日本で爬虫類を飼育する際に知っておくべき法規制を解説。特定動物の指定種、CITES(ワシントン条約)による輸入規制、動物愛護法の遵守事項を初心者向けにまとめました。
この記事のポイント
日本で爬虫類を飼育する際に知っておくべき法規制を解説。特定動物の指定種、CITES(ワシントン条約)による輸入規制、動物愛護法の遵守事項を初心者向けにまとめました。
# 爬虫類飼育の法規制ガイド|特定動物・CITES・動物愛護法の基礎知識
爬虫類は個性豊かな見た目と独特の生態で、近年ますます人気が高まっています。しかし、犬や猫と異なり、爬虫類の飼育には複数の法律・条約が複雑に絡み合っており、知識不足のまま購入すると法律違反になるケースも少なくありません。「知らなかった」では済まされない場合もあるため、お迎えを検討する前に必ず法規制の基礎を押さえておきましょう。本記事では、日本で爬虫類を飼育・購入する際に関係する主な法規制をわかりやすく解説します。
動物愛護管理法に基づく「特定動物」とは、人の生命・身体に危害を加えるおそれがあるとして政令で指定された動物のことです。爬虫類では以下の種などが指定されています。
2020年6月の動物愛護管理法改正により、特定動物を愛玩目的で新たに飼育することは原則禁止となりました。法改正前から都道府県知事の許可を受けて飼育していた個体については引き続き飼育できますが、現在は学術研究・展示目的に限り新規の飼育許可が認められています。
違反した場合は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。「珍しいから」「かっこいいから」という理由で手を出すのは厳禁です。環境省が公開している特定動物リストを事前に確認し、飼育したい種が該当していないかを必ずチェックしてください。
CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動物の過剰な国際取引から生態系を守ることを目的とした国際条約です。日本も締約国であり、対象種の取引には厳格なルールが設けられています。
CITESの附属書は3段階に分かれています。
日本国内でCITES対象種を購入する場合、国内繁殖個体(CB個体)であれば基本的に問題ありません。ただし、個体の合法的な入手経路を証明できる書類(入手経路を示す領収書や譲渡証明書など)は大切に保管しておくことを強くおすすめします。野生採取個体(WC個体)の密輸品が流通することもあるため、出自が不明な個体は購入しないことが原則です。
動物愛護管理法は、爬虫類を含むすべてのペット飼育者に適用される基本的な法律です。この法律のもと、飼い主には以下のような義務と責任が課されています。
適正な飼養環境の確保 動物の種類・習性・生態に応じた飼育環境を提供する義務があります。爬虫類は温度・湿度管理が不可欠であり、適切な設備なしに飼育することは適正飼養に反します。
逸走防止の徹底 ケージの施錠や管理の徹底が求められます。特に大型のヘビやトカゲは脱走事例が全国で報告されており、近隣住民への影響が大きいため、物理的な逸走防止対策は必須です。万が一脱走した場合は、速やかに自治体や警察に連絡してください。
終生飼養の原則 「飼育が大変になったから」「引っ越しで飼えなくなったから」といった理由で爬虫類を野外に遺棄することは犯罪です。1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。爬虫類は種によっては20年以上生きる長寿な生き物です。お迎え前に「最後まで責任を持って飼育できるか」を真剣に考えてください。
動物愛護管理法とは別に、自治体独自の条例で爬虫類の飼育を制限している場合があります。居住している市区町村によって規制内容が異なるため、飼育開始前に地域の動物愛護センターや保健所に確認することをおすすめします。
また、集合住宅では管理規約にペット飼育のルールが定められていることが多く、爬虫類が対象外とされているケースもあります。トラブルを避けるためにも、管理組合や大家さんへの事前確認は欠かせません。
さらに、爬虫類を繁殖させて販売・譲渡する場合は、第一種動物取扱業(販売)の登録が必要です。趣味の範囲に見えても、反復継続して有償で譲渡する行為は業登録の対象となる可能性があります。無登録での販売は法律違反となるため、繁殖・販売を検討している方は必ず事前に確認してください。
法規制が複雑な爬虫類だからこそ、信頼できる入手経路を選ぶことが最も重要です。ブリちょくに登録しているブリーダーは、第一種動物取扱業の登録を行った正規のブリーダーのみです。
購入時には、生体の正式な種名・亜種名、入手経路、必要に応じてCITES書類の有無を必ず確認し、受け取った書類は大切に保管しましょう。法律を守った購入は、爬虫類という生き物の保全にもつながる重要な行動です。正しい知識を持って、爬虫類との長い暮らしを安心してスタートさせてください。