メインコンテンツへスキップペンシルフィッシュ(ナンノストムス属)の飼育完全ガイド|種類・水質・群泳・繁殖 | ブリちょく熱帯魚| ✍️ ブリちょく編集部
ペンシルフィッシュ(ナンノストムス属)の飼育完全ガイド|種類・水質・群泳・繁殖
細長い体に美しいラインを持つペンシルフィッシュ(ナンノストムス属)は、落ち着いた雰囲気のアマゾン系水草水槽に最適な熱帯魚です。種類と外見の見分け方、軟水・低pHの作り方、複数種の群泳管理、繁殖のための産卵促進方法まで、ペンシルフィッシュ飼育の基礎から応用まで詳しく解説します。
この記事のポイント
細長い体に美しいラインを持つペンシルフィッシュ(ナンノストムス属)は、落ち着いた雰囲気のアマゾン系水草水槽に最適な熱帯魚です。種類と外見の見分け方、軟水・低pHの作り方、複数種の群泳管理、繁殖のための産卵促進方法まで、ペンシルフィッシュ飼育の基礎から応用まで詳しく解説します。
ペンシルフィッシュ(ナンノストムス属 / Nannostomus spp.)は、南米アマゾン流域原産のカラシン目の小型魚で、鉛筆のように細長い体と側面の鮮やかなストライプが特徴です。群れで漂うように泳ぐ姿が水草水槽に映え、静かで落ち着いた水景を演出します。繁殖を楽しめる人気種で、特に低pH・ブラックウォーター志向の愛好家に支持されています。
代表的な種類と見分け方
エクエス(サムライペンシル / N. eques): 体長4〜5cm。体の下半分が赤橙色に染まり、吻部から尾鰭にかけて1本の太いストライプが入る。水面近くで斜め45度の姿勢をとる独特の泳ぎ方が特徴的。一般流通で最もよく見られる種。
ベックフォルディ(ベックフォードペンシル / N. beckfordi): 体長約6cm。銀色の体に赤褐色の縦ラインを持つ中型種。適応力が高く、軟水でなくてもある程度順応できるため初心者向き。
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ブリちょく編集部
生体の飼育情報を専門に扱うブリちょく編集部。獣医療・繁殖の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。
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スペクタビリス(ワンライン / N. espei): 体長約3.5cm。エクエスに似た体色だが体が小さく、ラインが細い。超小型水槽やナノアクアリウムに適する。
トリファスキアトゥス(スリーラインペンシル / N. trifasciatus): 体長約6cm。背腹に合計3本の黒ラインを持ち、ラインの間に赤みを帯びる美しい種。
ハーウィニ(ハーウィンペンシル / N. harrisoni): 背側に1本のライン。繁殖期の雄は非常に鮮やかに発色し、観賞価値が高い。
いずれの種も夜間は横縞・斑点模様に変わる「ナイトパターン」が出ます。この変化を確認することでストレスが少ない証拠になります。
水槽設定と水質管理
水槽サイズ: 10〜20L程度の小型水槽から飼育可能ですが、群泳の美しさを楽しむには30〜60Lが理想的です。飛び出し事故が多いため、必ずフタを設置してください。
水質: 本来の生息地はブラックウォーター(腐食物質が多く、pH4〜6、TDS10〜30程度)です。水槽では以下を目指します。
- pH: 5.5〜7.0(特に繁殖を目指すなら5.5〜6.5推奨)
- 硬度: GH 1〜5程度(軟水)
- 水温: 24〜28℃
軟水を作るにはRO水や市販の軟水素材を使います。ピートモス・インドアーモンドリーフ(アーモンドリーフ)・ブランチウッドなどをフィルターや水槽内に入れることでpHを下げ、ブラックウォーター成分(フミン酸・タンニン)を添加できます。
フィルター: 小型スポンジフィルターか、流量を絞った外部フィルターが適しています。ペンシルフィッシュは強い流れを嫌うので、流出口を壁に向けるなどして穏やかな水流を作ってください。
照明: 明るい照明を好まないため、水草(浮草や陰性水草)で影を作るか、照明を適度に遮光します。浮草(フロッグビット、アマゾンフロッグピット)の使用が特に効果的です。
給餌
口が小さいため、給餌は粒の細かい食品が基本です。
- 乾燥フード: 粉末状のフレークや小粒のマイクロペレット
- 冷凍食品: 冷凍ブラインシュリンプ(解凍して与える)、冷凍ミジンコ、アカムシ(細かく刻む)
- 生き餌: ブラインシュリンプノープリウス(孵化したて)、インフゾリア
1日1〜2回、3〜5分で食べ切れる量を与えます。食べ残しは水質悪化の原因になるため取り除きましょう。
混泳管理
ペンシルフィッシュはおとなしい温和な魚で、多くの小型魚と混泳できます。ただし以下の点に注意してください。
同種・近縁種のみによる群泳: 同種を6匹以上で飼育すると、自然な群泳行動が出やすくなります。異種を混泳させる場合も、種ごとに数を揃えるとベストです。
避けるべき混泳相手: 活発で泳ぎの速い大型魚(シクリッド類、オスカー等)、ペンシルフィッシュのヒレを突く魚(ブエノスアイレステトラなど)。
繁殖のポイント
ペンシルフィッシュの繁殖は水草水槽でも自然に起きることがありますが、意図的に産ませる場合は専用の産卵水槽を用意すると成功率が上がります。
雌雄判別: 雄は腹部が細く、繁殖期には体色が鮮やかになります。雌は腹部が丸みを帯び、特に産卵前は腹が大きく膨らみます。
産卵セット: 15L程度の小型水槽に、インドアーモンドリーフかピートを入れてpH6以下の軟水を作ります。産卵床としてジャワモス・ウィローモスなど細かい水草を敷き詰めます。照明は薄暗く。
産卵行動: 雄が雌を追いかけ、水草の根元や葉の表面に数個ずつ産卵します。卵はゼリー状の付着卵で、産み付け後は親魚を別水槽に移すか、産卵床ごとアリ産卵水槽に移します(卵食い防止)。
孵化・稚魚管理: 水温26〜28℃で2〜3日後に孵化。孵化後3〜5日は卵黄を吸収するため餌不要。その後インフゾリア→ブラインシュリンプノープリウス→マイクロ粉末フードと段階的に移行します。
ペンシルフィッシュはアマゾン系水草水槽の主役になれる美しい熱帯魚です。軟水・低pHの環境作りから始め、静かで繊細な世界観を楽しんでください。