猫の下部尿路疾患(FLUTD)完全ガイド|膀胱炎・尿結石・尿閉塞の症状と治療・予防
猫の下部尿路疾患(膀胱炎・尿石症・尿道閉塞)の症状、診断方法、治療オプション(投薬・食事療法・尿管ステント)、および再発予防策を詳しく解説します。猫の下部尿路疾患(FLUTD)とは 猫の下部尿路疾患(Feline Lower Urinary Tract Disease, FLUTD)は膀胱…

この記事のポイント
猫の下部尿路疾患(膀胱炎・尿石症・尿道閉塞)の症状、診断方法、治療オプション(投薬・食事療法・尿管ステント)、および再発予防策を詳しく解説します。猫の下部尿路疾患(FLUTD)とは 猫の下部尿路疾患(Feline Lower Urinary Tract Disease, FLUTD)は膀胱…
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猫の下部尿路疾患(FLUTD)とは
猫の下部尿路疾患(Feline Lower Urinary Tract Disease, FLUTD)は膀胱・尿道に関わる複数の疾患の総称で、尿石症・特発性膀胱炎・細菌性膀胱炎・尿道閉塞などが含まれます。特に中年以上の去勢・避妊済みの室内飼い猫に多く、重症化すると生命に関わる尿道閉塞を招くため、早期対応が重要です。
FLUTDの主要な原因と症状
特発性膀胱炎(FIC:Feline Idiopathic Cystitis)
FLUTD全体の50〜60%を占める原因不明の膀胱炎。尿検査で異常がなく、細菌も検出されないが、膀胱に炎症がある状態です。
症状:
- 頻尿(1日15回以上)
- 排尿困難(尿が出にくい)
- 尿の違和感(外でしゃがんで何度も出そうとする)
- 血尿
- トイレの失敗・粗相
尿石症(尿結石・尿砂)
マグネシウム・カルシウム・リンが結晶化して結石を形成する疾患。ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が主要です。
症状:
- 頻尿
- 排尿時の痛み(鳴く・うめく)
- 血尿
- トイレの成功率低下
尿道閉塞(尿閉)
結石や粘液栓が尿道を完全に塞いでしまう状態。これは緊急事態です。
症状(急性):
尿閉が48時間以上続くと、尿毒症で死に至ることもあります。このような症状が見られたら即座に動物病院へ。
診断方法
尿検査
- 尿pH:ストルバイト結石は中性〜アルカリ性、シュウ酸カルシウムは酸性環境で形成
- 結晶の有無:顕微鏡観察で確認
- 細菌・WBC:細菌感染の有無を判定
画像検査
- 腹部レントゲン:多くの結石(特にストルバイト)は放射線透過性で視認可能
- 超音波検査:結石だけでなく膀胱壁の厚さ・炎症程度を評価
尿道圧測定(特発性膀胱炎の疑い時)
膀胱内の圧力を測定し、FICの診断支援に用いられることもあります。
治療オプション
特発性膀胱炎(FIC)の治療
1. 環境調整 ストレスが大きな要因となるため:
2. 食事療法
3. 薬物療法
- NSAIDs(非ステロイド抗炎症薬):痛みと炎症を軽減
- αリラックス薬:尿道の筋肉をリラックスさせ、排尿を容易に
尿石症の治療
ストルバイト結石:
- 療法食(K/d・c/d など)で結石を溶解させられることがあります(6〜12週間)
- 尿路感染があれば抗生物質
シュウ酸カルシウム結石:
- 療法食で予防できますが、既存の結石は溶解しません
- 外科摘出(膀胱切開)が必要
尿砂・粘液栓:
- 圧迫排尿(獣医師が膀胱を外から圧迫して排尿を促す)
- カテーテル挿入(尿道を通す)
尿道閉塞(緊急対応)
即時対応:
- カテーテル(尿管)の挿入と尿の排出
- 血液検査で腎機能・カリウム値を確認
- 静脈点滴で脱水・電解質異常を補正
その後の対応:
- 3〜5日間のカテーテル留置
- 抗生物質投与(感染予防)
- 尿路造影検査で結石位置を確認
- 必要に応じて外科摘出
新しい選択肢:
- 尿管ステント:結石が尿管にある場合、バイパスを作成
- SUB(皮下尿管バイパス):外科的に尿管を膀胱から皮膚に再ルーティング(重症例)
再発予防
FLUTDは再発率が高く(特にFIC:50〜60%)、長期管理が必要です。
食事管理
生活環境
定期検査
- 年1回の尿検査・画像検査
- 特に症状がなくても、予防的に結石の早期発見
猫種別の注意点
ペルシャ・ヒマラヤ:尿路結石が多い傾向。低マグネシウム食の早期開始を推奨。
ブリティッシュショートヘア・スコティッシュフォールド:FICのリスクが高い報告もあり、ストレス管理を重視。
まとめ
猫の下部尿路疾患は多因性で、原因特定と再発予防が長期管理の鍵です。特に尿道閉塞は命に関わるため、「頻尿」「排尿困難」「血尿」が見られたら躊躇なく動物病院に相談してください。食事・環境・定期検査の三本柱で、健康寿命の延伸が期待できます。


