爬虫類飼育の法規制ガイド|特定動物・CITES・動物愛護法の基礎知識
日本で爬虫類を飼育する際に知っておくべき法規制を解説。特定動物の指定種、CITES(ワシントン条約)による輸入規制、動物愛護法の遵守事項を初心者向けにまとめました。爬虫類は個性豊かな見た目と独特の生態で、近年ますます人気が高まっています。

この記事のポイント
日本で爬虫類を飼育する際に知っておくべき法規制を解説。特定動物の指定種、CITES(ワシントン条約)による輸入規制、動物愛護法の遵守事項を初心者向けにまとめました。爬虫類は個性豊かな見た目と独特の生態で、近年ますます人気が高まっています。
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爬虫類は個性豊かな見た目と独特の生態で、近年ますます人気が高まっています。しかし、犬や猫と異なり、爬虫類の飼育には複数の法律・条約が複雑に絡み合っており、知識不足のまま購入すると法律違反になるケースも少なくありません。「知らなかった」では済まされない場合もあるため、お迎えを検討する前に必ず法規制の基礎を押さえておきましょう。本記事では、2026年時点で日本で爬虫類を飼育・購入する際に関係する主な法規制をわかりやすく解説します。
特定動物制度|愛玩飼育が禁止された危険な種
動物愛護管理法に基づく「特定動物」とは、人の生命・身体に危害を加えるおそれがあるとして政令で指定された動物のことです。爬虫類では以下の種などが指定されています。
- ワニ目全種(イリエワニ、ナイルワニなど)
- ボア科・ニシキヘビ科の大型種(アミメニシキヘビ、アフリカニシキヘビなど)
- ドクトカゲ科全種(メキシコドクトカゲなど)
- コモドオオトカゲ
2020年6月の動物愛護管理法改正により、特定動物を愛玩目的で新たに飼育することは原則禁止となりました。法改正前から都道府県知事の許可を受けて飼育していた個体については引き続き飼育できますが、現在は学術研究・展示目的に限り新規の飼育許可が認められています。
違反した場合は6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。「珍しいから」「かっこいいから」という理由で手を出すのは厳禁です。環境省が公開している特定動物リストを事前に確認し、飼育したい種が該当していないかを必ずチェックしてください。
CITES(ワシントン条約)|国際取引が規制される種を知る
CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動物の過剰な国際取引から生態系を守ることを目的とした国際条約です。日本も締約国であり、対象種の取引には厳格なルールが設けられています。
CITESの附属書は3段階に分かれています。
附属書Ⅰ(商業目的の国際取引は原則禁止)
絶滅の危機に瀕している種が掲載されています。ガラパゴスリクイグアナ、インドニシキヘビなどが該当し、商業目的での輸出入は認められていません。
附属書Ⅱ(輸出国の許可証があれば取引可能)
現在は絶滅の危機にないが、規制なしに取引されると危機的状況になりうる種が掲載されています。ボールパイソン、多くのカメレオン類、リクガメの多くが該当します。輸出国の管理機関が発行する許可証が必要です。
附属書Ⅲ(特定の国が保護を求めている種)
締約国が自国内での保護を目的として登録した種です。貿易の際には原産国証明書などが必要になります。
日本国内でCITES対象種を購入する場合、国内繁殖個体(CB個体)であれば基本的に問題ありません(ただし附属書Ⅰの種は、国内繁殖個体でも種の保存法にもとづく登録を受け、登録票とともにでなければ譲渡し等ができません)。ただし、個体の合法的な入手経路を証明できる書類(入手経路を示す領収書や譲渡証明書など)は大切に保管しておくことを強くおすすめします。野生採取個体(WC個体)の密輸品が流通することもあるため、出自が不明な個体は購入しないことが原則です。ミドリガメ(アカミミガメ)のように輸入規制と国内飼育規制の両方が絡む種もあるため、購入前に個別の規制内容を確認しましょう(ミドリガメ(アカミミガメ)の飼育ガイド|法律・水槽環境・冬眠管理の完全解説)。
動物愛護管理法|すべての飼い主に課される責任
動物愛護管理法は、爬虫類を含むすべてのペット飼育者に適用される基本的な法律です。この法律のもと、飼い主には以下のような義務と責任が課されています。
適正な飼養環境の確保 動物の種類・習性・生態に応じた飼育環境を提供する義務があります。爬虫類は温度・湿度管理が不可欠であり、適切な設備なしに飼育することは適正飼養に反します。
逸走防止の徹底 ケージの施錠や管理の徹底が求められます。特に大型のヘビやトカゲは脱走事例が全国で報告されており、近隣住民への影響が大きいため、物理的な逸走防止対策は必須です。万が一脱走した場合は、速やかに自治体や警察に連絡してください。
終生飼養の原則 「飼育が大変になったから」「引っ越しで飼えなくなったから」といった理由で爬虫類を野外に遺棄することは犯罪です。1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。爬虫類は種によっては20年以上生きる長寿な生き物です。お迎え前に「最後まで責任を持って飼育できるか」を真剣に考えてください。
自治体の条例・業登録|地域ルールと販売規制
動物愛護管理法とは別に、自治体独自の条例で爬虫類の飼育を制限している場合があります。居住している市区町村によって規制内容が異なるため、飼育開始前に地域の動物愛護センターや保健所に確認することをおすすめします。
また、集合住宅では管理規約にペット飼育のルールが定められていることが多く、爬虫類が対象外とされているケースもあります。トラブルを避けるためにも、管理組合や大家さんへの事前確認は欠かせません。
さらに、爬虫類を繁殖させて販売・譲渡する場合は、第一種動物取扱業(販売)の登録が必要です。趣味の範囲に見えても、反復継続して有償で譲渡する行為は業登録の対象となる可能性があります。無登録での販売は法律違反となるため、繁殖・販売を検討している方は必ず事前に確認してください。登録の具体的な要件や申請手続きは爬虫類ブリーダーのための動物取扱業登録ガイド|第一種登録の申請・要件・実務にまとめています。
ブリちょくの安心・安全な仕組み
法規制が複雑な爬虫類だからこそ、信頼できる入手経路を選ぶことが最も重要です。ブリちょくでは、出品するブリーダーは登録時に運営の審査を受け、動物取扱業の対象となるカテゴリでは第一種動物取扱業の登録証・登録番号・有効期限を確認しています。
- 国内繁殖個体(CB個体)かどうかを、購入前にブリーダーへ直接確認できる
- 個体の出自・血統や入手経路の書類の有無をブリーダーに問い合わせられる(内容はブリちょくが保証するものではないため、書類の現物で確認する)
- ブリーダーと直接やり取りできるため、飼育上の疑問や不安を購入前後に相談できる
- 出自が不明な個体は、購入前のやり取りで入手経路を確かめてから判断できる
購入時には、生体の正式な種名・亜種名、入手経路、CITES附属書Ⅰの種であれば登録票の有無を必ず確認し、受け取った書類は大切に保管しましょう。法律を守った購入は、爬虫類という生き物の保全にもつながる重要な行動です。正しい知識を持って、爬虫類との長い暮らしを安心してスタートさせてください。
