イングリッシュローズの歴史と特徴、人気品種の紹介、栽培のポイント、香りの楽しみ方を詳しく解説します。
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イングリッシュローズの歴史と特徴、人気品種の紹介、栽培のポイント、香りの楽しみ方を詳しく解説します。
イングリッシュローズは、オールドローズの花形と香りを持ちながら四季咲き性も備えた、現代バラの中でも特に人気の高いグループです。イギリスの育種家デビッド・オースチンが生み出したこの系統は、世界中のバラ愛好家を魅了し続けています。その魅力と栽培のポイントを解説します。
イングリッシュローズは1960年代にデビッド・オースチンがオールドローズとモダンローズの交配を始めたことから誕生しました。オールドローズのカップ咲きやロゼット咲きの優雅な花形と芳醇な香りを受け継ぎつつ、モダンローズの四季咲き性と多彩な花色を兼ね備えるという、それまでにない画期的なバラでした。
花形は品種によって多様ですが、共通するのは花弁が多くふんわりと丸みを帯びた形状です。カップ咲き、ロゼット咲き、シャローカップ咲きなど、クラシカルで優雅な印象の花が揃っています。花色はソフトなパステル調が多く、ピンク、アプリコット、クリームイエロー、ホワイトなど温かみのある色調が中心です。
香りはイングリッシュローズの最大の魅力のひとつです。フルーツ香、ミルラ香、オールドローズ香、ティー香など多様な香りのタイプがあり、品種によって異なる香りを楽しめます。庭に複数の品種を植えると、歩くたびに異なる香りに出会える贅沢な空間になります。
樹形はシュラブ(半つる性)が基本で、品種によってコンパクトなブッシュ型から大型のつる状に伸びるものまで幅があります。日本の庭でも扱いやすいサイズの品種が多く、鉢植えでも楽しめる品種もあります。
イングリッシュローズには数百の品種がありますが、日本の気候で育てやすく人気の高い品種をいくつか紹介します。
グラハム・トーマスはイングリッシュローズを代表する品種で、鮮やかな黄色のカップ咲きの花を房咲きにします。ティーローズの香りが爽やかで、丈夫で育てやすい品種です。半つる性のため、オベリスクやフェンスに誘引すると見事です。
アブラハム・ダービーは大輪のカップ咲きで、アプリコットピンクの花が美しい品種です。強いフルーツ香があり、四季咲き性も良好です。シュラブとしてもつるバラとしても仕立てられる柔軟な樹形です。
レディ・エマ・ハミルトンはオレンジ〜タンジェリン色の中輪カップ咲きで、強いフルーツ香が特徴です。コンパクトな樹形で鉢植えにも適しており、耐病性も高い優秀な品種です。
オリビア・ローズ・オースチンは淡いピンクのロゼット咲きで、耐病性が非常に高いことで知られています。黒星病やうどんこ病にも強く、無農薬に近い管理でも美しく咲いてくれます。初心者にもおすすめの品種です。
イングリッシュローズの栽培は基本的に一般的なバラと同じですが、いくつかの特有のポイントがあります。
日当たりの良い場所を選びましょう。1日6時間以上の日照が理想です。ただしイングリッシュローズの柔らかいパステル調の花色は、強い直射日光にさらされると色褪せしやすい品種もあるため、午前中の日が当たり午後は半日陰になるような場所も悪くありません。
植え付けは大苗(裸苗)を12〜2月に植えるのが基本です。植え穴は直径・深さともに50cm以上掘り、堆肥と元肥をしっかり混ぜ込みます。イングリッシュローズは接ぎ目を地表から5cm程度深く植える「深植え」を推奨されており、これにより自根が発生しやすくなるとされています。
水やりは乾いたらたっぷりと。特に成長期は水切れに注意が必要です。マルチングを施すと土壌の乾燥防止と泥はね(黒星病の原因)防止に効果的です。
イングリッシュローズの剪定はシュラブ樹形の特性を理解して行います。一般的なハイブリッドティーのように低く強剪定すると、樹形の美しさが損なわれることがあります。
冬の剪定(1〜2月)では、全体の高さを3分の1〜2分の1程度に切り戻します。枯れ枝、細い枝、交差する枝を除去し、外向きの芽の上で切ってください。あまり低く切りすぎると花数が減るため、ある程度の高さを残すのがイングリッシュローズの剪定のコツです。
大型の品種はつるバラとして仕立てることもできます。アーチやオベリスク、フェンスに誘引する場合は、冬に主枝を水平に近い角度で固定します。水平に倒すことで節ごとに花芽が出やすくなり、上から下まで花で覆われた美しい姿になります。
花がら摘みは春と秋にこまめに行い、花房の下の5枚葉の上で切り取ります。夏は軽く花がらを摘む程度にとどめ、秋バラに向けた体力温存を優先します。
イングリッシュローズは品種によって耐病性に差があります。近年の品種は耐病性が大幅に向上していますが、古い品種の中には黒星病に弱いものもあります。品種選びの段階で耐病性の情報を確認することが、栽培の手間を減らすポイントです。
基本的な防除は他のバラと同じで、春〜秋にかけて殺菌剤を定期的に散布します。ローテーション散布(異なる系統の薬剤を交互に使う)を心がけ、薬剤耐性の発生を防ぎましょう。
香りを最も楽しめるのは朝の時間帯です。気温が上がる前の早朝に庭に出ると、空気中に漂う芳香を存分に楽しめます。切り花にして室内に飾るのも良い方法で、特にフルーツ香の強い品種は部屋中に甘い香りが広がります。
ドライフラワーやポプリにして香りを保存する楽しみ方もあります。花弁を陰干しにしてから密閉容器に入れ、エッセンシャルオイルを数滴加えると手作りポプリの完成です。
## バラを美しく咲かせ続けるための管理のポイント
バラは「花の女王」と呼ばれるにふさわしい華やかさを持つ反面、病害虫や環境の変化に敏感な植物でもあります。美しい花を毎年楽しむためには、以下の基本を押さえておきましょう。
土づくりが花の品質を決める バラは肥沃で水はけの良い土壌を好みます。地植えの場合は深さ50cm以上の穴を掘り、堆肥と腐葉土をたっぷり混ぜ込んでください。鉢植えの場合はバラ専用の培養土を使うのが手軽です。pH 6.0〜6.5の弱酸性が理想で、定期的な土壌改良が長期栽培の鍵です。
病害虫対策は予防が基本 バラの三大病害は黒星病・うどんこ病・灰色かび病です。これらはいずれも風通しと日当たりの確保で大幅に発生を抑えられます。枝が込み合わないよう定期的な剪定を行い、地面への水はね防止のためにマルチングを施すのが効果的です。
開花後の管理で次の花が決まる バラは花が終わったら早めに花がら摘みを行いましょう。花がらを残すと実がつき、株のエネルギーが種子形成に使われてしまいます。5枚葉の上でカットすることで、次の新芽が出やすくなり、連続開花が期待できます。
冬の剪定が来春の花の質を決める 四季咲きバラの冬剪定は2月頃が適期です。前年に伸びた枝を外芽の上で3分の1〜半分程度切り戻します。この剪定によって新しい元気な枝が伸び、大きく美しい花が咲きます。 ## ブリちょくでイングリッシュローズを手に入れよう
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