メインコンテンツへスキップコオロギ・ミルワームの自家繁殖ガイド|フィーダー昆虫を低コストで安定確保する方法 | ブリちょく昆虫| ✍️ ブリちょく編集部
コオロギ・ミルワームの自家繁殖ガイド|フィーダー昆虫を低コストで安定確保する方法
フィーダー昆虫(コオロギ・ミルワーム)を自家繁殖させる方法を徹底解説。繁殖ケースの設置、産卵管理、ガットローディング(栄養強化)、脱走・臭い対策まで実践的に紹介します。生餌を自家繁殖するメリット 爬虫類や昆虫を飼育していると、コオロギやミルワームなどの生餌(フィーダー昆虫)を定期的に確保する必要があります。ペット…
この記事のポイント
フィーダー昆虫(コオロギ・ミルワーム)を自家繁殖させる方法を徹底解説。繁殖ケースの設置、産卵管理、ガットローディング(栄養強化)、脱走・臭い対策まで実践的に紹介します。生餌を自家繁殖するメリット 爬虫類や昆虫を飼育していると、コオロギやミルワームなどの生餌(フィーダー昆虫)を定期的に確保する必要があります。ペット…
生餌を自家繁殖するメリット
爬虫類や昆虫を飼育していると、コオロギやミルワームなどの生餌(フィーダー昆虫)を定期的に確保する必要があります。ペットショップやネット通販で購入できますが、自家繁殖させることで大幅なコスト削減が可能です。大量消費するブリーダーにとっては特に重要なスキルです。
自家繁殖の主なメリットは以下の通りです。
- コストが劇的に下がる: 繁殖が軌道に乗れば、餌代は種親の維持費のみになる
- いつでも必要な量を確保できる: サイズ・量を需要に合わせてコントロール可能
- 生体の健康状態が把握できる: 飼育環境が明確なため、農薬・菌・寄生虫のリスクを管理しやすい
- サイズを調整できる: 幼令コオロギなど小サイズを必要なときに供給できる
---
コオロギ(フタホシ・イエコ)の自家繁殖
使用する種類
日本で一般的に使われるフィーダーコオロギは主に2種類です。
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|
| フタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus) |
✍️
ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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| イエコ(ヨーロッパイエコオロギ、Acheta domesticus) | 薄色・臭いが少ない・飼育しやすい | 小〜中型爬虫類・ヤモリ類全般 |
初心者にはイエコの方が繁殖しやすくおすすめです。フタホシは高タンパク・高カロリーですが、死にやすく臭いがやや強いという特徴があります。
繁殖ケースの設置
必要なもの:
- プラスチックコンテナ(45L以上が理想)
- 卵カップ or 紙製の卵パック(隠れ場所)
- 産卵床用の湿らせたタッパーと赤玉土(産卵ケース)
- 給水器(溺死防止のためコットンや人工芝を使う)
- 保温器具(ヒーター or パネルヒーター)
温度と湿度:
- 適温:27〜32℃(温度が低いと繁殖が著しく遅くなる)
- 産卵床の湿度:しっとりするが水たまりにならない程度
- ケース全体の湿度:過湿にならないよう通気を確保
産卵と卵の管理
メスは土の中に産卵管を差し込んで産卵します。産卵床(赤玉土やバーミキュライトを湿らせたもの)を小さなタッパーに入れてケース内に設置します。
- 産卵床の交換頻度: 2〜3週間ごとに交換し、別容器で孵化を待つ
- 孵化日数: 25〜30℃で約10〜14日
- 一度の産卵数: メス1匹あたり50〜200個の卵を数回に分けて産む
