猫の血統書・品種登録完全ガイド|TICA・CFA・JCFへの登録手順と管理のポイント
責任あるブリーダーに必須の血統書発行・品種登録の手順を解説。TICA・CFA・JCFの特徴と選び方、子猫登録の流れ、血統管理ソフトの活用法を紹介します。血統書はなぜ必要か——ブリーダーの責任と信頼の証 猫の血統書(ペディグリー)は、単なる「証明書」ではありません。

この記事のポイント
責任あるブリーダーに必須の血統書発行・品種登録の手順を解説。TICA・CFA・JCFの特徴と選び方、子猫登録の流れ、血統管理ソフトの活用法を紹介します。血統書はなぜ必要か——ブリーダーの責任と信頼の証 猫の血統書(ペディグリー)は、単なる「証明書」ではありません。
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血統書はなぜ必要か——ブリーダーの責任と信頼の証
猫の血統書(ペディグリー)は、単なる「証明書」ではありません。それは、何代にもわたる繁殖の歴史・遺伝的背景・健康管理の記録を一枚に凝縮したドキュメントです。ブリーダー直販プラットフォームで子猫を販売する場合、血統書の有無は購入者の信頼に直結します。本記事では、日本国内外の主要登録団体の特徴から登録手順、日常的な血統管理まで、実践的に解説します。
主要な猫の品種登録団体
TICA(国際猫協会)
TICAは世界最大の猫の登録団体であり、70以上の品種を認定しています。本部はアメリカ(テキサス州)ですが、日本国内にも多くのTICA登録ブリーダーが存在します。
TICAの特徴
- オンライン登録システムが充実しており、日本からも手続きが可能
- 新品種の認定に積極的(例:ラパーム、スコティッシュストレートなど)
- スコティッシュフォールドを含む一部の品種については骨格健康に関するポリシーを定めている
- 英語対応が基本だが、日本語対応の代理サービスを提供するブリーダー団体もある
CFA(キャット・ファンシアーズ・アソシエーション)
CFAはアメリカで歴史の長い猫の登録団体の一つ(1906年設立)。伝統的な品種の純血管理に厳格なことで知られます。
CFAの特徴
- 認定品種は45種(TICAより少ないが基準が厳格)
- スコティッシュフォールドも認定している(短毛は1978年、長毛は1992年にチャンピオンシップ認定)
- 日本語サポートは限定的、英語での手続きが原則
- ショー志向のブリーダーに好まれる
JCF
JCFは日本を拠点とする登録団体です。
JCFの特徴
- 日本語での手続きが可能
- 国内のキャットショーへの参加資格が得られる
- 国内ブリーダーにとって手続きのハードルが低い
その他の団体
| 団体名 | 特徴 |
|---|---|
| ACFA(American Cat Fanciers Association) | アメリカ系、TICAとCFAの中間的な位置づけ |
| WCF(World Cat Federation) | ドイツ系、欧州での認知度が高い |
| CCA(Canadian Cat Association) | カナダ拠点 |
TICA登録の実務手順(日本ブリーダー向け)
前提条件
- ブリーダーのTICAメンバー登録
- TICAのウェブサイト(tica.org)からメンバーシップを申請
- 年会費は個人メンバーで約$35〜$50(年によって変動)
- 「Cattery Name(キャッタリー名)」を登録することも可能(追加費用)
- 親猫のTICA登録
- 子猫を血統書付きで登録するためには、父猫・母猫の両方がTICAに登録されている必要がある
- 未登録の親猫から産まれた子猫は、通常の血統登録ができないか、制限付きの登録となる場合がある
子猫の登録ステップ
Step 1: 出生届の提出(Litter Registration)
- 出産後30日以内に「Litter Registration」を行う
- 必要情報: 母猫ID・父猫ID・出生日・子猫の頭数・性別・毛色
Step 2: 個体登録(Individual Registration)
- 各子猫の名前・生年月日・毛色・性別を登録
- キャッタリー名を持つブリーダーは「キャッタリー名+子猫名」を正式名称として登録
- 登録費用: 1頭あたり$10〜$25程度(会員種別により異なる)
Step 3: 血統書の発行
- 登録完了後、PDFまたは郵送で血統書が発行される
- 血統書には3〜5代前の祖先が記載される
引き渡し時の対応
- 購入者への所有権移転手続きは「Transfer」として行う
- 繁殖不可の制限をかける場合は、その旨を登録時に指定する(名称・手続きは団体の規定を確認)
- 繁殖権を含む登録を引き渡す場合は「Full Registration」となり、子猫から産まれる将来の子猫も登録可能になる
JCF登録の実務手順
メンバー登録
JCFのウェブサイトまたは加盟クラブを通じて会員登録を行います。地域ごとにクラブが存在し、クラブを通じた登録が一般的です。
繁殖申請と登録
- 種付申請: 交配前に種付申請を行う(相手の登録証番号が必要)
- 出生届: 出産後に子猫の出生届を提出
- 個体登録: 生後8週以降、健康確認後に個体登録
- 血統書発行: 登録完了後に血統書が発行(通常数週間〜1ヶ月程度)
血統管理ソフト・ツールの活用
PawPeds(pawpeds.com)
スウェーデン発の猫血統データベース。多くの品種の血統情報が無料で参照でき、近親交配係数(COI: Coefficient of Inbreeding)の計算も可能です。
活用方法
- 交配候補の種オス・メスのCOI事前計算
- 品種内の血統多様性の確認
- 遺伝性疾患キャリア情報の参照
Breeding Manager ソフト(各種)
- 血統管理専用ソフト: 血統管理・子猫追跡に特化(販売・サポートを終了した製品もあるため、提供状況を確認して選ぶ)
- Excel/スプレッドシート: シンプルな記録管理に有効(交配日・出産日・子猫データ・顧客情報)
血統書管理のベストプラクティス
ブリーダーが保管すべき記録
- 親猫の登録証コピー
- 交配記録(交配日・種オスのオーナー情報)
- 出産記録(出生日・頭数・体重・性別)
- ワクチン接種記録
- 遺伝性疾患スクリーニング結果(HCM・PKD等)
- 引き渡し時の契約書コピー
購入者への説明義務
責任あるブリーダーは購入者に対して以下を明示することが求められます。
- 血統書の有無と取得方法(発行済みか申請中か)
- 繁殖権の有無(繁殖可/繁殖不可)
- 親猫の遺伝性疾患スクリーニング結果
- 引き渡し後の血統書移転手続き方法
まとめ
猫の血統書・品種登録は、ブリーダーとしての信頼性を高め、子猫の価値を正当に証明するための重要な業務です。TICA・CFA・JCFそれぞれに特徴があるため、繁殖する品種・販売する市場・言語対応の利便性を考慮して団体を選択しましょう。血統管理を適切に行うことは、健全な猫の繁殖文化を守ることにも直結します。ブリーダーとしての記録管理を怠らず、購入者との信頼関係を長期的に築くことを心がけてください。

