デグーの特徴、飼育環境の作り方、食事管理(糖質制限の重要性)、社会性を活かした飼い方、健康管理のポイントを解説します。
この記事のポイント
デグーの特徴、飼育環境の作り方、食事管理(糖質制限の重要性)、社会性を活かした飼い方、健康管理のポイントを解説します。
デグーはチリ原産の小型げっ歯類で、「アンデスの歌うネズミ」とも呼ばれる社会性の高い動物です。人によくなつき、多様な鳴き声でコミュニケーションを取る知的な一面が魅力で、近年日本でも人気が高まっています。しかし、糖質代謝に特殊な体質を持つため、食餌管理には特別な注意が必要です。本記事では、デグーとの充実した暮らしに必要な知識を網羅的に解説します。
デグーは体長12~20センチ、体重170~350グラム程度のげっ歯類です。寿命は適切な飼育下で5~8年、長寿な個体では10年近く生きることもあります。被毛の色は野生型のアグーチ(茶色)が基本ですが、ブルー、サンド、パイドなどのカラーバリエーションも存在します。
最大の魅力は、その社会性とコミュニケーション能力です。デグーは15種類以上の異なる鳴き声を使い分けると言われ、嬉しい時、怒った時、警戒した時、仲間を呼ぶ時でそれぞれ異なる声を出します。飼い主の声や足音を覚え、近づくと鳴いて歓迎する姿はとても愛らしいものです。
昼行性であることも飼いやすさの大きなポイントです。ハムスターやフクロモモンガと異なり、人間と同じ昼間に活動するため、生活リズムが合わせやすいです。知能が高くトレーニングにも応答し、名前を呼ぶと近寄ってきたり、簡単な芸を覚えたりする個体もいます。
デグーは活発に動き回る動物のため、広めのケージが必要です。最低でも幅60×奥行45×高さ60センチ以上を確保しましょう。高さのあるケージを選び、ステージ(棚板)やはしごを設置して立体的な活動空間を作ります。金網製のケージが一般的ですが、デグーは噛む力が強いため、ステンレス製の頑丈なものを選んでください。
床材はウッドチップ(広葉樹のもの)や紙製の敷材が適しています。針葉樹(杉やヒノキ)のチップはフェノール成分が呼吸器に悪影響を与えるため避けましょう。砂浴び用の容器とデグー用の砂(チンチラ用の砂も使用可能)は必須です。デグーは水浴びをしない代わりに砂浴びで被毛を清潔に保ちます。毎日砂浴びの時間を設けてあげましょう。
回し車は必需品です。直径30センチ以上の安全設計のものを選びましょう。尻尾が巻き込まれない構造のものが重要です。デグーの尻尾は非常にデリケートで、強く引っ張ると皮膚が剥離する「デグロービング」が起こるため、尻尾を掴むことは絶対に避けてください。かじり木も必須です。デグーの歯は生涯伸び続けるため、硬い木をかじることで歯の過長を防ぎます。
デグーの食事管理で最も重要なのは、糖質の制限です。デグーはインスリンの分泌量が少なく、糖質を効率的に代謝できない体質を持っています。糖質の多い食事を続けると糖尿病を発症し、白内障、臓器障害、最悪の場合死に至ります。
主食はチモシー(牧草)を無制限に与えます。チモシーは繊維質が豊富で糖質が低く、デグーの消化管と歯の健康を維持するのに理想的です。ペレットはデグー専用のものを1日に体重の5%程度与えます。ハムスター用やウサギ用のペレットには糖分や穀類が含まれていることが多いため、必ずデグー用を使用してください。
果物はほとんどのものが糖質が高すぎるため、基本的に与えません。にんじんやさつまいもも糖質が高いため避けましょう。与えられる野菜としては、小松菜、チンゲンサイ、ブロッコリー、パセリ、セロリの葉などがあります。おやつは乾燥ハーブ(タンポポの葉、オオバコ)やローズヒップがおすすめです。ひまわりの種やナッツ類は脂肪が多いため、ごくまれに少量だけにしましょう。
デグーは群れで生活する動物のため、可能であれば複数飼育が望ましいです。単頭飼育の場合は飼い主が十分な社会的交流を提供する必要がありますが、仕事などで長時間留守にする場合は2匹以上での飼育を強くおすすめします。
多頭飼育を始める場合、同性のペアが最も管理しやすいです。オス同士は成熟すると縄張り争いが起きる可能性がありますが、幼い頃から一緒に育った兄弟であれば比較的安定します。異性ペアは繁殖力が高いため、不用意な繁殖を防ぐために避妊・去勢を検討するか、同性同士にしましょう。
新しいデグーを迎える際は、いきなり同じケージに入れるのは危険です。まず別々のケージを隣に置き、においと声で互いの存在に慣れさせます。1~2週間後にケージ越しの交流が穏やかであれば、中立的な場所(どちらの縄張りでもない場所)で初対面させます。喧嘩が起きたらすぐに引き離し、日数をおいて再挑戦します。
## デグーの社会性と多頭飼い
デグーは野生では群れで生活する非常に社会的な動物です。単独飼育では深刻な精神的ストレスを受けることが知られています。
## 健康管理と注意すべき病気
デグーの健康管理は毎日の観察が基本です。活動量、食欲、糞の状態、被毛の艶を日常的にチェックしましょう。体重は週に1回計測し、急激な増減がないか確認します。
最も注意すべき病気は糖尿病です。初期症状として多飲多尿(水を大量に飲み、尿量が増える)が見られます。進行すると白内障を発症し、目が白く濁ります。糖尿病は食事管理で予防できるため、日頃の食餌管理が最大の予防策です。歯の過長(不正咬合)も多い疾患で、牧草を十分に食べないと歯が伸びすぎてしまいます。よだれが増えた、食欲が落ちた場合は歯の問題を疑いましょう。
皮膚の問題として、真菌症(カビによる皮膚疾患)が発生することがあります。円形の脱毛やフケが見られたら早めに動物病院を受診してください。尾の怪我(デグロービング)は取り返しがつかないため、尻尾を掴まない、ケージの隙間に尻尾が挟まらないよう注意することが最も重要な予防策です。
ブリちょくでは、デグーの繁殖と飼育に経験豊富なブリーダーから直接お迎えすることができます。ブリーダーは親個体の健康状態を把握しており、糖尿病の家族歴がない健康な血統の個体を選ぶことが可能です。食事の好みや性格についても事前にアドバイスをもらえるため、初めてのデグー飼育でも安心してスタートできます。