犬の生体輸送・検疫ガイド|ブリーダーから安全に迎えるための完全手順
犬をブリーダーや遠方から迎える際の輸送方法、検疫手順、法規制を詳しく解説。航空輸送・陸路輸送の違いや到着後の健康確認のポイントを紹介します。犬を遠方のブリーダーから迎える場合や、海外からの輸入を検討している場合、生体の安全な輸送と検疫は避けて通れない重要テーマです。

この記事のポイント
犬をブリーダーや遠方から迎える際の輸送方法、検疫手順、法規制を詳しく解説。航空輸送・陸路輸送の違いや到着後の健康確認のポイントを紹介します。犬を遠方のブリーダーから迎える場合や、海外からの輸入を検討している場合、生体の安全な輸送と検疫は避けて通れない重要テーマです。
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犬を遠方のブリーダーから迎える場合や、海外からの輸入を検討している場合、生体の安全な輸送と検疫は避けて通れない重要テーマです。適切な手順を踏まずに輸送すると、犬へのストレスが大きくなるだけでなく、病気の持ち込みリスクも高まります。本記事では、国内・国際を問わず、犬の輸送と検疫に関する基礎知識を丁寧に解説します。
国内輸送の基本知識
国内でブリーダーから犬を迎える前に、まず法律上の前提を押さえておきましょう。動物取扱業の登録を受けたブリーダー(第一種動物取扱業者)が犬を販売する時は、あらかじめ事業所で購入者に犬を直接見せ(現物確認)、対面で書面などを使って飼い方や健康状態などを説明(対面説明)しなければなりません(動物愛護管理法 第21条の4)。インターネット上だけで売買を成立させることはできないため、遠方のブリーダーから迎える場合でも、購入前に事業所を訪ねる必要があります。
そのうえで、犬を迎える際の輸送方法は大きく3つあります。
直接引き取り(対面受け渡し)は最も理想的な方法です。ブリーダーの施設を直接訪問し、現物確認と対面説明を受け、飼育環境や親犬の様子を確認した上で子犬を連れ帰ることができます。輸送ストレスが最小限に抑えられ、ブリーダーから直接飼育上の注意点を聞くことができます。
航空機による輸送は遠距離の場合によく利用されます。日本の主要航空会社では、一定の条件を満たした犬を手荷物または貨物として輸送するサービスを提供しています。輸送には専用のクレートが必要で、サイズや素材について各航空会社の規定に従う必要があります。短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)は呼吸器系のリスクが高いため、一部の航空会社では輸送を制限または禁止していますので事前確認が必須です。
動物の輸送を扱う業者による輸送も選択肢です。なお、宅配便では犬を送れません。ヤマト運輸・佐川急便は犬・ネコ・小鳥などのペット類を引き受けておらず、日本郵便のゆうパックも哺乳類・鳥類・爬虫類を送れない物としています。陸路で運ぶ場合は、ペットなど動物の輸送を専門に扱う業者を選び、温度管理や移動時間など、輸送業者の実績や設備を事前によく確認してください。
輸送前の準備チェックリスト
安全な輸送のために、出発前に以下の準備を整えましょう。
健康診断書の取得:輸送前に獣医師による健康診断を受け、健康証明書を発行してもらいます。これは輸送業者から求められることも多く、犬の健康状態を客観的に証明する重要な書類です。
ワクチン接種記録の確認:犬ジステンパー・パルボウイルスなどのワクチン接種記録を確認します。狂犬病の予防注射は狂犬病予防法で義務付けられており、生後91日以上の犬には毎年1回受けさせる必要があります。子犬は月齢によってまだ対象になっていないこともあるため、接種の有無と注射済証の有無をブリーダーに確認しておきましょう。
クレートへの慣らし:輸送用クレートに犬が慣れていないと、輸送中のストレスが著しく高まります。出発の1〜2週間前から日常的にクレートを使用し、安心できる場所として認識させておきましょう。
