盆栽に発生するアブラムシ・ハダニ・カイガラムシや、うどんこ病・炭疽病などの見分け方と対処法を解説。農薬の選び方と予防的管理のポイントも紹介。
この記事のポイント
盆栽に発生するアブラムシ・ハダニ・カイガラムシや、うどんこ病・炭疽病などの見分け方と対処法を解説。農薬の選び方と予防的管理のポイントも紹介。
盆栽は美しく管理されてこそ価値を発揮しますが、病害虫の被害を受けると樹木が弱り、最悪の場合枯死につながります。特に長年育ててきた盆栽にとって、病害虫の被害は取り返しのつかないダメージになることも。早期発見と適切な対処が鍵です。本記事では、盆栽に多い病害虫の種類と防除法を解説します。
特徴と見分け方 新芽・柔らかい葉・茎に群がる1〜2mmの緑・黒・白色の小虫。成長点が変形・縮れる。べたべたした分泌物(甘露)を出し、これがすす病を呼ぶ。
多い樹種: 梅・桜・薔薇・もみじ・桃
対処法 - 少量なら歯ブラシ・刷毛で物理除去 - スプレータイプの殺虫剤(ベニカXなど) - 予防:スミチオン乳剤の定期散布
特徴と見分け方 葉の裏に極小の赤・茶色の虫。被害部分が白くかすれて見える。乾燥する時期(夏・冬の暖房使用時)に多発。
多い樹種: 松・ツツジ・モミジ
対処法 - 水での洗い流し(葉の裏まで) - ハダニ専用殺ダニ剤(バロック・コロマイトなど) - 葉水の習慣化で予防
特徴と見分け方 枝や葉の付け根に白い綿状・茶色い硬い殻状の虫がつく。排泄物ですす病が発生することも。
多い樹種: 松・柿・モモ・ウメ
対処法 - 歯ブラシ・竹串での物理除去 - マシン油乳剤(冬の休眠期散布が効果的) - スミチオン・アクテリックなどの殺虫剤
特徴 松柏類に特に多い種類。白い綿状の塊として樹皮に固まる。
対処法 冬の休眠期にマシン油乳剤を散布するのが最も効果的。
特徴 葉や新芽の表面に白い粉状のカビが発生。乾燥した時期・密植環境で多発。
多い樹種: モミジ・ウメ・バラ・カキ
対処法 - 病葉の除去 - 殺菌剤(サンヨール・ダコニールなど)の散布
特徴 葉に黒い斑点が現れ、進行すると落葉する。雨・高湿度の環境で発生しやすい。
多い樹種: バラ・リンゴ・ナシ
対処法 - 病葉の除去・処分(コンポスト・土中に埋めない) - 殺菌剤(ジマンダイセン・ダコニールなど)の定期散布
特徴 葉に褐色〜黒色の斑点が現れ、斑点が拡大して葉が枯れる。
多い樹種: モミジ・ウメ・カエデ
対処法 - 病葉の除去・焼却処分 - 銅系殺菌剤・チオファネートメチル系殺菌剤の散布
特徴 松の葉が茶色くなり、突然急速に枯れる。マツノマダラカミキリが媒介するセンチュウによる病気。
対処法 - 発症した木は早急に除去(感染拡大防止) - 予防:エマメクチン安息香酸塩(クロチアニジン系農薬)の樹幹注入
説明書を必ず守る 希釈倍率・使用回数・安全間隔(次の散布まで最低〇日空けるなど)を必ず守ります。
散布のタイミング - 曇りの日・朝夕(葉焼け防止) - 風の少ない時間帯(農薬の飛散防止) - 開花中は散布を避ける(受粉する昆虫への影響)
保護具の着用 ゴム手袋・マスク・長袖着用が基本。眼鏡・ゴーグルも推奨。
「予防は治療に勝る」はまさに盆栽の病害虫管理にも当てはまります。
盆栽の病害虫管理の基本は「早期発見・早期対処」と「予防的な管理」です。毎日の水やりのついでに樹木の状態を確認する習慣をつけることが、病害虫被害を最小限に抑える最善の方法です。異変に気づいたら早めに対処し、長年育てた盆栽を守りましょう。