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タマムシの餌はエノキ・ケヤキの葉|飼い方・寿命・幼虫飼育ガイド
タマムシ(ヤマトタマムシ)の成虫はエノキ・ケヤキの葉を食べる葉食性で、昆虫ゼリーや樹液はほぼ食べません。餌の選び方と交換の目安、成虫の寿命(1〜2ヶ月)、採集の時期とコツ、幼虫の食樹と2〜3年かかる幼虫飼育の管理まで実践的に解説します。
この記事のポイント
タマムシ(ヤマトタマムシ)の成虫はエノキ・ケヤキの葉を食べる葉食性で、昆虫ゼリーや樹液はほぼ食べません。餌の選び方と交換の目安、成虫の寿命(1〜2ヶ月)、採集の時期とコツ、幼虫の食樹と2〜3年かかる幼虫飼育の管理まで実践的に解説します。
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タマムシとはどんな昆虫か
タマムシ(玉虫、学名:Chrysochroa fulgidissima)は、コウチュウ目タマムシ科に属する日本固有の甲虫です。その名の通り、緑色・金色・赤紫色に輝く金属光沢の翅(はね)が最大の特徴で、見る角度によって色が変わる構造色は古来から「玉虫色」という表現の語源になっています。
法隆寺宝物の「玉虫厨子」にはタマムシの翅が約9,000枚使われており、飛鳥時代から日本人に愛されてきた昆虫です。
基本データ
- 体長:成虫30〜40mm程度
- 出現時期:6〜8月(特に7月が最盛期)
- 生息環境:平地〜丘陵地のエノキ・ケヤキのある明るい林縁
- 飛翔力:非常に強力で直線的に飛ぶ
- 幼虫食性:エノキ・ケヤキ・ニレ等の枯れ木・生木を内部から食べる
タマムシ 飼育の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|
| 成虫の体長 | 30〜40mm |
| 成虫の出現期 | 6〜8月(最盛期は7月) |
| 成虫の餌 | エノキ・ケヤキの葉 |
| 幼虫の食樹 | エノキ・ケヤキ・ニレの枯れ木/生木 |
| 幼虫期間 | 通常2〜3年(4年以上のことも) |
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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採集方法
タマムシは日中(特に午前10時〜午後2時頃)にエノキやケヤキの周囲を飛び回ります。
採集のポイント
- 場所:神社・公園・里山のエノキ・ケヤキが多い場所。枯れ木があると特に集まりやすい
- 時間帯:晴天の午前10時〜午後2時。曇りや雨天は活動が低下する
- 方法:枝葉の上を歩いているところを採集ネットで捕まえるか、木の幹を観察して直接手でつかむ
- 注意点:タマムシは強い直射日光の当たる場所を好む。日陰では見つかりにくい
採集のコツ
エノキの上にいる場合、枝を揺らすと落下(擬死)することがあります。下にシートを広げてから枝を揺らす方法が有効です。また、タマムシは光に誘引される習性があり、白布を日向に広げて置いておくトラップが効果的なこともあります。
成虫の飼育管理
ケースとセットアップ
- ケースサイズ:30×20×30cm以上の昆虫飼育ケース
- 底材:昆虫マット(5cm程度)または乾燥気味の腐葉土
- 止まり木:エノキ・ケヤキの太めの枝を数本設置(登り木)
- 温度:25〜30℃が適切。30℃を超えると弱りやすい
- 通気:風通しが良いメッシュ蓋を使用。高湿度は禁物
成虫の餌
タマムシの成虫は主にエノキ・ケヤキなどの葉を食べます。
- 採集した木の枝付き葉を花瓶に刺して水を与え、数日おきに新鮮なものと交換
- 昆虫ゼリー・果物・樹液は葉の代わりにならない(葉食性のためほぼ食べない)。エノキが手に入らない日はケヤキ・エゾエノキ・ムクノキの葉で代替する
- 水分補給:霧吹きで葉に軽く水をかける(直接体には過剰に水をかけない)
交尾・産卵
- 雌雄の見分け方:腹部末端を観察。メスの方がやや腹部が太く丸みがある
- 交尾は成虫ケース内で自然に行われることが多い
- 産卵にはエノキ・ケヤキの枯れ木(朽ち木)が必要。生木の幹・太い枝を用意
- 産卵木は皮つきのものを用意し、ケース底に置くかケース側面に立てかける
- メスは木の裂け目や傷口から樹皮下に産卵する
タマムシ向けの通気性ケースと採集道具