輸送前の絶食・絶水:乗り物酔いや嘔吐を防ぐため、輸送2〜4時間前からは食事を控えます。ただし、長距離の場合は脱水予防のため少量の水は与えるよう配慮します。
国際輸入の規制と手続き
海外から犬を輸入する場合は、日本の輸入検疫を受けなければなりません。根拠となる法律は狂犬病予防法と家畜伝染病予防法で、農林水産省の動物検疫所が狂犬病とレプトスピラ症について検査します。手続きの詳細は、動物検疫所の「犬、猫を輸入するには」のページで最新の情報を確認してください。
輸出国・地域によって手続きが異なる:動物検疫所が「指定地域」としている地域(アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム)から輸入する場合と、それ以外の国・地域から輸入する場合とで、必要な準備が大きく違います。指定地域以外からの場合は、マイクロチップの装着後に狂犬病予防注射を2回以上(1回目は生後91日齢以降)受け、農林水産大臣が指定する検査施設で狂犬病の抗体検査を受けたうえで、採血日から180日間以上待機してから日本に到着する必要があります。
マイクロチップによる個体識別:国際標準規格(ISO 11784・11785)に適合したマイクロチップの装着が必要です。2022年6月以降、日本国内でも犬猫の販売業者(販売のために繁殖する業者を含む)によるマイクロチップ装着が義務化されましたが、輸入犬でも必須となります。
事前届出:日本に到着する日の40日前までに、到着予定の空港・港を管轄する動物検疫所に輸入の届出をします。
輸出国政府機関発行の証明書:マイクロチップの番号や狂犬病予防の処置など、必要な事項が記載された輸出国政府機関発行の証明書が必要です。動物検疫所は、必要な事項を記載できる推奨様式を用意しています。
到着時の動物検疫所での検査:犬を輸入できる空港・港は限られています。到着後、動物検疫所で犬と証明書の検査を受けます。条件を満たしていれば短時間で終わりますが、不備がある場合は最長180日間の係留検査となり、輸入が認められないこともあります。
到着後の健康観察と検疫期間
輸送を経て犬が到着したら、しばらく慎重に健康状態を観察する「家庭内検疫期間」を設けることを強くお勧めします。
到着直後のチェック:体温・食欲・活動量・便の状態を確認します。輸送のストレスで一時的に元気がなくなることがありますが、24時間以上改善が見られない場合は獣医師に相談してください。
他のペットとの隔離:既に他の犬や猫がいる場合、新しく迎えた犬は少なくとも2週間は別の部屋で生活させます。潜伏期間中の感染症が他のペットに広がるリスクを防ぐためです。
獣医師による検診:到着後できるだけ早く(理想的には48時間以内)、かかりつけの獣医師に診てもらいます。大便・尿の検査(特に寄生虫の有無)、聴診・視診による全体的な健康確認を行います。
ケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)への注意:輸送後によく見られる呼吸器症状で、特に複数の犬が集まる環境(繁殖施設、ペットショップ)から来た場合に注意が必要です。咳・鼻水・目やにが見られたら速やかに受診してください。
ブリーダーとの連携で安全な輸送を
信頼できるブリーダーは、輸送前に必要な書類をすべて準備し、犬の健康状態について詳細な情報を提供してくれます。ブリーダーとのコミュニケーションを密にし、以下の点を事前に確認しましょう。
- 使用予定のクレートのサイズと規格
- 輸送直前の食事・水やりのタイミング
- 犬が慣れ親しんだ玩具やブランケット(臭いで安心感を与える)の同梱可否
- 緊急連絡先の交換
ブリちょくでは、全国のブリーダーと直接つながることができるため、見学・対面説明の日程や受け渡し条件、輸送方法についてブリーダーと直接相談することが可能です。購入前に、事業所で現物確認と対面説明を受ける段取りと輸送の詳細を十分に確認し、犬にとっても飼い主にとっても安心できるお迎えを実現しましょう。

