特定犬種規制と咬傷事故の法律ガイド|大型犬・ピットブル系の飼育責任と行政手続き
日本の特定犬種規制の現状と咬傷事故における飼育者の法的責任を解説。民事・刑事・行政上の責任、大型犬の管理義務、マイクロチップ義務化、事故防止のリスク管理を実践的に紹介。日本における特定犬種規制の現状 日本では現在、特定の犬種を対象とした「飼育禁止」を定める国レベルの立法は存在しません。しかし、動物の愛護及び管理に…

この記事のポイント
日本の特定犬種規制の現状と咬傷事故における飼育者の法的責任を解説。民事・刑事・行政上の責任、大型犬の管理義務、マイクロチップ義務化、事故防止のリスク管理を実践的に紹介。日本における特定犬種規制の現状 日本では現在、特定の犬種を対象とした「飼育禁止」を定める国レベルの立法は存在しません。しかし、動物の愛護及び管理に…
## 日本における特定犬種規制の現状
日本では現在、特定の犬種を対象とした「飼育禁止」を定める国レベルの立法は存在しません。しかし、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)および各都道府県・市区町村の条例によって、大型犬や咬傷リスクが高いとされる犬の管理には厳格な義務が課されています。
2019年の動物愛護管理法改正では、マイクロチップ装着の義務化(ブリーダー・ペットショップから購入した犬猫)、適切な飼育環境の確保、終生飼養の徹底などが強化されました。特定犬種への個別規制ではなく、「犬の大きさ・攻撃性の実態に応じた飼養管理の適正化」という方向性で制度が整備されています。
一方、海外に目を向けると、英国・ドイツ・カナダの一部の州・オーストラリアの一部地域などでは、ピットブル・テリア系やジャーマン・シェパード、ロットワイラーなどを対象としたBSL(Breed-Specific Legislation=犬種特定規制)が存在し、輸入・繁殖・飼育に制限が設けられています。日本に海外から犬を連れ帰る場合や、海外移住に犬を同伴させる場合は、渡航先の規制を事前に必ず確認することが不可欠です。
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咬傷事故の法的責任
民事上の責任(損害賠償) 飼い犬が他者に咬傷を負わせた場合、飼い主は民法第718条(動物占有者の責任)に基づき、原則として無過失責任を負います。つまり、「管理に注意を払っていた」と主張しても、それだけでは責任を免れないのが原則です。被害者が受けた治療費・慰謝料・後遺症による逸失利益などが損害賠償の対象となり、高額になるケースもあります。
ペット保険の中には「賠償責任特約」を付帯できる商品もあります。大型犬や力の強い犬を飼育する場合は、万一に備えて加入を検討する価値があります。
刑事上の責任 飼い犬が咬傷事故を起こし、重傷や死亡につながった場合、業務上過失致死傷罪や重過失致死傷罪(刑法第211条)が適用されることがあります。これは「通常の注意義務を怠った」と判断された場合に問われるものです。過去の裁判例では、リードなしでの放し飼い・脱走防止措置の不備・事前の攻撃性の認識などが過失認定の要因となっています。

