テントウムシの飼育ガイド|ナナホシ・ニジュウヤホシの種類と飼い方・繁殖方法
テントウムシの種類と生態の基礎知識 テントウムシはコウチュウ目テントウムシ科に属する小型甲虫で、日本には180種以上が生息しています。丸くて赤や黄色に黒の斑点を持つ愛らしい外見から子どもに親しまれますが、種類によって食性が大きく異なります。

要點總結
テントウムシの種類と生態の基礎知識 テントウムシはコウチュウ目テントウムシ科に属する小型甲虫で、日本には180種以上が生息しています。丸くて赤や黄色に黒の斑点を持つ愛らしい外見から子どもに親しまれますが、種類によって食性が大きく異なります。
テントウムシの種類と生態の基礎知識
テントウムシはコウチュウ目テントウムシ科に属する小型甲虫で、日本には180種以上が生息しています。丸くて赤や黄色に黒の斑点を持つ愛らしい外見から子どもに親しまれますが、種類によって食性が大きく異なります。
主な種類と食性の違い
益虫(アブラムシ・カイガラムシを食べる種):
- ナナホシテントウ (Coccinella septempunctata): 体長5〜8mm。赤地に黒い7つの斑点。日本で最も一般的な種で、アブラムシを1日に数十〜100頭以上食べる。
- ナミテントウ (Harmonia axyridis): 体長6〜8mm。模様の変異が多く(黒地に赤、赤地に黒など)同一種とは思えないほど多様。アブラムシ・カイガラムシを食べる。
- 二紋テントウ・十文字テントウ: いずれもアブラムシ食。
害虫(植物の葉を食べる種):
- ニジュウヤホシテントウ (Henosepilachna vigintioctopunctata): 体長6〜7mm。黄橙色地に28個の黒斑。ナス・ジャガイモ・キュウリなどの葉を食べる農業害虫。外見は似るが光沢がなく、触ると体液(黄色い苦み成分)を出す。
飼育対象として人気があるのはナナホシテントウとナミテントウの2種です。本ガイドではこの2種を中心に解説します。
テントウムシの採集方法
採集シーズン
春(4〜5月)と秋(9〜10月)が最も採集しやすい季節です。アブラムシが大量発生している植物(バラ・ソラマメ・ナノハナなど)の葉裏を確認すると、テントウムシが集まっています。
越冬中(11月〜3月)の成虫は枯れ葉の裏・石の下・倒木の隙間などで集団越冬していることがあります。この時期は動きが鈍く採集しやすいですが、越冬個体を持ち帰る場合は春まで低温(5〜10℃)で管理する必要があります。
採集のコツ
- アブラムシがついている植物をまず探す(テントウムシの餌場を探す)
- 葉の表と裏、茎を丁寧に確認する
- 素手で捕まえる場合は指先で素早く摘まむ(危険感知で飛び立つため)
- プラスチック容器に葉ごと採集すると個体へのダメージが少ない
注意: テントウムシは危険を感じるとアルカロイドを含む黄色い体液を関節から分泌します。目や口に触れないよう、採集後は手を洗ってください。
飼育ケースと環境設定
ケースの選び方
テントウムシは体が小さいため、飼育スペースは非常にコンパクトで済みます。
- 基本ケース: 500ml〜1Lのプラスチックケースやプラカップ(蓋に通気穴を開けたもの)
- 観察用: 底面透明のアクリルケースや昆虫観察ケース(市販品)
- 通気: 密閉すると蒸れて死亡するため、必ず側面か蓋に穴を開けてメッシュで覆う
環境設定
- 床材: 不要(底面を乾燥状態で保つ)。湿らせたキッチンペーパーを底に1枚敷くと水分補給に役立つ
- 温度: 18〜25℃(室温管理で十分)
- 光: 日中は明るい場所に置く。直射日光は温度上昇になるため窓の近くでも直射は避ける
- 植物の葉: アブラムシがついた植物の枝・葉を入れると、餌と足場を兼ねた自然な環境を再現できる
