バラをスタンダード仕立て(木立ち型)で楽しむ方法を解説。仕立て方の基本、剪定、風対策、おすすめ品種を紹介します。
この記事のポイント
バラをスタンダード仕立て(木立ち型)で楽しむ方法を解説。仕立て方の基本、剪定、風対策、おすすめ品種を紹介します。
スタンダード仕立てのバラは、1本の真っ直ぐな台木の上部に品種を接ぎ木し、樹木のような一本立ちの姿に仕立てたバラです。英語ではツリーローズ(Tree Rose)とも呼ばれ、ヨーロッパの庭園では古くから親しまれてきた仕立て方です。目線の高さで花が咲くため観賞価値が高く、フォーマルガーデンのアクセントとしても、鉢植えで玄関先を飾る用途としても人気があります。
スタンダード仕立てのバラは、3つの部分で構成されています。最下部の根は通常のノイバラ台木、中間部の直立した幹は台木品種(多くの場合ノイバラの直立性の系統)、そして最上部に目的の品種が接がれています。つまり2段階の接ぎ木が行われているのが特徴です。
幹の高さによっていくつかの種類に分かれます。ハーフスタンダード(幹の高さ約60cm)はコンパクトで鉢植えに向いています。フルスタンダード(幹の高さ約90〜100cm)が最も一般的で、庭植えにも鉢植えにも適しています。ウィーピングスタンダード(幹の高さ約140cm以上)は枝垂れ性の品種を接いだもので、枝が傘のように垂れ下がる豪華な姿になります。
ウィーピングスタンダードにはつるバラの品種が接がれることが多く、枝が風になびく姿は格別の美しさです。ただし強風に弱いため、風当たりの弱い場所に植える必要があります。
スタンダード仕立てのバラは通常のバラ以上に支柱が重要です。幹が長いため風の影響を受けやすく、支柱なしでは強風で折れてしまう危険があります。植え付け時に、幹と同じ高さ以上の太い支柱を株の横に立て、2〜3カ所で結束してください。
結束には専用のバラ結束バンドか、8の字に結んだ麻紐を使います。幹と支柱を密着させすぎると風で揺れた時に幹が傷つくため、指1本分の余裕を持たせて結びます。結束部分には定期的にチェックし、幹が太くなって食い込んでいないか確認してください。
植え付け穴は直径・深さともに40cm以上を確保し、堆肥と元肥を混ぜ込んだ良質な土で植え付けます。接ぎ木部分(幹の最上部の膨らんだ部分)が埋まらないよう注意してください。鉢植えの場合は12号以上の大きく深い鉢を選びます。重心が高いため、鉢自体が重い素焼き鉢やコンクリート鉢が安定します。
スタンダード仕立ての剪定は、頭部を丸く均整のとれた形に整えることが目標です。冬の剪定は通常のバラと同じ1〜2月に行いますが、頭部を球形にまとめることを意識して切ります。
外向きの芽の上で切ることが基本ですが、スタンダード仕立てでは全方向に均等に枝が広がるよう配慮が必要です。上向きに伸びる枝は低めに切り、外向きの枝はやや長めに残すことで、自然な球形に近づけます。
内向きの枝や交差した枝は付け根から除去します。頭部の中心に空間を作ることで通気と日照が確保され、病気の予防にもつながります。枯れた枝や細すぎる枝も除去してください。
花後の花がら摘みも形を意識して行います。花がらを取る位置で次の枝が伸びる方向が決まるため、頭部の形が崩れないよう外向きの芽の上で切ることを習慣にしましょう。
スタンダード仕立ての最大の弱点は風です。特に台風シーズンは最大限の注意が必要です。台風が接近する前に、可能であれば鉢植えは屋内に取り込みます。地植えの場合は支柱の結束を再点検し、必要に応じて補助の支柱を追加してください。頭部の枝が長い場合は仮剪定で軽くしておくのも有効です。
冬越しでは接ぎ木部分の凍結対策が重要です。スタンダード仕立ては接ぎ木部分が地面から離れた高い位置にあるため、地植えのバラよりも寒気にさらされやすくなります。寒冷地では接ぎ木部分を不織布で巻いて保護してください。
鉢植えの場合は冬の乾燥した北風にさらされないよう、北風が当たらない場所に移動させます。鉢ごと発泡スチロール箱に入れて防寒するのも効果的です。
スタンダード仕立てに適した品種は、樹勢が中程度で四季咲き性が強く、花付きの良いものです。ハイブリッドティー系では大輪の花が高い位置で咲く姿が見事です。フロリバンダ系は花数が多く、頭部が花で覆われるような華やかさがあります。
ウィーピングスタンダードにはランブラー系のつるバラが最適です。細い枝が自然に垂れ下がり、春に小輪の花を滝のように咲かせる姿は圧巻です。四季咲きの小型つるバラを使えば、春から秋まで継続的に花を楽しめます。
ミニバラのスタンダード仕立ては、ハーフスタンダードの高さで仕立てると、テーブルや窓辺のアクセントに最適です。ミニバラは花付きが良く、こまめに花がら摘みをすれば次々と花が咲きます。
## バラ栽培の年間管理カレンダー
バラは季節ごとに異なる管理が必要な植物です。1年の流れを把握しておくことで、美しい花を確実に咲かせられます。
1〜2月(冬剪定期) 四季咲きバラの冬剪定の適期です。前年に伸びた枝を外芽の上で3分の1〜半分に切り戻します。この剪定で新しい元気な枝が伸び、大きく美しい花が咲きます。寒肥として有機質肥料を株元に施します。
3〜4月(成長開始期) 新芽が展開し始めます。アブラムシが発生しやすい時期なので、早期の防除が重要です。月1回程度の薬剤散布で病害虫の予防を始めましょう。
5〜6月(一番花の季節) バラが最も美しく咲き誇る季節です。花がら摘みを怠らず、次の開花に備えましょう。5枚葉の上でカットするのがポイントです。
7〜8月(暑さ対策期) 猛暑対策が必要な時期です。朝の水やりを十分に行い、株元にマルチングを施して地温の上昇を防ぎます。弱った花は早めに摘み取り、株の負担を軽減してください。
9〜10月(秋花の準備) 秋のバラを美しく咲かせるための夏剪定を8月下旬〜9月上旬に行います。秋花は気温が低いため花色が濃く、最も美しいと言われています。
11〜12月(冬支度) 落葉した葉を清掃し、黒星病の越冬源を取り除きます。寒冷地では株元への土寄せやマルチングで凍害を防ぎます。
失敗1:黒星病の放置 バラの最も一般的な病気です。雨のはね返りで感染するため、マルチングと定期的な薬剤散布で予防しましょう。
失敗2:肥料不足 バラは「肥料食い」と呼ばれるほど多くの肥料を必要とします。生育期は月2回程度の追肥が理想的です。 ## ブリちょくでスタンダード仕立てのバラを
ブリちょくでは、スタンダード仕立てに適した品種の苗を専門ブリーダーから直接購入できます。仕立て済みの完成品を手に入れることも、自分で仕立てる苗を選ぶこともできるでしょう。庭のフォーカルポイントとなるスタンダード仕立てのバラを、ブリちょくで探してみてください。