タンニンや腐植酸を含む茶色い水「ブラックウォーター」を再現した水槽の作り方と、適した魚種・植物の管理方法を解説します。
この記事のポイント
タンニンや腐植酸を含む茶色い水「ブラックウォーター」を再現した水槽の作り方と、適した魚種・植物の管理方法を解説します。
「ブラックウォーター」とは、落ち葉やマングローブの根などから溶け出したタンニン・腐植酸(フミン酸)によって茶褐色に染まった水のことです。南米アマゾン川の支流やボルネオ・スマトラの低地森林の水域に見られ、pH3〜6の強酸性、硬度ほぼゼロの軟水という極端な水質が特徴です。ディスカス・アピストグラマ・ベタ・ラスボラなど人気の熱帯魚の多くがこのような環境に適応しており、ブラックウォーター水槽はこれらの魚の本来の美しさと繁殖行動を引き出す最善の方法として注目されています。
タンニン・腐植酸には以下の効果があるとされます。
ただし水が茶色いため視認性が下がり、コケが生えにくい一方で、植物の光合成に必要な光が届きにくくなるデメリットもあります。
ヤシャブシ(アルダーコーン)
最もポピュラーな素材の一つ。小粒の実(球果)を水に入れるだけで自然にタンニンが溶け出します。適度な黄褐色の着色と穏やかな酸性化が得られます。1リットルに対してヤシャブシ2〜3個が目安。
落ち葉(インドアーモンドリーフ / マジックリーフ)
インドアーモンド(モモタマナ)の乾燥葉が最もよく使われます。水に沈めると茶色い水が出て、2〜4週間かけて分解します。分解した葉はグッピーやベタなどの稚魚の微生物床にもなります。
その他に、カシワ・クヌギなどの国内広葉樹の落ち葉も使えます(農薬の心配のない山野から採集したもの)。
ピートモス
酸性化能力が高く、pH3〜4台まで下げることも可能です。フィルターにセットして水を通す使い方が一般的。強すぎる酸性化には注意が必要です。
流木
ウィローウッドやタイガーウッドなどの沈水用流木からも自然にタンニンが溶け出します。特に新しい流木はアク抜き(お湯で数回煮る)なしで直接入れると茶色い水が出ます。
ブラックウォーター水槽の水質目標(魚種によって調整):
日本の水道水は地域によってpH7〜8程度、GHも様々です。RO水(逆浸透膜水)を使うことで硬度ゼロのベースウォーターを作り、そこにミネラル剤(ブラックウォーター専用製品)とタンニン素材を組み合わせることが、理想の水質を安定させる最善策です。
南米系
アジア系
植物
光が弱くなるため、低光量でも育つ種が向きます。ウィローモス・ジャワモス、アヌビアス類、ミクロソリウム類が定番です。水草が育ちにくい分、流木・落ち葉・砂を使った自然なブラックウォーターレイアウトが人気です。
ブラックウォーター水槽は「換水量を少なく・頻度を低く」が基本です。大量換水はせっかく安定した弱酸性環境を崩してしまいます。週1回10〜15%の少量換水をRO水で行うのが理想です。
タンニン素材は数週間〜数ヶ月で効果が弱まるので、定期的に交換・追加します。落ち葉は分解するにつれて微生物の住処となり、それ自体が生きた環境の一部になります。完全な清潔さより「自然な汚れ」を許容する心持ちがブラックウォーター飼育のポイントです。