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キャッテリー名の登録と猫の血統書|CFA・TICAの命名ルールと団体の選び方
キャッテリー名猫の血統書CFATICA
猫のブリーダーが繁殖を始める前に済ませておく手続きが、キャッテリー名(猫舎号)の登録です。犬でいう犬舎名にあたるもので、生まれた子猫の正式な猫名は「キャッテリー名+個体名」で構成されます。
犬の血統書登録(JKC・日保)と比べると、猫は団体が複数あり、それぞれ独立して運営されている点が大きく違います。この記事では、日本の猫ブリーダーが実際に使う CFA・TICA を中心に、命名ルールと登録の流れを整理します。
猫の血統登録団体は「どれか1つ」ではない
犬では JKC が国内最大で、日本犬なら日保、という住み分けがはっきりしています。猫の場合、国際的な団体である CFA(The Cat Fanciers' Association/本部・米国オハイオ州)と TICA(The International Cat Association/本部・米国テキサス州)が中心で、このほか国内・海外に複数の団体があります。
重要なのは、団体ごとに登録が独立していることです。ある団体に登録された猫が、別の団体にそのまま登録できるとは限りません。繁殖に使う猫を導入する際は、自分が使う団体で登録できる血統書かどうかを購入前に確認してください。後から団体を変えようとすると、登録できずに繁殖計画が止まることがあります。
キャッテリー名も団体ごとの登録です。CFA と TICA の両方で活動するなら、それぞれに登録が必要になります。
CFA のキャッテリー名ルール(2026年8月時点)
CFA Japan Region の案内によると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表記 | 英字の大文字で登録 |
| 文字数 | 12文字以内 |
| 希望の記入 | 申請書に 1ST CHOICE 〜 4TH CHOICE の4欄。希望順に英大文字で記入する |
| 使えない名称 | 人の名前(マリー、フランク、ジョン等)、貴族の称号(プリンセス、マダム等)、猫種の名称 |
| 登録件数 | CFA には 10万件以上が登録済み |
10万件以上が既に登録されているため、短くありふれた語は通りにくくなります。CFA の案内では「日本の地名や日本読みの猫舎号(花の名称など)が認められやすい」とされており、これは実務的なヒントとしてそのまま使えます。第4希望まで書ける仕組みになっているのは、重複を前提とした設計です。
費用は公式のプライスリストを参照してください(改定されるため、本記事では金額を記載しません)。
TICA のキャッテリー名ルール(2026年8月時点)
TICA の Cattery Registration 申請書には、次のように明記されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 文字数 | 15文字以内 |
| 単語 | 1語であること(スペース不可) |
| 使えない文字 | 記号類(`#`, `&`, `-` など)、アポストロフィ、スペース、ハイフン、2語以上、重複 |
| 重複の基準 | 既に登録されているキャッテリー名と最低2文字は違うこと |
| 猫種名 | 公認品種の名称はキャッテリー名に使用不可 |
| 「of」の扱い | 「of」(およびその各国語訳。von / av / de など)はキャッテリーの接尾辞を示す語とみなされ、名前の一部としては認められない |
CFA と TICA でルールが違う点に注意してください。文字数は12文字と15文字で異なり、TICA には「2文字以上違う」という独自の重複基準があります。両団体で活動するなら、両方の条件を同時に満たす名前を選ぶ必要があります。具体的には、12文字以内・1語・英字のみにしておけば、どちらにも出せる形になります。
登録の流れ
団体によって細部は異なりますが、大枠は共通です。
- キャッテリー名を登録する(繁殖開始前に済ませる)
- 繁殖に使う猫を個体登録する(導入した猫の名義を自分に移す手続きを含む)
- 出産したら一胎子登録を申請する
- 子猫ごとの個体登録を行い、血統書の発行を受ける
CFA では、一胎子登録の後に子猫ごとの登録用紙(いわゆるブルースリップ)が発行され、これを受け取った新しい所有者が、希望の猫名・所有者名・住所を記入して本部へ申請することで、その子猫の登録証明書が発行される仕組みになっています。
つまりブリーダー側は「一胎子登録まで済ませてブルースリップを子猫と一緒に渡す」形になることが多く、購入者が自分で最終的な登録をする流れです。購入者にとっては初めての手続きであることがほとんどなので、販売時に手順まで案内できるブリーダーは信頼されます。
犬の血統書との違い(犬から入った方向け)
犬のブリーダー経験がある方は、次の違いを押さえておくと混乱しません。
- 団体が並立していて統一されていない — 犬の JKC のような「国内で圧倒的な1団体」が猫には存在しません。団体をまたいだ登録の可否も一律ではありません
- 手続きの一部が購入者側にある — CFA のブルースリップのように、最終的な個体登録を購入者が行う仕組みがあります
- 名義変更の位置づけが違う — 犬の JKC では名義変更をしないと繁殖・出陳ができませんが、猫は団体ごとに運用が異なります。繁殖に使う猫を導入したら、その団体での登録がどうなっているかを必ず確認してください
- キャッテリー名の文字数が団体で違う — 犬の JKC は英字20文字以内で語尾に JP が付きますが、猫は CFA 12文字・TICA 15文字で、JP のような国別接尾辞の自動付加もありません
一方で共通する点もあります。キャッテリー名は後から気軽に変えられるものではなく、生まれたすべての子猫の名前に残り続けるという性質は犬舎名と同じです。長く使う前提で選んでください。名前が評価として蓄積していく仕組みは系統がブランドになる仕組みで扱っています。
登録前に決めておくとよいこと
- どの団体で活動するか(ショーに出るなら、参加したいショーを主催する団体に合わせる)
- キャッテリー名の候補を4つ(CFA は第4希望まで書けるので、4つ用意しておくと申請が1回で済みやすい)
- 12文字以内・1語・英字のみに収める(CFA と TICA の両方の条件を同時に満たす形)
- 屋号との整合 — キャッテリー名を事業の屋号にする場合は開業届の記載と揃えておくと、買い手にも税務上も分かりやすくなります
繁殖計画そのものの立て方は繁殖計画の立て方、猫の交配から子猫の引き渡しまでの実務は猫の繁殖と社会化の基本にまとめています。
※本記事のルールは 2026年8月時点の CFA Japan Region および TICA の公式資料に基づきます。改定されることがあるため、申請前に必ず各団体の最新情報を確認してください。費用は改定頻度が高いため、各団体のプライスリストを参照してください。