メインコンテンツへスキップアカアシクワガタの飼育完全ガイド|採集・夏の低温管理・産卵セット・幼虫育成 | ブリちょく昆虫| ✍️ ブリちょく編集部
アカアシクワガタの飼育完全ガイド|採集・夏の低温管理・産卵セット・幼虫育成
山地性の国産クワガタ・アカアシクワガタ(Dorcus rubrofemoratus)の採集と飼育を解説。平地での夏季高温対策(エアコン管理)、越冬管理、材産みを使った産卵セット、マット・菌糸ビン両対応の幼虫育成まで実践的にガイドします。
この記事のポイント
山地性の国産クワガタ・アカアシクワガタ(Dorcus rubrofemoratus)の採集と飼育を解説。平地での夏季高温対策(エアコン管理)、越冬管理、材産みを使った産卵セット、マット・菌糸ビン両対応の幼虫育成まで実践的にガイドします。
アカアシクワガタとは
アカアシクワガタ(Dorcus rubrofemoratus)は日本固有種のクワガタムシで、北海道・本州・四国・九州の山地帯(標高500m以上の冷涼な環境)に分布します。名前の由来は脚の付け根(腿節)が赤褐色〜赤みがかった色をしていることからです。コクワガタに似た体型ですが、山地性の種特有の低温適応能力を持ちます。
アカアシクワガタの基本データ
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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| 学名 | Dorcus rubrofemoratus |
| 英名 | Red-Footed Stag Beetle |
| 分布 | 北海道・本州(標高500m以上の山地)・四国・九州 |
| 体長(オス) | 20〜50mm(大型個体は55mm) |
| 体長(メス) | 20〜28mm |
| 寿命(成虫) | 1〜2年(越冬可能) |
| 採集シーズン | 7月〜8月(標高の高い場所では9月まで) |
| 難易度 | 初〜中級 |
採集について
アカアシクワガタの採集には低山〜山地帯(標高500〜1,500m)のブナ・ミズナラ・コナラ林が狙い目です。
- 標高が高いほど数が多い(平地ではほぼ見られない)
- 夜間の灯火採集が有効(7月下旬〜8月中旬の盛夏が最盛期)
- 朽ち木の中でも発見できる(特に秋〜冬の幼虫採集)
山地での採集は虫除け・防寒対策が必要です。山岳地での夜間採集は危険を伴うため、複数人での行動・ライトの充電状態の確認を必ず行ってください。
成虫の飼育管理
飼育温度
| 季節 | 推奨温度 |
|---|
| 通常飼育 | 18〜24℃ |
| 夏季(最重要) | 20〜23℃(25℃以上は危険) |
| 冬季(越冬) | 5〜12℃(冷暗所または冷蔵庫の野菜室) |
夏の高温対策が鍵:25℃を超えると急激に体調が悪化し、短命になります。日本の平地での夏季はエアコン管理が必須です。
飼育ケース・床材
| 項目 | 内容 |
|---|
| ケースサイズ | 中型プラケース(単独・ペア共用可) |
| 床材 | くぬぎ・ナラマット(3〜5cm深)または水苔 |
| 止まり木 | コルクバーク・枯れ枝(転倒防止) |
| 湿度 | 60〜70%(乾燥しすぎない程度に霧吹き) |
給餌
- 昆虫ゼリー(プロゼリーや果実系)を主食に
- バナナやリンゴのスライスを少量与えても喜ぶ
- 真夏以外は2〜3日おきに1個交換
越冬管理
アカアシクワガタは成虫で越冬します。気温が10℃以下になり始める10月頃から活動量が落ちます。
越冬手順
1. 床材を増量(10cm以上)し、成虫が潜れるようにする
2. 乾燥を防ぐために月1回程度の霧吹きのみで管理
3. 餌交換は活動確認時のみ(冬眠中は不要)
4. 春(4〜5月)に温度が上がれば自然に活動を再開
繁殖・産卵セット
産卵セットの作り方
必要な材料
- 産卵木:やや柔らかめのコナラ・ミズナラ材(軟材〜中材)。加水後1〜2日陰干し
- マット:無添加発酵マットまたは産卵木チップ(底敷き用)
- ケース:中型プラケース
手順
1. 産卵木を2〜4時間水没、その後1〜2日陰干しして芯まで水分を含ませる
2. マットをケース底に3〜5cm敷き固詰め
3. 産卵木を横置き(半埋め込みまたは全埋め込み)
4. 後食済み・成熟済みのメスを投入
5. 18〜23℃の涼しい環境で管理(温度が高いと産卵しにくい)
産卵数の目安:1セットで10〜30卵程度。メスの体力次第では2〜3セット組むことも可能。
割り出し
産卵セット投入から2〜3ヶ月後が割り出しの目安です。産卵木を慎重に割り、卵または初令幼虫を取り出します。
幼虫の飼育
初令幼虫の管理
割り出した初令幼虫は、プリンカップ(200ml程度)に無添加発酵マットを詰めて個別管理します。
| 令数 | 容器 | 床材 |
|---|
| 初令(L1) | プリンカップ200ml | 無添加マット |
| 二令(L2) | 500mlボトル | 無添加マット(または菌糸ビン) |
| 三令(L3) | 800〜1200mlボトル | 無添加マット(または菌糸ビン) |
幼虫飼育温度:18〜22℃(低温飼育が大型化のコツ)
菌糸ビン飼育の注意
アカアシクワガタは菌糸ビン(オオヒラタケ・カワラタケ系)での飼育も可能ですが、暴れ(掘り返し行動)が出やすい個体もいます。大型個体作出を狙う場合は菌糸ビン、安定した飼育を優先する場合はマット飼育がおすすめです。
蛹化・羽化
蛹室形成が見られたら振動を与えないよう静置します。蛹から成虫まで約1ヶ月。羽化後2〜4ヶ月は後食を始めないため、この時期の掘り出しは控えます。
アカアシクワガタの魅力
アカアシクワガタは派手さよりも渋みのある体色と山地性の野趣が魅力のクワガタです。採集難易度は高めですが、採集した個体を繁殖させ、その子を再度自然に返す(規制に注意)ような循環型の飼育は、自然に対する深い理解につながります。地味ながら根強いファンを持つ国産クワガタのひとつです。