動物取扱業の基礎知識
日本でブリーダーとして活動するために知っておくべき、動物取扱業の登録制度と法規制の概要をまとめました。
⚠️本ページは制度の概要です。最新の正確な情報は、管轄の都道府県・政令指定都市の動物愛護センターにお問い合わせください。
動物取扱業とは
動物取扱業とは、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を業として行うことです。動物愛護管理法に基づき、第一種動物取扱業(営利目的)は都道府県知事等への登録が、第二種動物取扱業(非営利)は届出が必要です。ブリーダーとして販売を行う場合は、第一種動物取扱業の「販売」の登録が必要になります。
業種の種類(7種別)
販売
動物の販売を行う業種。ペットショップ、ブリーダー(繁殖・販売)、インターネット販売などが該当します。
例:ペットショップ、ブリーダー、ネット販売業者
保管
動物を預かる業種。ペットホテル、ペットシッターなどが該当します。
例:ペットホテル、ペットシッター
貸出し
動物を貸し出す業種。ペットレンタル、撮影用動物の貸出しなどが該当します。
例:ペットレンタル業、撮影用動物プロダクション
訓練
動物の訓練を行う業種。しつけ教室、訓練所などが該当します。
例:犬のしつけ教室、動物訓練所
展示
動物を展示する業種。動物園、水族館、ふれあい施設、猫カフェなどが該当します。
例:動物園、水族館、猫カフェ、ふれあい施設
競りあっせん
動物のオークション・競りの場を提供する業種。
例:動物オークション運営
譲受飼養
有償で動物を引き取り飼養する業種。老犬・老猫ホームなどが該当します。
例:老犬ホーム、老猫ホーム
登録の流れ
動物取扱責任者の要件を満たす
以下のいずれかの要件を満たす必要があります:(1) 獣医師免許または愛玩動物看護師免許、(2) 動物関連の学校を卒業(所定の種別に半年以上の実務経験)、(3) 所定の資格 + 半年以上の実務経験、(4) 1年以上の実務経験 + 所定の資格。2020年の法改正で要件が厳格化されています。
事業所・飼養施設の基準を確認する
飼養施設の広さ、清掃・消毒体制、温度管理、逸走防止策など、動物の適正な飼養のための施設基準を満たす必要があります。自治体によって追加基準がある場合もあります。
都道府県・政令指定都市に申請する
事業所の所在地を管轄する都道府県または政令指定都市の動物愛護センター等に、必要書類を提出して申請します。申請手数料がかかります。
施設の審査・登録
申請後、自治体の担当者による施設の立入検査が行われます。基準を満たしていれば登録証が交付されます。登録の有効期間は5年間で、更新が必要です。
主な法規制
対面説明・現物確認の義務
哺乳類・鳥類・爬虫類の販売時には、購入者に対して対面で動物の状態を見せ、飼育方法等について書面を交付して説明する義務があります。
幼齢個体の販売規制
犬・猫は生後56日(8週齢)を経過しないと販売・引渡しができません(一部例外あり)。他の動物についても、適切な離乳後の販売が求められます。
帳簿の作成・保管義務
販売した動物の品種、数量、販売先等を記録した帳簿を作成し、5年間保管する義務があります。
標識の掲示義務
事業所には、登録番号、氏名・名称、事業の種別、登録年月日、有効期限、動物取扱責任者の氏名を記載した標識を掲示する必要があります。
飼養管理基準の遵守
2021年施行の飼養管理基準(数値規制)により、飼育スペースの広さ、繁殖回数の制限、従業員1人あたりの飼養頭数上限などが具体的に定められています。
マイクロチップの装着義務
2022年6月以降、ブリーダーやペットショップが販売する犬・猫にはマイクロチップの装着が義務化されています。
よくある質問
個人のブリーダーでも登録は必要ですか?
業として(反復継続して)動物の販売を行う場合は、個人でも第一種動物取扱業の登録が必要です。趣味として少数を飼育し、たまに譲渡する程度であれば不要な場合もありますが、判断が難しい場合は管轄の自治体に確認してください。
魚類・昆虫・植物の販売にも登録は必要ですか?
動物愛護管理法上の「動物」は哺乳類・鳥類・爬虫類が対象です。魚類・両生類・昆虫は対象外のため、動物取扱業の登録は不要です。植物の販売にも特別な許可は原則不要です。ただし、CITES対象種などは別途規制があります。
登録にかかる費用はどのくらいですか?
申請手数料は自治体によって異なりますが、一般的に1業種あたり15,000円程度です。複数の業種を登録する場合は追加料金がかかります。このほか、施設の整備費用や動物取扱責任者の研修費用なども考慮してください。
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