小動物は体が小さい分、体調の変化が急速に進行します。「おかしい」と感じたら早めに対処することが命を守るカギです。
ハムスターに多い病気
ウェットテイル(増殖性回腸炎)
**症状**:お尻周りがぐっしょり濡れている、下痢、食欲低下、ぐったりしている
**原因**:ストレスや細菌感染。特に幼いハムスターに多い
**対処**:すぐに獣医を受診。脱水が急速に進むため緊急性が高い。保温して移動する
腫瘍
**症状**:体にしこりや膨らみがある、急に体重が変わった
**原因**:高齢のハムスターに多い。良性・悪性どちらもある
**対処**:獣医で診察。手術可能な場合もある
皮膚病
**症状**:毛が抜ける、皮膚が赤い・かゆそう、フケが多い
**原因**:ニキビダニ、真菌(カビ)、アレルギー
**対処**:獣医で原因を特定し、投薬治療
うさぎに多い病気
不正咬合
**症状**:食欲低下、よだれが多い、顔が腫れる、食べ方が変
**原因**:歯の伸びすぎ・噛み合わせ不良。牧草不足が最大の原因
**対処**:獣医で歯のカット。予防には牧草(チモシー1番刈り)を主食にする
消化管うっ滞(毛球症)
**症状**:糞が小さくなる・出ない、食欲低下、お腹がゴロゴロ鳴る
**原因**:ストレス・運動不足・水分不足・繊維質不足
**対処**:**緊急性が高い**。6時間以上糞が出ない場合はすぐに獣医を受診。腹部マッサージ、水分補給を行いながら移動
斜頸
**症状**:首が傾く、まっすぐ歩けない、転倒する
**原因**:エンセファリトゾーン(寄生虫)、内耳炎
**対処**:すぐに獣医を受診。早期治療で回復する可能性がある
子宮疾患
**症状**:血尿、お腹の膨張、食欲低下
**原因**:未避妊のメスうさぎの80%以上が4歳以降に子宮疾患を発症するとされる
**対処**:避妊手術が最も効果的な予防法。獣医で診察
フェレットに多い病気
副腎疾患
**症状**:体の後半から毛が薄くなる、尾が禿げる、メスの外陰部腫大
**原因**:副腎の過形成または腫瘍。中高齢のフェレットに多い
**対処**:獣医でホルモン注射(リュープリン)または手術
インスリノーマ
**症状**:ぼんやりする、後ろ足のふらつき、よだれ、けいれん
**原因**:膵臓の腫瘍による低血糖
**対処**:応急処置としてハチミツを歯茎に少量塗る。すぐに獣医を受診
消化管異物
**症状**:嘔吐、食欲低下、糞が少ない・出ない
**原因**:ゴム製品・スポンジなどを誤飲
**対処**:すぐに獣医を受診。手術が必要になることが多い
日常の健康チェック
毎日の観察ポイントです。
- 食欲:いつもと同じ量を食べているか
- 糞の状態:大きさ・量・硬さに変化はないか
- 体重:週1回の体重測定で変動を把握
- 目・鼻:目ヤニ・鼻水がないか
- 被毛:毛並み・脱毛・フケの有無
- 活動量:いつもより動かない・元気がない
すぐに獣医を受診すべきサイン
- 6時間以上食べない(うさぎは特に危険)
- 下痢が止まらない
- 呼吸が荒い・口を開けて呼吸
- ぐったりして動かない
- けいれん
- 出血
- 腹部が異常に膨れている
## 毎日の健康チェックポイント
小動物は体調不良を隠す傾向が強いため、飼い主が日常的に健康状態を観察することが非常に重要です。
毎日チェックすべき項目
| チェック項目 | 正常 | 異常のサイン |
|---|---|---|
| 食欲 | 通常量を完食 | 残す・食べない(特にうさぎは12時間の絶食で危険) |
| 便 | 形があり色が正常 | 下痢・軟便・量の減少・血便 |
| 活動量 | 活発に動く | ぐったり・隅にうずくまる |
| 被毛 | ツヤがある | 毛並みの悪化・脱毛・フケ |
| 目 | 澄んでいる | 目やに・涙・腫れ |
| 鼻 | 乾いている(うさぎは湿っていてもOK) | 鼻水・くしゃみ |
| 歯 | 正常な長さ | 伸びすぎ・よだれ |
| 体重 | 安定 | 急激な増減 |
週1回の詳細チェック
- 体重測定(キッチンスケールで0.1g単位)
- 耳の中の確認(汚れ・赤み・臭い)
- 爪の長さの確認
- 肛門周辺の汚れ(下痢の兆候)
- 歯の長さと噛み合わせの確認
体重管理の重要性
小動物にとって体重の10%の変動は非常に大きな変化です。ハムスター(約40g)の場合、4gの変化は体重の10%に相当します。週1回の計測を記録し、急な変化があれば動物病院を受診しましょう。
小動物の応急処置キット
家庭に常備しておくと安心な応急処置グッズをまとめました。
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| デジタル体温計 | 体温測定(肛門式が正確) |
| キッチンスケール | 体重測定(0.1g単位) |
| シリンジ(針なし) | 強制給餌・投薬 |
| 経口補水液(動物用) | 脱水時の水分補給 |
| ガーゼ・脱脂綿 | 傷口の止血・保護 |
| 保温マット/カイロ | 低体温時の保温 |
| 小型キャリーケース | 緊急時の動物病院搬送用 |
| 動物病院の連絡先メモ | 通常時・夜間救急のリスト |
強制給餌の方法(うさぎ・モルモット)
うさぎやモルモットが12時間以上食べない場合は、消化管うっ滞のリスクがあるため強制給餌が必要になることがあります。市販の流動食(クリティカルケアなど)をぬるま湯で溶いてシリンジで少量ずつ口の横から入れます。ただし、必ず獣医師の指示を受けてから行ってください。
## よくある質問(FAQ)
Q. 小動物を診てくれる獣医はどう探しますか?
A. 「エキゾチックアニマル対応」を掲げている動物病院を探しましょう。お迎え前に対応病院を確認しておくことが大切です。
Q. ハムスターが頬袋に餌を詰めすぎているのは異常?
A. 正常な行動です。ただし頬袋が腫れたまま戻らない場合は頬袋脱の可能性があり、獣医の受診が必要です。
Q. うさぎが食べないのはどのくらい危険?
A. 非常に危険です。うさぎは12時間以上絶食すると肝リピドーシス(脂肪肝)のリスクがあります。早急に獣医を受診してください。
Q. フェレットのワクチンは必要ですか?
A. 犬ジステンパーのワクチンが推奨されています。フェレットにとってジステンパーは致死率が非常に高い病気です。