・甲羅の質感を日々チェックすることが、健康維持の最大の近道です。