モンステラやフィロデンドロンなどつる性観葉植物の支柱の種類と選び方を解説。モスポールの自作方法、ココポール、トレリスなど仕立て方を紹介します。
この記事のポイント
モンステラやフィロデンドロンなどつる性観葉植物の支柱の種類と選び方を解説。モスポールの自作方法、ココポール、トレリスなど仕立て方を紹介します。
モンステラやフィロデンドロン、ポトスなど人気の観葉植物の多くはつる性(つる植物)です。自然界では大木に絡みついて上へ上へと伸び、高い位置で大きな葉を展開します。室内で育てる場合も、支柱やモスポールを使って上方向に誘引すると、自然に近い姿で大きな葉を楽しめます。ここでは支柱の種類と選び方、モスポールの自作方法を詳しく解説します。
つる性の観葉植物に支柱を立てる理由は、見た目の美しさだけではありません。植物の生理的な面でも大きなメリットがあります。
モンステラやフィロデンドロンなどのアロイドは、上へ登るほど葉が大きくなる性質があります。これは「成熟葉(マチュアリーフ)」と呼ばれる現象で、幼葉期の小さな葉から、十分に高くなると切れ込みや穴が入った大きな成熟葉に変化します。つまり、支柱で上に導くことで、より観賞価値の高い大きな葉を得られるのです。
気根の発達も支柱によって促進されます。支柱の表面に気根が張り付くことで、水分や栄養素を効率的に吸収し、株全体の健康状態が向上します。特にモスポールのような水分を含む支柱では、気根が活発に伸びて着生します。
支柱なしで育てると、つるが地面を這うように伸びたり、自重で垂れ下がったりして、不自然な株姿になりがちです。ハンギングとして楽しむ場合は下垂する姿も魅力的ですが、大きな葉を出させたい場合は上方向への誘引が不可欠です。
支柱にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
モスポール(水苔ポール)は最もアロイドに適した支柱です。円筒形のメッシュに水苔を詰めたもので、気根が水苔に活着しやすく、水分も保持できます。市販品もありますが、自作も可能です。デメリットは水苔の乾燥が早く、定期的な水やりが必要な点と、長期使用で水苔が劣化する点です。
ココファイバーポール(ヤシ繊維ポール)はヤシの繊維を棒状に巻いたものです。モスポールより保水力は劣りますが、耐久性に優れ、交換の頻度が少なくて済みます。見た目もナチュラルで、インテリアに馴染みやすいです。
プラスチック支柱は最も安価で入手しやすいタイプです。ただし表面がツルツルで気根が活着できないため、紐やビニールタイで植物を固定する必要があります。一時的な仮支柱としては十分ですが、長期的にはモスポールへの移行がおすすめです。
トレリス(格子状のフレーム)は壁面に沿って植物を広げたい場合に使います。フィロデンドロンのつる性品種やシンゴニウムなどを壁面緑化風に仕立てるのに最適です。木製やワイヤー製があり、デザイン性も高いです。
市販のモスポールは意外と高価なため、自作すると大幅にコストを削減できます。手順を紹介します。
必要な材料は、ガーデニング用メッシュ(プラスチック製の格子シート)、水苔、結束バンドまたは園芸ワイヤー、支柱となる棒(PVCパイプや竹棒)です。
まず水苔を水に浸けて十分に吸水させます。30分〜1時間程度浸けた後、軽く絞って水を切ります。びしょびしょの状態ではなく、握って水が滴り落ちない程度が理想です。
メッシュシートを支柱の長さに合わせてカットし、筒状に丸めます。直径は5〜8cm程度が扱いやすいです。メッシュの合わせ目を結束バンドで固定します。
筒の中に支柱となる棒を通し、周囲に水苔を詰めていきます。水苔はできるだけ密に詰め込み、隙間がないようにします。疎らだと保水力が落ち、気根の活着も悪くなります。
完成したモスポールは鉢に差し込み、用土でしっかり固定します。安定しない場合は鉢底に石を入れて重しにするか、鉢自体を重いものにします。
モスポールの水やりは、上からゆっくり水をかけて水苔全体を湿らせます。霧吹きでこまめに湿らせるのも効果的です。乾燥した状態が続くと気根が枯れてしまうため、特に冬場の乾燥時期は注意が必要です。
支柱を立てたら、植物を正しく固定して上方向に導きます。
固定にはソフトタイ(柔らかい園芸用結束テープ)が最適です。ビニールタイやワイヤーは茎を傷つけるリスクがあるため、幅のある柔らかい素材を使いましょう。「8の字」に結ぶと、茎と支柱の間にクッションができて圧迫を防げます。
気根がモスポールに接触するよう、節(気根が出ている部分)を支柱の表面に押し当てて固定します。気根が自力で活着するまでの2〜4週間は、固定を維持してください。活着後は固定を外しても自力で支柱にしがみつきます。
新しい芽が出てきたら、成長の方向を支柱に沿うよう誘導します。成長点が支柱から離れる方向に向いている場合は、柔らかく曲げて方向を修正します。若い茎は柔軟性があるため、ゆっくり曲げれば折れることはほぼありません。
大型化した株で支柱の高さが足りなくなった場合は、延長ポールを追加します。既存のポールの上に新しいポールを差し込み、結束バンドで連結します。継ぎ足しは何段でも可能ですが、安定性には注意してください。
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植物を長く健康に育てるために、日常管理で心がけたいポイントをまとめます。
観察の習慣をつけることが最も大切です。毎日の水やりや世話の際に、葉の色や張り、新芽の成長具合、害虫の有無などを自然にチェックする癖をつけましょう。異常に早く気づけば気づくほど、対処の選択肢が多く成功率も高くなります。
記録を残すことも上達への近道です。水やりの日付、施肥の内容、植え替えの時期、トラブルの内容と対処法などをノートやスマートフォンに記録しておくと、自分なりの管理マニュアルが蓄積されていきます。翌年の同じ時期に何をすべきかが一目でわかるようになります。
環境の変化に敏感になることも重要です。季節の移り変わりによる日照時間の変化、エアコンの使用による湿度低下、窓際の温度変化など、植物を取り巻く環境は常に変動しています。環境の変化に合わせて管理方法を微調整できるようになると、植物栽培の腕が格段に上がります。
仲間との情報交換も栽培技術の向上に大きく貢献します。SNSやオンラインコミュニティ、ブリちょくでのブリーダーとのやり取りを通じて、新しい知識やテクニックを吸収していきましょう。
品種によって最適な支柱と仕立て方が異なります。代表的な品種のおすすめを紹介します。
モンステラ・デリシオーサはモスポールが最適です。太い茎と大きな気根がモスポールにしっかり活着し、上へ登るほど巨大な切れ込み葉を展開します。直径8cm程度の太めのモスポールが安定します。
フィロデンドロン・バーキンやプリンスオブオレンジなど自立型の品種は、支柱は不要です。茎が倒れてきた場合のみ、細い支柱で支えましょう。
ポトスやスキンダプサスは、ハンギングで垂らすか、モスポールで上に導くかで印象が大きく変わります。上に導くと葉が大きくなり、垂らすと小さな葉が密に連なります。好みに応じて選んでください。
シンゴニウムはトレリスとの相性が良い品種です。壁面に沿ってトレリスを設置し、シンゴニウムを絡ませると、成熟した矢じり型の大きな葉を楽しめます。
つる性観葉植物の仕立て方は、育成者のセンスが光る部分です。ブリちょくでは、つる性観葉植物を専門に扱うブリーダーから、仕立て方のアドバイスを直接受けることができます。ブリーダーの栽培風景を参考に、自分の理想の仕立てを追求してみてください。