人獣共通感染症の予防ガイド|爬虫類・鳥・小動物のリスクと対策
爬虫類・鳥・小動物から人に感染する可能性のある感染症の知識と予防策。サルモネラ・オウム病・皮膚糸状菌症などの具体的な対策を解説。ペットとの暮らしは、日々の生活に癒しと喜びをもたらしてくれます。

この記事のポイント
爬虫類・鳥・小動物から人に感染する可能性のある感染症の知識と予防策。サルモネラ・オウム病・皮膚糸状菌症などの具体的な対策を解説。ペットとの暮らしは、日々の生活に癒しと喜びをもたらしてくれます。
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ペットとの暮らしは、日々の生活に癒しと喜びをもたらしてくれます。しかし、動物と人間が同じ空間で暮らす以上、動物から人へ感染する病気——人獣共通感染症(ズーノーシス)——についての基礎知識を持っておくことは、飼い主としての大切な責務です。
「ズーノーシス」という言葉は難しく聞こえますが、適切な予防策を習慣化すれば、過度に恐れる必要はありません。この記事では、爬虫類・鳥類・小動物それぞれのリスクと具体的な対策を丁寧に解説します。
爬虫類から感染するおもな病気
爬虫類は見た目が独特で、近年ペットとして人気が高まっています。しかしその一方で、特有の感染症リスクがあることも知っておく必要があります。
サルモネラ症
最も代表的なリスクがサルモネラ症です。爬虫類(とくにカメやトカゲ、ヘビ)の腸内にはサルモネラ菌が常在しており、元気に見える個体でも菌を保有していることがあります。感染すると発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの症状が現れ、重症化すると入院が必要になることもあります。
予防のポイント
- 触れた後は必ず石鹸で30秒以上手を洗う
- ケージや飼育用品の洗浄はキッチンや洗面台ではなく、専用の場所(浴室や屋外)で行う
- 5歳以下の幼児、高齢者、妊婦、免疫機能が低下している方は直接の接触を控える
- 爬虫類を寝室や食事をする部屋で放し飼いにしない
クリプトスポリジウム症
クリプトスポリジウムは水を介して広がる寄生虫で、爬虫類から人への感染も報告されています。下痢や腹痛が主な症状で、免疫力の低い人では長引くことがあります。ケージを清潔に保ち、糞の処理後は念入りに手洗いすることが基本的な予防策です。
鳥類から感染するおもな病気
インコやオウムなどの鳥類は、その愛らしさから根強い人気を誇ります。鳥類特有の感染症を知り、正しいケアを心がけましょう。
オウム病(クラミジア症)
オウム病は、クラミジア・シッタシという細菌が引き起こす感染症で、乾燥した糞の粉塵や羽毛のほこりを吸い込むことで感染します。人では高熱・頭痛・倦怠感・乾いた咳・肺炎様の症状が現れ、適切な抗生物質治療が必要です。
感染している鳥が必ずしも症状を示すわけではないため、「元気そうだから大丈夫」とは言い切れません。
予防のポイント
- ケージ掃除の際は必ずマスク(できればN95相当)を着用する
- 乾燥した糞は霧吹きで湿らせてから除去し、粉塵が舞わないようにする
- 作業中は窓を開けて換気を十分に行う
- 鳥を抱いた後や糞に触れた後は手洗いを徹底する
鳥インフルエンザ
一般家庭での飼育鳥から人への感染リスクは低いとされていますが、野鳥との接触には注意が必要です。弱った野鳥を素手で触ることは避け、万一触れた場合は速やかに手洗いしましょう。
小動物から感染するおもな病気
ハムスター・ウサギ・モルモット・デグーなどの小動物は、初めてペットを迎える方にも人気のカテゴリです。比較的リスクは低めですが、注意すべき感染症も存在します。
皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム)
ハムスターやウサギ、モルモットが感染源となることがある真菌(カビ)による皮膚病です。皮膚に円形の赤い発疹やかゆみが現れるのが特徴で、「リングワーム」とも呼ばれます。
- 皮膚に脱毛や赤みのある動物との接触を避ける
- 触れた後は手洗いを行う
- 動物に異変を感じたら早めに獣医師に相談する
鼠咬症(そこうしょう)
齧歯類(ハムスター・ラット・マウスなど)に噛まれた際に感染することがある細菌感染症です。発熱・発疹・関節痛などが現れることがあります。噛まれた場合は流水でよく洗い、消毒して医療機関を受診してください。
今日からできる!基本の予防7か条
感染症の多くは、基本的な衛生習慣の徹底で予防できます。以下の7か条を日々の習慣として定着させましょう。
- ペットに触れた後は必ず石鹸で手洗い(最低30秒)
- ケージ・飼育環境の清潔維持と定期的な消毒
- ペット用品の洗浄はキッチン以外の専用場所で
- 糞の処理・ケージ掃除時はマスク着用
- 噛まれた・引っかかれたら流水で洗浄し消毒
- 定期的な獣医師による健康診断を受けさせる
- 乳幼児・高齢者・妊婦・免疫不全者への配慮を忘れずに
とくに免疫力が低下している方がいる家庭では、ペットの種類の選択や接触のルール作りについて、事前にかかりつけ医や獣医師に相談しておくとよいでしょう。
「もしかして?」と思ったら——受診のポイント
ペットを飼育している方が体調不良を訴える場合、医師がズーノーシスを疑うためには「ペットを飼っている」という情報が不可欠です。
受診の際は必ず以下を伝えましょう。
早期に適切な治療を受けることで、ほとんどの場合は完治します。症状が軽くても「なんとなく長引く体調不良」が続く場合は、躊躇せず受診することをおすすめします。
まとめ——正しい知識が、動物との豊かな暮らしをつくる
ズーノーシスは、正しい知識と日々の衛生習慣があれば十分に予防できます。「怖いから飼わない」ではなく、「正しく知って、安心して飼う」という姿勢が大切です。
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