メインコンテンツへスキップブラッドパイソン(Python brongersmai)の飼育ガイド|鮮やかな赤い大蛇の飼い方 | ブリちょく爬虫類| ✍️ ブリちょく編集部
ブラッドパイソン(Python brongersmai)の飼育ガイド|鮮やかな赤い大蛇の飼い方
ブラッドパイソン(Python brongersmai)はスマトラ・マレー半島原産の中型ニシキヘビで、鮮血のような赤〜オレンジ色の体色が魅力です。かつては「気性が荒い」と言われましたが、CBE個体は扱いやすく人気上昇中。ケージ環境・温湿度管理・給餌・ハンドリングのコツまで徹底解説します。
この記事のポイント
ブラッドパイソン(Python brongersmai)はスマトラ・マレー半島原産の中型ニシキヘビで、鮮血のような赤〜オレンジ色の体色が魅力です。かつては「気性が荒い」と言われましたが、CBE個体は扱いやすく人気上昇中。ケージ環境・温湿度管理・給餌・ハンドリングのコツまで徹底解説します。
ブラッドパイソンとはどんなヘビか
ブラッドパイソン(Python brongersmai)はニシキヘビ科の中型種で、スマトラ島・マレー半島・タイ南部の低地熱帯雨林・河川周辺の湿地に生息します。英名は "Blood Python" ですが、これは鮮血を思わせる深い赤〜オレンジ色の体色に由来します。
かつてはワイルド(WC)個体が大量に輸入され、輸送ストレスと慣れない環境から攻撃的・神経質な個体が多く「気性が荒いヘビ」というイメージが定着しました。現在は高品質なCBE(人工繁殖)個体が流通しており、正しくハンドリングを行えば温和で扱いやすい個体も多くいます。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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| 項目 | 内容 |
|---|
| 学名 | Python brongersmai |
| 英名 | Blood Python, Red Blood Python |
| 原産地 | スマトラ島・マレー半島・タイ南部 |
| 体長 | オス 1.0〜1.5m / メス 1.5〜2.5m |
| 体重 | 3〜10kg(個体差あり) |
| 寿命 | 20〜30年 |
| 飼育難易度 | 中〜上級者向け |
| CITES | 附属書Ⅱ(CBE個体は合法) |
ショートテールパイソン3種の比較
ブラッドパイソンを含む "ショートテールパイソン(Short-tailed Python)" グループには3種が含まれます。
| 種名 | 通称 | 体色 | 特徴 |
|---|
| Python brongersmai | ブラッドパイソン | 赤〜オレンジ | 最も鮮やかな赤色 |
| Python curtus | スマトラショートテール | 黒〜グレー | スリムな体型 |
| Python breitensteini | ボルネオショートテール | 褐色〜黒 | ボルネオ固有種 |
適切なケージと環境設定
ケージサイズ
ブラッドパイソンは活動性は高くないですが、体が太く重いため十分なスペースが必要です。
| 体長 | 推奨ケージ(最低ライン) |
|---|
| 幼体(60cm以下) | 45×30×30cm |
| 中体(60〜120cm) | 90×45×45cm |
| 成体(120cm以上) | 120×60×45cm(メスは150cm以上推奨) |
材質:プラスチック・ガラス製どちらでも可。高湿度を維持しやすい密閉型が向いている。
温度設定
| ゾーン | 温度 |
|---|
| ホットスポット(バスキング) | 32〜34℃ |
| ウォームサイド(平均) | 28〜30℃ |
| クールサイド | 24〜26℃ |
| 夜間全体 | 22〜26℃ |
- パネルヒーター(ケージ底面の1/3〜1/2に設置)が最も一般的