タマムシの成虫飼育で使う道具は多くありませんが、ケース選びだけは他の甲虫と考え方が違います。カブトムシ用に湿度を保つ設計のケースは蒸れやすく、葉食性で高湿度を嫌うタマムシには向かないため、天面が金網で風が抜けるケースを選び、枝葉を挿した小瓶を立てられる高さを確保します。採集では枝を揺らして落とすので、受けるシートと目の細かい網があると効率が上がります。以下は蒸れを避けられる、入手しやすい定番品です。
幼虫飼育
タマムシの幼虫飼育は木の内部を食べながら成長する穿孔性(せんこうせい)であるため、独特の飼育管理が必要です。
産卵木の管理
- エノキ・ケヤキの太い枝(直径5cm以上)または丸太を用意
- 少し湿らせて通気性のある容器(幼虫飼育ボトル等)に入れる
- 乾燥しすぎないよう月1〜2回軽く霧吹きで湿度を保つ
- 幼虫は木の内部を食い進むため、木の外から観察は難しい
幼虫期間と成長
- 卵から成虫まで:通常2〜3年かかる(種によっては4年以上)
- 幼虫は木の内部をくねくねと食い進みながら成長する「蛆型幼虫」
- 蛹化(さなぎ)は木の内部の蛹室で行われる
- 羽化した成虫は木を食い破って外に出てくる
飼育上の注意点
- 食害木の補充:幼虫が食べ尽くした木は新しいエノキ・ケヤキ材と交換する必要がある
- 乾燥させすぎない:木が完全に乾燥すると幼虫が死亡する
- 過湿も禁物:木にカビが生えると幼虫が弱る。適度な湿度管理が必要
- 木の入手:ホームセンターの薪・公園の剪定枝(エノキ・ケヤキ)・林業業者から入手できる場合がある
タマムシ飼育の醍醐味
タマムシ飼育の最大の楽しみは、自分で採集した個体を繁殖させ、幼虫から美しい成虫を羽化させることにあります。長い幼虫期間(2〜3年)をかけて育てた成虫が木から姿を現す瞬間は格別の感動があります。
また、繁殖に成功すると採集時とは異なる「飼育個体」が得られ、累代飼育でより大型の個体を目指す楽しみもあります。
よくある失敗と対処法
成虫がすぐ死んでしまう
採集直後は輸送ストレスで弱っている場合があります。静かで適温(25〜28℃)の環境に置き、新鮮なエノキ・ケヤキの葉を与えて落ち着かせます。
産卵しない
産卵木の種類が合っていない可能性があります。必ずエノキ・ケヤキ・ニレのいずれかの材を使い、皮付きのものを準備します。また、交尾が確認できていない場合はペアで同居させます。
幼虫が見えない・死んでいるかわからない
タマムシの幼虫は木の内部にいるため直接観察できません。木を耳に近づけて軽く叩くと幼虫が食い進む音(カリカリ)が聞こえる場合があります。
タマムシは何を食べる?餌の与え方と注意点
タマムシ(ヤマトタマムシ)の成虫は、エノキ・ケヤキなどニレ科広葉樹の「葉」を食べる葉食性の昆虫です。 カブトムシやクワガタのように樹液・果実・昆虫ゼリーを主食にするわけではない点が最大の違いで、ここを取り違えると飼育がうまくいきません。
食べる葉には明確な好みがあり、優先度の目安は次の通りです。
| 餌 | 嗜好性 | 備考 |
|---|
| エノキの葉 | ◎ 最も好む | 最優先で用意したい主食 |
| ケヤキの葉 | ○ よく食べる | エノキが手に入らない時の代替 |
| エゾエノキ・ムクノキの葉 | ○ | 地域により入手しやすい |
| サクラの葉 | △ | 食べることがある程度 |
| 昆虫ゼリー・果物・樹液 | × ほぼ食べない | 葉食性のため基本的に不向き |
与え方は、採集したエノキ・ケヤキの枝葉を切り取り、切り口を水に挿す(濡らしたティッシュで巻いても可)か、小瓶に生けてケース内に立てておくのが基本です。葉は2〜3日で乾いてしおれるため、新鮮なものにこまめに交換します。霧吹きで軽く湿らせると葉が長持ちし、成虫の水分補給にもなります。エノキが近所で見つからない場合は、園芸店や街路樹の剪定枝(管理者の許可を得たもの)から調達できることもあります。
なお、成虫の寿命はもともと1〜2ヶ月と短く、「餌を食べずにすぐ弱る」原因の多くは、食樹が合っていない・葉が古いことにあります。まずエノキの新鮮な葉を用意することが、タマムシを元気に飼う一番の近道です。タマムシに出会える時期や場所は、同じ雑木林が舞台となるカブトムシ・クワガタの採集時期ガイドも参考になります。
まとめ
タマムシは日本の夏を代表する宝石のような甲虫です。採集の楽しさ・長い幼虫飼育の充実感・羽化の感動という三つの魅力を持つ飼育種で、昆虫飼育の経験を深めたい方に強くおすすめできます。エノキ・ケヤキの材を用意できる環境があれば、繁殖・累代飼育も十分に可能です。