孵化したら初令幼虫(ピンヘッド)は非常に小さいため、食べられる前に産卵床ごと別ケースに移すのがポイントです。
給餌と栄養強化(ガットローディング)
コオロギ自身への栄養が生体に直接影響します。ガットローディング(体内栄養強化)とダスティング(栄養素のまぶし付け)を組み合わせましょう。
おすすめの餌:
- 野菜:小松菜・チンゲン菜・にんじん・かぼちゃ
- 穀物:フスマ・コーンフレーク(無糖)
- 専用フード:市販のコオロギフード
給餌前24〜48時間のガットローディングが特に効果的です。給餌直前にはカルシウム剤をまぶして(ダスティング)カルシウム:リン比を改善します。
ミルワーム(テネブリオ)の自家繁殖
ミルワームの特徴と注意点
ミルワームはチャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)の幼虫です。管理が容易で、低コストで大量繁殖できますが、脂質が多いためカルシウム:リン比が悪く、単独メインの餌には不向きです。ローテーションの一部として活用するのが理想です。
繁殖サイクル
ミルワームは完全変態(幼虫→蛹→成虫)を経て繁殖します。
| ステージ | 期間(25℃) | 管理のポイント |
|---|
| 幼虫(ミルワーム) | 数週間〜数ヶ月 | ふすまや小麦粉で飼育 |
| 蛹 | 1〜3週間 | 乾燥した個別容器で管理 |
| 成虫(ゴミムシダマシ) | 2〜3ヶ月 | 産卵床に小麦粉を活用 |
繁殖ケースの設置
必要なもの:
- 浅型プラスチックコンテナ(脱走防止に蓋付き or 内壁にテフロンスプレー)
- 床材兼餌:ふすま(最低3〜5cm厚)
- 水分源:野菜スライス(ズッキーニ・にんじんなど)
温度: 25〜30℃が最適。20℃以下では活動が著しく低下します。
蛹の管理
幼虫が蛹化を始めたら、個別に取り出してふすまに少し埋めておくか、平たい容器の隅に置きます。蛹は動かないので、成虫に噛まれないよう蛹専用の仕切りを設けるか別容器に移します。成虫が羽化したら産卵床コンテナに移し、産卵させます。
コオロギとミルワームの使い分け
| 比較項目 | コオロギ | ミルワーム |
|---|
| タンパク質 | 高め | 中程度 |
| 脂質 | 低め | 高め |
| カルシウム | 低い | 非常に低い |
| 繁殖の難易度 | やや難しい | 簡単 |
| 臭い | やや強い | ほぼなし |
| 用途 | メイン餌 | 補助餌・おやつ |
自家繁殖で注意すべき問題と対策
コオロギの大量死
コオロギは過密・蒸れ・水切れ・感染症で大量死しやすいです。
対策:
- 密度を下げる(50L容器あたり500匹目安)
- 通気性を確保(メッシュ蓋の使用)
- 死骸はこまめに取り除く
- 複数容器に分けてリスク分散
脱走対策
コオロギは非常に脱走が得意です。容器の内壁にワセリンやテフロンを塗るか、外周にテープを貼る方法が有効です。ミルワームは動きが遅いですが、成虫(ゴミムシダマシ)は飛べるため蓋の確保が必要です。
臭い対策
有効な手段:
- 死骸を毎日取り除く
- 水分源の野菜を過剰に与えない(腐敗しやすい)
- EM菌やバイオ消臭剤を床材に混ぜる
- 飼育場所の換気を徹底する
まとめ:自家繁殖を始める手順
- まずイエコ(コオロギ)を50〜100匹購入し、45Lコンテナで飼育開始
- 産卵床を設置し、2〜3週間後に産卵床を別容器に移して孵化を待つ
- 孵化した幼虫が育ってきたら、一部をコロニーとして残し残りを給餌に使う
- 慣れてきたらミルワームも並行して繁殖し、ローテーションを組む
軌道に乗るまでの最初の2〜3ヶ月は失敗もありますが、コロニーが安定すると自給自足が実現します。大量飼育するブリーダーほど自家繁殖のメリットを実感できます。ぜひチャレンジしてみてください。