- 赤外線バルブ(Infrared Heat Bulb)も有効
- 空調(エアコン)で部屋全体の温度を25℃以上に保つのが基本
重要:低温(22℃以下)が続くと消化不良・免疫低下・呼吸器感染を引き起こします。特に幼体は低温に弱いため、温度管理を厳守してください。
湿度設定
| 状態 | 目標湿度 |
|---|
| 通常飼育 | 70〜80% |
| 脱皮前後 | 80〜90% |
- ケージ内に水入れ(大きめ)を設置して蒸発を利用
- 床材に「爬虫類用ヤシガラ・ジャングルミックス」等の保湿床材を5〜10cm敷く
- 一部分は湿らせた床材を置いた「ウェット側」に、もう一部分は乾燥した「ドライ側」を作ってグラジェントを設ける
床材の選択
| 床材 | 湿度保持 | 掃除のしやすさ | 推奨度 |
|---|
| 爬虫類用ヤシガラ(ハスクチップ) | 高い | 普通 | ◎ |
| ジャングルミックス(ソイル系) | 非常に高い | やや難 | ○ |
| キッチンペーパー(幼体) | 低い | 非常に簡単 | △(幼体のみ) |
| バーク(樹皮チップ) | 中程度 | 普通 | ○ |
ヤシガラは保湿性が高く、脱皮のサポートにも優れています。深めに(8〜10cm)敷くとヘビが潜ることができ、隠れ家になります。
給餌方法
エサの種類とサイズ
| ヘビの体重 | 推奨エサ | 頻度 |
|---|
| 幼体(〜500g) | ピンクマウス・ファジーマウス | 週1回 |
| 亜成体(500g〜2kg) | アダルトマウス・ホッパーラット | 7〜10日に1回 |
| 成体(2kg〜) | スモール〜Mラット | 10〜14日に1回 |
エサのサイズ選択:ヘビの体の一番太い部分(胴径)と同程度〜1.2倍のサイズが適切。大きすぎると吐き戻しの原因になります。
給餌の手順
- 冷凍エサを完全に解凍する(温水に浸けて中まで温める。常温解凍でも可)
- ケーン(トング・給餌ピンセット)を使ってエサを提示する
- ヘビが餌に反応したら静かにケージ前面から離れる
- 食後24〜48時間はハンドリング・刺激を与えない(吐き戻し防止)
ライブ(生き餌)は使用しない:生きたマウス・ラットはヘビを噛む・引っかくリスクがあります。冷凍解凍エサが安全で栄養面でも問題ありません。
ハンドリング(扱い方)
慣らし方
幼体期(購入直後):最初の1〜2週間は触らず、安定した給餌リズムを確立する
段階的な慣らし:
1. ケージを開ける際は蛇の体の腹側に手を近づける(頭側から近づかない)
2. 5〜10分の短時間から始め、徐々に延ばす
3. ヘビがリラックスして体を巻いてこない場合は無理に続けない
注意事項
- 給餌後48時間以内はハンドリング禁止(吐き戻し・ストレス)
- 脱皮前後(目が青みを帯びた状態)はハンドリング禁止
- ヘビが舌を頻繁に出して落ち着きがない場合は中断する
- 頭を先に持ち上げず、体の中央から持ち上げる
健康管理とよくある病気
日常チェックポイント
- 体重の変化(毎月測定。10%以上の減少は異常)
- 脱皮の状態(一体に剥けているか)
- 糞の状態(7〜14日ごとの排泄が正常。尿酸・色・形)
- 呼吸音(ゼーゼーした音は呼吸器感染の可能性)
かかりやすい病気
呼吸器感染(肺炎):低温・低湿度・ストレスが誘因。鼻から粘液が出る・口呼吸・ゼーゼーした呼吸音が症状。爬虫類専門獣医師による抗生剤治療が必要。
スティキースキン(Retained Shed):脱皮不全。湿度不足が主因。70〜80%以上の湿度管理と温浴で改善。特に眼の脱皮不全は視力障害につながるため注意。
マウスロット(口腐れ・Stomatitis):口腔内の細菌感染。口を常に開けている・粘液が多い場合は疑う。獣医師による処置が必要。
まとめ:鮮やかな色彩と長い付き合い
高湿度を維持できる飼育環境と週一の給餌ルーティンを確立できれば、あとは定期的な健康チェックを続けるだけです。鮮やかな赤い体色の成体に育てる楽しみを、ぜひ体験してみてください。