マンダリンフィッシュの飼育ガイド|餌付けと自然発生コペポーダの維持
マンダリンフィッシュの飼育で、90cm以上の水槽・立ち上げ6ヶ月以上というコペポーダ維持の条件と、冷凍ブラインシュリンプから人工飼料へ移す餌付け3段階、餌付き済み個体の購入、水温24〜26℃の水質目安を紹介します。

この記事のポイント
マンダリンフィッシュの飼育で、90cm以上の水槽・立ち上げ6ヶ月以上というコペポーダ維持の条件と、冷凍ブラインシュリンプから人工飼料へ移す餌付け3段階、餌付き済み個体の購入、水温24〜26℃の水質目安を紹介します。
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マンダリンフィッシュとは?その魅力と飼育の難しさ
マンダリンフィッシュ(学名:Synchiropus splendidus)、和名ニシキテグリは、サンゴ礁に生息する魚の中でも随一の美しさを誇る種です。青・緑・オレンジ・赤が複雑に絡み合ったサイケデリックな体色は、まさに「泳ぐ芸術品」と称されるほど。水族館でも人気が高く、海水魚飼育に憧れるアクアリストの多くが一度は飼育を夢見る存在です。
しかし、その美しさとは裏腹に、マンダリンフィッシュは海水魚の中でも飼育難易度が特に高い種として知られています。最大の理由は極めて偏食であること。自然界では主にコペポーダ(橈脚類)やアンフィポッド(端脚類)といった微小甲殻類を常時チョコチョコと捕食しており、人工飼料をほとんど受け付けない個体が多いのです。また、体表に鱗がなく粘液で覆われているため病気への抵抗力があるとされる反面、物理的な傷に弱いという側面もあります。
飼育を成功させるには「餌の問題を解決すること」がすべての出発点。本記事では2026年時点の飼育知見をもとに、その具体的な方法を詳しく解説します。
コペポーダを自然発生・維持させる環境づくり
マンダリンフィッシュの飼育で最初に取り組むべきは、水槽内でコペポーダが自然発生・増殖できる環境を整えることです。餌を「供給する」という考え方ではなく、「水槽内で生態系を回す」という発想が重要になります。培養の具体的な手順はワムシ・コペポーダ培養ガイドでも詳しく紹介しています。
リフジウムの設置
リフジウムとは、メイン水槽やサンプ内に設ける「隔離区画」のことです。ここにケールモルファ(Chaetomorpha)などの海藻を繁茂させることで、コペポーダが安心して繁殖できる場所を確保します。メイン水槽には捕食者がいるため、リフジウムで増えた成体・幼体がオーバーフローなどを通じて自然にメイン水槽へ供給される仕組みです。
- リフジウムの照明は逆光周期(メイン水槽が消灯中に点灯)にするとpH安定にも寄与する
- 海藻は定期的に間引き、栄養塩の蓄積を防ぐ
- 容積はサンプ全体の20〜30%程度を目安に
ライブロックの充実
多孔質なライブロックはコペポーダをはじめとする微生物の住処として機能します。表面積が大きいほど定着できる生物の数も増えるため、水槽容量に対して十分な量(目安:1Lあたり0.1〜0.15kg程度)を配置しましょう。購入直後のライブロックよりも、数ヶ月以上熟成されたものほど生物相が豊かです。