給餌——アブラムシの安定確保が最大のポイント
テントウムシの飼育で最も難しいのがアブラムシの安定供給です。代替餌もありますが、まずアブラムシ給餌の基本を押さえましょう。
アブラムシの与え方
アブラムシがついた植物の葉・茎をそのままケースに入れるのが最も簡単です。アブラムシが枯渇したら、アブラムシのついた新しい葉と交換します。
アブラムシの人工培養:
- バケツにソラマメやホウレンソウの苗を植え、アブラムシを繁殖させる方法
- 1〜2週間で密集し、安定した餌源になる
- 農薬を使用していない鉢植えを用意する(農薬付きアブラムシは即座に中毒死の原因になる)
代替餌
- 花粉: バラ・デイジーなどの花から採取した花粉をピンセットで置く(栄養補助として有効)
- コナカイガラムシ・ワタフキカイガラムシ: 入手できれば代替餌になる
- 市販の乾燥アブラムシ: 一部のペット用品店や通販で入手可能。鮮度が低下しているため嗜好性は下がるが非常用として有効
注意: 砂糖水や薄めたハチミツ、昆虫ゼリーは一時的なつなぎにはなりますが、長期飼育にはアブラムシが欠かせません。
繁殖と幼虫の管理
産卵環境の整備
成虫のオスとメスを同居させ、適切な餌(アブラムシ)と気温(20〜25℃)を維持すれば自然に交尾・産卵が起こります。
卵の特徴:
- 黄色い楕円形の卵を20〜60粒まとめて葉や茎に産みつける
- 産卵から孵化まで約5〜7日(温度依存)
幼虫の飼育
孵化した幼虫はすぐにアブラムシを食べ始めます。幼虫はイモムシ状の細長い形で、成虫とは全く異なる外見をしています。黒地に橙色・黄色の斑点が入る種が多いです。
幼虫の管理ポイント:
- アブラムシを切らさない: 成虫以上に大量のアブラムシが必要
- 乾燥防止: 幼虫は乾燥に弱いため、霧吹きで葉を湿らせる
- 隔離管理: 共食いするケースがあるため、幼虫が多い場合は分けて管理
- 蛹化の準備: 4齢幼虫になると動きが止まり、葉や壁面に固着して蛹になる。この時期は振動を与えない
蛹期間は約1週間で、羽化直後の成虫は体色が薄く斑点が見えないことがあります。1〜2日で本来の色が出てきます。
ナナホシとナミテントウの同定ポイント
飼育前に種類を正確に把握しておきましょう。
| 特徴 | ナナホシテントウ | ナミテントウ |
|---|---|---|
| 斑点数 | 7個(固定) | 2〜19個(変異多い) |
| 地色 | 赤のみ | 赤・黒・橙など変異多い |
| 前胸板 | 黒地に白の2斑 | 黒地に白または全黒 |
| 体型 | やや細長い楕円 | ほぼ正円に近い |
| サイズ | 5〜8mm | 6〜8mm |
自由研究への応用
テントウムシは生活史(卵→幼虫→蛹→成虫)が短期間(約3〜4週間)で観察できるため、小学生の自由研究に最適です。
観察のテーマ例:
- 「1日に何匹のアブラムシを食べるか(捕食量の計測)」
- 「幼虫の脱皮回数と日数(4齢まで)」
- 「孵化から成虫になるまでの日数測定」
- 「ナナホシとナミテントウの行動比較」
観察時の注意: 体液(アルカロイドを含む)は皮膚刺激があるため、子どもが素手で長時間触れる場合は手洗いを徹底してください。
まとめ
テントウムシは身近でありながら、アブラムシの捕食者という重要な役割を持つ昆虫です。小型ゆえに飼育スペースも小さく、卵→幼虫→蛹→成虫の全ステージを2〜3週間で観察できる点が教育・観察飼育として優れています。アブラムシの安定確保さえできれば、長期飼育・繁殖まで十分楽しめます。
ブリちょくではテントウムシ関連の昆虫飼育情報を発信しています。近縁の甲虫飼育にも、ぜひチャレンジしてみてください。